中国経済,キャッシュレス,今日頭条,捜狐
(画像=Freer / Shutterstock.com 2018年1月1日、中国・中山市で撮影)

目次

  1. 本当にフィンテックの前途は明るいのか
  2. モバイル決済は伝統的な決済方法を淘汰した
  3. 支付宝と微信支付
  4. 人民銀行(中央銀行)のスタンス
  5. QRコードスキャンは1日500元

本当にフィンテックの前途は明るいのか

フィンテックの世界的潮流と、未来の可能性を追う本連載。

これまで各国で躍進するフィンテック企業の潮流や、世界を牽引する中国のフィンテックをテーマに、主にポジティブな面を中心にお伝えしてきた。

ではフィンテックにリスクや課題は無いのだろうか。【第6回】では政府の介入により陰りが生じた中国の事情を題材に、フィンテックのネガティブ因子について考えてみたい。

モバイル決済は伝統的な決済方法を淘汰した

中国の若者の生活は簡便になる一方である。かつて外出時の持ち物に、財布は必携だった。それが今はどこへ行くにもスマホ1台でよい。大都市では、外食、映画、ショッピング、何を支払うにも「支付宝」「微信支付」さえあれば事足りる。現金盗難の心配をする必要もない。モバイル決済は、伝統的な支払い方法を淘汰しつつある。近付く無現金時代の見通しと当局のスタンスを、ニュースサイト「今日頭条」「捜狐」などが伝えている(1元=17.15円)。

支付宝と微信支付