株式、国債、不動産など様々な投資商品があり、どれを選べばよいか分からないという初心者は少なくない。こうした問題点を解決する入り口になる投資信託だが、実はいろいろなタイプがある。それぞれの特徴や短所などを知って、投資の一歩を踏み出したい。
(本記事は、藤原久敏氏の著書『投資信託が予想以上に安心設計で儲かるのだが』ぱる出版、2018年2月23日刊の中から一部を抜粋・編集しています)
【関連記事 『投資信託が予想以上に安心設計』より】
・(1)初心者こそ「面白くない投資信託」を買えーー資産運用のプロが指摘する理由
・(2)なぜ「複利効果」が得られない金融商品がこれほど人気を集めているのか?
・(3)レバレッジ型、ベア型、不動産、債券……投資信託でもこれだけできる
短期決戦で、積極的に、ガンガン運用したい人(レバレッジ型投資信託)
投資の世界には、「レバレッジ」という用語があります。もともと、レバレッジとは「てこ」のことで、「てこの応用」で有名ですね。
てこの応用とは、小さな力で大きなモノを動かせることで、これは投資の世界で言えば、少ない資金で(その資金以上の)大きな金額の取引ができることとされます。
そこでまずパッと思い浮かぶのは、先物取引や信用取引、あとFX(外国為替証拠金取引)などではないでしょうか。いずれも超ハイリスク・上級者向け取引として有名でして、これらの取引は、証拠金を差し入れて、その何倍もの金額を取引するものです。
たとえば、10万円の証拠金を差し入れて、100万円分の取引をしたりするわけです。
この場合、その100万円が80万円に値下がりすれば、20万円の損失となるように、証拠金(=投資額)を超える損失が出てしまう可能性もあるのです。
今回は、ガンガン運用したい人向け……ではありますが、さすがに「元本を超える損失」には、ちょっと躊躇することでしょう。そこでうってつけの商品が、ここで紹介するレバレッジ型投資信託です。
レバレッジ型投資信託とは
レバレッジ型投資信託も、先物取引等と同じく「少ない資金で大きな金額の取引」ができます。
しかし、先物取引等のように、証拠金を差し入れてその何倍もの金額を取引するものではなく、あくまでも投資額そのものの取引となります。なので、投資額以上に損失が膨らむことはないのです。
そんなレバレッジ型投資信託とは、先物取引等を用いて、ベンチマークの値動きの2倍、3倍といった値動きをするように設計されている投資信託のことです。
たとえば、「日経平均レバレッジ2倍型」だと、日経平均株価が5%値上がりすれば、そのファンドの基準価額は10%値上がりするように設計されているのです。つまりこれは、実質的に、投資額の 2倍の金額を取引しているイメージですね(※)。
(※)あくまでもイメージであって、先物取引等と違って、実際には投資額以上の金額は取引していない。
つまり、「読み」が当たれば、短期間で大きな収益が狙える商品なのです。
しかし一方で、その「日経平均レバレッジ2倍型」では、日経平均株価が5%値下がりすれば、そのファンドの基準価額は10%値下がりします。
もし日経平均株価が10%も値下がりすれば、ファンドの基準価額は20%も値下がりすることとなり、「読み」が外れると、大きな損失が出ることになります…が、前述の通り、投資額以上に損失が膨らむことはないので、安心と言えば安心ですよね。
ただ、大きなリスクを抱えた商品であることは、しっかり理解しておきましょう。
ベア型(インバース型)とは?
