目次

  1. 異業種参入が進む銀行業界
  2. 今ある銀行は必要なくなる?
  3. 存在意義が薄れる銀行の実店舗
  4. 融資機能も銀行から離れつつある
  5. 参考になる中国の例
  6. FinTech時代を生き抜くには

異業種参入が進む銀行業界

フィンテックの世界的潮流と、未来の可能性を追う本連載。

【第1回】では続々と金融業に参入する国内の大手企業についてお伝えした。なかでもLINEが銀行業に進出したのはセンセーショナルであり、しかしこれまでの事業スキームから考えれば必然といえる流れでもあった。LINEの参入ははみずほフィナンシャル銀行との合弁会社を設立するが、異業種の参入が進むなか、銀行側はどのようなスタンスで時代に望むのであろうか。

そこで【第2回】ではフィンテック時代に銀行が持つべき戦略を考察していく。

今ある銀行は必要なくなる?

世界第2位の金持ちと言われているビル・ゲイツ氏(マイクロソフト創業者)は「銀行機能は必要だが、今ある銀行は必要なくなる」という趣旨の発言をしているそうだ。

数多くのFinTech企業が日々多様なサービスを生み出している現在、銀行を「新たなイノベーションによって淘汰される負け組」と切り捨てる論調も、そこかしこに見られるようになった。実際に、大学生の就職人気ランキングを見ても、銀行は軒並みランキングを落としている。こうした時代に生き残るために、銀行員に採るべき対策はあるのだろうか。

存在意義が薄れる銀行の実店舗