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終身保険を理解しよう

終身(しゅうしん)とは「一生」という意味。終身保険とはつまり、80歳でも90歳でも死亡保障がある、という保険です。
特徴は「死亡保険金」があって「積立」もできる、というもの。なかなか複雑ですが、今回はそのメリットを分かりやすく解説します。


『保障』から見る終身保険

①終身の保障が必要な場合とは?

終身保険といえば、保険金200万円、なぜか呪文のようにこの金額が長年慣習化してきました。理由は何か?それはズバリ『お葬式代』が200万円以内で納まるため。「終身保険金の200万円」は『人生の後始末対策資金』、これが終身保険の目的、第一歩といってよいでしょう。

②いつ死んでも、確実に現金が用意できるメリット

また、200万円ではなく500万円、1000万円と高額にすることで『相続対策(相続税対策、相続分配対策)』を行うことも可能。200万円の現金を用意するのに『200万円をはるかに下回る金額』で確実に用意できるのが終身保険のよさ、ですから、市中金利よりもはるかにリターンのいい金融商品といえるのです。

③金利が高い金融商品

20年、30年と長期で掛けていく終身保険の場合、支払う保険料の総額が700万円で、死亡保険金が1000万円などというものがざらにあります。保険料は積立と考えれば、300万円の死亡保険がついた700万円の積立と解釈することもできます。

注意点は、保険料総額と積立額、つまり解約返戻金は『常に』同等ではないこと。長く掛けていくに従って積立額の方が大きくなります。「長く続ける」「終身払いではない(60歳、70歳などで支払いが終わる)」ことで、リターンのメリットがより増加します。


『貯蓄』から見る終身保険

①終身保険の「肝」は貯蓄性にあり!

定期保険が掛け捨て、というのはよく知られています。掛け捨てとは「途中で解約しても、返戻金がない」ということ。だから、同じ3000万円、5000万円などの保険金で比べて「終身保険」「養老保険」よりも格段に安く加入できるのです。

ならば、終身保険は「途中で解約したら返戻金がある?」といえば、その通りなのです。典型的な例でいえば、31歳で加入し、60歳で支払いが終わる終身保険を想定します。その30年間の保険料合計が600万円としましょう。さて、60歳の時の解約返戻金は?会社によって異なりますが「600万円以上」になります。

②保険料支払い後も「返戻金が増えていく」!

では、この終身保険をそのまま放っておくとどうなるでしょうか?65歳、70歳と時間の経過に伴って、解約返戻金は増加していくのです。つまり、600万円の保険料に対して、解約返戻金が610万、630万と増加していく仕組みになっているのです。これは各会社の「予定利率」に基づいて、金額が設定されます。つまり、都合のよいところで、解約をして、現金を生きている間に使うこともできるわけです。

③借り入れも出来る!

終身保険の使い方として「借り入れ」があります。正式には「契約者貸付」といいますが、上記の例で言えば、600万円の保険料総額を「積立金」と考えるわけです。例えば、45歳時に200万円ほど借り入れることも可能。ちなみに、30年間で600万円の保険料ですから、15年(45歳)では300万円の積立があるわけです。

契約者貸付は、この300万円(厳密には300万円の保険料と同額ではありません)の8割から9割程度までの範囲で行われますが、むろん金利が付きます。オーバーローンにならないように、限度額と金利が設定されているのです。

自分の積立から借りるわけですから、審査等の手続きは不用というメリットがあります。返さなければ、保険はなくなるのではなく「死亡保険金額」から貸付を受けた分を引いて、保険金が支払われます。