さて、レバレッジ型投資信託には、「ベンチマークが値下がりしたとき、ファンドの基準価額が値上がりする」ように設計されたタイプもあります。これをベア型、またはインバース型と言います。
たとえば、「日経平均ベア2倍型」であれば、日経平均株価が5%値下がりしたときに、そのファンドの基準価額は10%値上がりするのです。つまり、ベンチマークの値動きと「逆の値動き」をする
わけですね。このベア型ファンドを上手く使うことで、下落相場であっても、収益の場にすることができるのです。通常の投資だと、「安く買って、高くで売る」のが基本です。
なので、相場全体が下落傾向だと、値上がりしそうな銘柄を目利きして見つけることは難しいので、仕方なく、相場全体が回復するのを、ただただ指をくわえて眺めるだけ……となりがちです。
そんな下落相場にあっても、先物・信用取引の「売り」や、オプション取引(権利の売買)を使って、果敢に収益を求めることもできますが、これらの取引は、相当上級者向けです。
しかし、このベア型ファンドを使いこなすことで、相場全体の下落に乗じて、積極的に収益を追求することができるのです。
もっとも、相場全体(ベンチマーク)が値上がりすれば、ベア型ファンドの基準価額は値下がりします。
相場全体が下がると思ったのに、逆に上がってしまった場合、すなわち読みが「裏目」に出たときには、「普通のレバレッジ型で良かったのに!」と、悔しい思いをするので要注意ですね。
相場を的確に読むことは難しいものですが(というか、不可能ですが)、少なくとも、このベア型ファンドを知ることで、投資の幅は広がることでしょう。
なお、このベア型ファンドには「レバレッジ1倍」もあるので、初めてベア型にチャレンジする際には、まずは、こちらから始めていきましょう。
ちなみに、上昇相場をブル相場、下落相場をベア相場と言います。
ブルとは牡牛のことで、角を(下から上へと)突き上げる様から、「上昇」を表します。一方でベアとは熊のことで、腕を(上から下へと)振り下ろす様から、「下落」を表します。
そんなことから、レバレッジ型投資信託の中でも、相場上昇時に値上がりするタイプ(一般的なタイプ)を「ブル型ファンド」、相場下落時に値上がりするタイプを「ベア型ファンド」と言うのです。
というか、レバレッジ型投資信託のこと自体、ブル・ベアファンドとも言うくらい、実は、この「ブル」「ベア」との呼び方は、投資の世界では有名なのです。
ちなみにETFにも、レバレッジ型はあります。なお、ベンチマークの値動きと「逆の値動き」をするタイプを、ETFでは、インバース型と呼ぶことが一般的です(前述の「ブル型」のことですね)。
具体的な銘柄として、たとえば、野村アセットマネジメントが運用する、日経平均株価をベンチマークとするETFは上表となります。上場タイプの投資信託である、ETFは株式取引と同じく、取引時間中はいつでも時価で取引できます。
なので、タイミングを計って、機動的に売買するには適しているわけですね。あと、ETFは、(株式取引同様に)信用取引も可能です。
不動産投資に興味がある人(不動産投資信託(J-REIT))
不動産投資に興味ある人は多いと思います、私も、大いに興味ありです。投資用不動産のセールスでも、「老後、家賃収入が年金代わりになりますよ」といった魅力的なフレーズなど、よく聞きませんか?
そうです、かつての高度成長期(~1990年頃)には「値上がりで大きく儲ける」だったのが、近年では「家賃収入で手堅く儲ける」が、不動産投資の主流となっているのです。
そして、「誰でもできますよ」と、背中を押してくるのですが、本当にそうでしょうか?不動産は高額です、数百万円から数千万円、場合によっては億単位の資金が必要となります。
また、物件は「一点もの」ですから、相当な目利きが必要となりますし、「一点もの」ゆえに、流動性は極めて乏しいのです。
すなわち、希望通りの条件で売買できる相手を見つけるのが難しいわけで、これは、「売りたいときに売れない」という怖さがあるのです。売りたいときに売れない…個人的には、そこが一番怖いと思っています。
不動産は保有している限り、毎年固定資産税がかかります。マンションであれば、管理費・修繕積立金の支払いから逃れることはできません。
また、建物が老朽化して、壁などが剥がれ落ちて、通行人に当たってケガをした場合なども、その責任は所有者です。所有者である以上、そういった責任からも逃れることはできないのです。
つまり、不動産を所有するということは、実は、ものすごいリスクを背負うことなのです。実家を相続して持て余してしまう「空き家問題」でも、そういったリスクが顕在化していますよね。
まさに、「負」動産とは、よく言ったものです。不動産は、い~らない、と言って捨ててしまうことはできません。
手放すには、「他の誰かに売る」しかないのです。なので、寂れたリゾートマンションの区分所有権など、まるで「ババ抜き」状態になっているとか、いないとか。
ですので、不動産投資にはすごく興味はあるのですが、私はやっておりません。でもやっぱり、ものすごく興味はあるわけです……。
さて、グダグダと前置きが長くなってしまいましたが、そんな、不動産投資には興味はあるけど、「実物」不動産は怖い……という人(私もその一人)におススメなのが、不動産投資信託です。
不動産投資の問題点(高額・目利きが必要・流動性に乏しい)をすべて解決してくれて、それでいて、不動産投資のメリットである「大きな収益」もしっかり享受できるのが、不動産投資信託なのです(なんだかベタボメですね)。
J-REITファンド
さて、不動産投資に興味ある人にとっては、このJ-REITはこの上なく魅力的な商品でしょう。
あえて言うなら、実にバラエティ豊かなラインナップなので、アレコレ目移りしてしまうところが欠点かもしれませんね。また、数万円程度からでも買えてしまうので、衝動買いにも困るところです。
実際、温泉好きな私は、大江戸温泉リート投資法人など、完全に勢いで買ってしまいました(でも後悔はしておりません)。他にも気になる銘柄はたくさんあります、と言うか、本音を言えば、全銘柄欲しいところです。
でも、さすがにJ-REIT全銘柄を買うとなると、ゆうに1000万円以上はかかるので、現実的には難しいところ……ですが、実は、ある方法を使えば、お手軽にできるのです。
その方法とは、J-REITファンドを買うことです。J-REITファンドとは、その名の通り、J-REITに投資する投資信託です。
その中でも、インデックス型を買えば、東証REIT指数(東京証券取引所に上場するJ-REIT全銘柄を対象とする)に運用成果は連動するので、約60本あるJ-REITすべてに投資するのと同じ効果が見込めます。言わば、「J-REIT丸ごとお買上げ」ですね。
その際、インデックス型であれば、基本、どれでも運用成果は同じなので、できるだけコスト(信託報酬)が安いタイプが狙い目です。と言うことは、例によって、超低コストインデックスファンドシリーズが賢い選択となるわけですね。
なお、証券会社に口座を持っているのであれば(持とうと思っているのであれば)、より信託報酬が低いETFにも、東証REIT指数に連動するタイプもあるので、そちらも検討の余地あり、です。
もっとも、一口にJ-REITと言っても、その収益は、銘柄によってマチマチ。分配金利回りは、低い銘柄だと2%台ですが、高い銘柄だと7%近くもあります。
また、その価格も、過去1年間で大きく値上がりした銘柄もあれば、逆に、大きく値下がりした銘柄もあります。
インデックス型を買うことで、そういったJ-REITの平均収益を享受できますが、できることなら、「高配当で、値上がりが見込める」銘柄だけ選んで、大きな収益を狙いたい……という人もいるはずですね。
ただ、そういった銘柄を選ぶには、REIT保有物件の詳細やREIT自身の財務状況等をしっかり「目利き」しなければならず、大変です。
そこで役立つのが、有望な銘柄を、プロの目線で「目利き」してくれるアクティブ型のJ-REITファンドです。
もちろん、その「目利き」によって運用成果に大きな差がでますが(場合によっては「平均」以下となることも)、大きなリターンを狙う人には魅力的な商品でしょう。
ただ、インデックス型と違って、過去の運用実績等をしっかり見極めるなど、ファンド自体を「目利き」する必要があります。
つまり、結局、「目利き」が必要となるので、そこを楽しめる人にこそ、おススメしたいところです。
不動産市況の見通しは?
ワンルームマンション投資だろうが、マンション一棟投資だろうが、そして不動産投資信託(J-REIT)だろうが、結局は「不動産」に投資するわけですから、将来の不動産市況の見通しは欠かせません。
はたして、国内不動産の将来は、大丈夫なのでしょうか?一般論としては、当面の間、低金利は続き、相対的に高金利の不動産投資人気は、まだまだ続くだろうとされています。
また、東京オリンピックによる景気高揚効果もあって、不動産市況の活性は続くとの見込みでもあります。
しかし、2020年以降となると、暗雲が立ち込めます。ご存知の方も多いと思いますが、2022年問題ですね。
2022年以降、生産緑地(農地として管理が義務付けられている代わりに、固定資産税が優遇されている土地)が一斉に指定解除されることで、それらが不動産市場に放出され、不動産価格が大暴落するとか、しないとか…。
また、将来の人口減(というか、すでに人口減は始まっている)による需要減少は、不動産相場の大きな重しとなるとされています。
つまり、この先4~5年くらいは大丈夫だが、それ以降、中長期的なスタンスとなるとかなり怪しい…というのが、大方の予想ではないでしょうか。
とはいえ、不動産市況の見通しは、人それぞれ。私の見通しは、わりと楽観的です。
2022年問題については、マスコミや関係者が、煽り過ぎている感が否めません。えてして、「〇〇年問題」というヤツは、結局、何事もなかったね…で終わるケースが多いものです。
人口減についても、不動産の需要がまったくなくなるわけではありません。むしろ人口が減れば、便利な都市部に人は集まり、都市部の不動産は値上がりする可能性が高いでしょう。
そして今、明るい材料としては、訪日外国人観光客(インバウンド)の増加が挙げられます。
これは将来にわたる息の長いテーマであり、不動産市況においては、都心部のホテルなどには大きな追い風となるでしょう。
つまりは、将来、どんな状況になろうが、魅力的な不動産は存在するのです。不動産投資信託(J-REIT)では、そんな魅力的な不動産を目利きして投資するわけですから、大いに活用したいところですね。
あと、不動産投資信託(J-REIT)は、不動産オーナーとしての満足感・優越感(?)が味わえるのも、大きな魅力です(いわゆる「一口オーナー」ではありますが)。
そういった精神的充足度を重視するなら、J-REITファンドではなく、ぜひとも、個別のJ-REITに投資したいところです。「面白そう」「オーナーになりたい」といった直感で投資するのも、投資の面白さですから。
外国REITって、どうなの?
今の時代、日本だけでなく、世界中の不動産にも投資ができる時代です。アメリカ、欧州、オーストラリア……などなど、「海外にも不動産を持っているんだよ」など言えれば、カッコイイですね。
精神的充足度も、相当高そうです。とくにハワイや東南アジアの不動産は、地理的に比較的近いということで(そして、大きな値上がりも期待できるとということで)、一時期、ちょっとしたブームにもなっておりました。
ただ、外国不動産の情報は、あまりにも少な過ぎます。
ですので、直接現地へ何度も出向くことができて、現地の事情に精通している人でないと、現実には難しいでしょう。
または、絶対信頼できる業者に任せることができるか、将来そこに移住を考えているくらいに腹を括っているか、それくらいの人でないと、外国不動産への直接投資はあまりおススメできません。
とは言え、「外国不動産」との響きには、ワクワクしますよね。なので、相当ハードルは高いとは言え、興味ある人は多いかと思います(私もその一人です)。
そして、そんな人におススメなのが、やはり不動産投資信託なのです。具体的には、外国REIT に投資するタイプのREITファンドですね(ETFもあります)。
外国不動産にも、投資信託という形で、間接的に投資できるのです。繰り返しになりますが、外国不動産については、あまりにも情報が少な過ぎます。
不動産の「目利き」は、プロに任せたいものですね。ただ、「外国」と「不動産」、ダブルのリスクですから、そのリスクは大きめです。
そこはしっかりと把握して、基本、分散投資のアクセントとして、検討したいところです。
安全性を最重視、手堅く運用したい人(国内債券投資信託)
投資信託には、預貯金のように「元本保証」はありません。なので、投資信託を購入することは、多少なりともリスクは覚悟しなければいけません(その分、預貯金にはないリターンが見込めますが)。
それは分かってはいるけど…でもやっぱり、安全性を最重視したいというのであれば、国内債券投資信託がよいでしょう。
国内債券投資信託とは、その名の通り、国内の債券(債券の説明は後述)に投資するファンドです。国債、地方債、社債など、安全性の高い債券を厳選して分散投資するので、安全性は抜群。
債券の値動きは株式に比べて緩やかなので、基準価額の変動も大きくはありません、というか、非常に穏やかです。その多くは年間で±1~2%程度ですから、安心して保有できますね(その分、リターンは期待できませんが)。
値動きが緩くて面白くない、との意見もありますが、大きな値動きを避けて手堅く運用したいという人には、うってつけの商品と言えるでしょう。
債券とは? ~債券の2大リスク~
そもそもですが、債券とは、何でしょうか?株式や投資信託の本はよく見かけますが(この本もそうですね)、「債券の本」はあまり見かけませんよね。
何となくマニアック、かつ玄人向けなイメージがあって、しっかりと説明できる人は、ほとんどいないのでは?でも、債券を知っておけば、間違いなく、投資の幅は広がります。
ザックリと説明しますので、これを機会に、ぜひ、債券という商品を知っておきましょう。一言で言えば、債券とは、「借用証書」です。
国や地方自治体、民間企業といった発行体が、お金を借り入れるため、「額面金額(いくら借りるのか)・償還期間(いつまで借りるのか)・表面利率(利息はいくら払うのか)」といった条件を記載して、銀行や証券会社を通じて売り出します。
我々は、その債券を(条件を見て納得して)買うことで、その発行体にお金を貸すことになるのです。
満期になれば(償還期間がくれば)お金は戻ってくるわけですから、一般には、安全性は高いとされています。それでいて、預貯金に比べて金利(表面利率)は高めとなっています。
しかし、預貯金にはないリスクがあるので、そこには要注意です。その主なリスクは、次の2点です。
1点は、発行体の破綻。
債券とは借用証書なので、その発行体が破綻してしまうと、元本も利息もパーになってしまいます(実際には、破綻状況に応じて残った財産を分配)。
これはエライことですね、絶対に避けねばなりません。かと言って、その発行体の財務状況等を専門的にチェックするのは至難の業で、そこで役に立つのが、「格付け」なのです。
格付けとは、第三者機関である格付け機関が、発行体の財務状況等を、簡単な記号で表したもの。
格付け機関によって若干異なりますが、AAAやBBなど、アルファベット記号で表されるケースがほとんどです。
「外国」債券投資信託には、注意を
ところで、今回、おススメしているのは、「国内」債券投資信託です。同じ債券でも、「外国」債券となると、安全重視・手堅く運用したい人には向いておりません、注意してください。
具体的には、「ブラジル国債ファンド」「アジア債券ファンド」「新興国債券ファンド」などがありますが、いずれも債券ファンドとは言え、大きなリスクがあります。
たとえば「ブラジル国債ファンド」だと、その名の通り、ブラジル国債が主な投資対象です。
高い金利が魅力ですが…レアル相場に大きく左右され、そして何より、ブラジルの経済・政治情勢による信用リスク・価格変動リスクは決して低くはありません。
また、人気の「ハイイールド債券ファンド」ですが、これは、外国債券に投資するタイプです。
なぜなら、その投資対象は主に、外国の低格付け(=高利回り)債券だからです。というか、そもそも、格付けBB以下の国内債券はほとんどありません。低格付けということは、当然、大きなリスクを孕んでいるわけですね。
というわけで、「債券=安心」と思い込んで、うっかり外国債券タイプを出さないように注意しましょう。
藤原 久敏(ふじわら・ひさとし)
1級FP技能士、CFP。藤原FP事務所 / 藤原アセットプランニング合同会社代表
尼崎信用金庫を経て独立。資産運用に関する講演・執筆・相談を中心に活動する。
マネー関連の著書は、『あやしい投資話に乗ってみた』『おトクな制度をやってみた』(以上、彩図社)、『現役FPのしくじり体験から学ぶ月15万円を確実に稼ぐ守りの投資術』(鉄人社)、『60歳からのお金の増やし方』(スタンダーズ)など25冊、累計約23万部。また、大阪経済法科大学にて経済学部非常勤講、阪南大学にてキャリアセンター講師を勤める。