一生分の収入
次は同じ条件で一生分の収入を見ていきたいと思います。収入の大きな柱として遺族年金があります。簡単に説明しておきます。
・遺族基礎年金は子供のある妻または子供に支給されます。妻には基本額が78万円、子供には23万円支給されます(1人目と2人目が23万円、3人目以降は7.5万円になります)。
・遺族厚生年金は夫が会社員の妻の場合は一生もらえます。金額の目安は本人が生きていたらもらえた老齢厚生年金の3/4になります。夫の死亡後に30歳未満で子供を養育していない妻には5年間の有期給付になります。
・中高齢寡婦加算は夫が死亡したとき、妻が40歳以上65歳未満または妻が40歳時に高校卒業前の子供がいる場合に、妻が40歳以上65歳に達するまで約59万円が支給されます。(その間に遺族基礎年金を受給しているときは支給停止になります)
それでは金額を当てはめて収入を計算してみます。
・遺族基礎年金…101万円(基本額78万円+子供1人23万円)×12年(子供が18歳になるまでの期間)=1,212万円
・遺族厚生年金…仮に年60万とすると×47年(平均余命)=2,820万円
・中高年寡婦加算…年59万円×13年 (65歳‐52歳:子供が18歳になったときの妻の年齢)=767万円
・妻の老齢基礎年金…78万円×22年(平均余命87歳‐65歳)=1,716万円
・夫の死亡退職金…仮に150万円
・現在の蓄え…仮に300万円
これらを合計すると約7,000万円になります。
保険で用意する額
一生分の支出から一生分の収入を差し引いて不足する分が保険の必要保障額の目安でこの例ですと約3000万円が不足ということになります。
上の試算例にもありましたとおり職業や持家か賃貸かにより必要保障額は大きく異なります。会社員であれば遺族厚生年金がありますが自営業者はありませんので自営業者は会社員や公務員より手厚い保障が必要になるかもしれません。
また持家であればローンが残っていても殆どの人が団信(団体信用生命)に加入していると思います。本人に万が一のことがあっても、その時点で残りのローンはきれいに完済されます。住居費については基本的には管理費や固定資産税などの維持費だけ払えば良いことになります。それに対して賃貸ですと一生、家賃を払い続けることになります。
保険の定期的な見直し
今回、計算したのは、あくまでも現在の時点での支出と収入です。当然、子供も大きくなりますし、残された妻も仕事を始めるかもしれません。
大きく状況が変わると、そのつど見直しが必要です。ライフプランが変わったときはぜひ必要保障額も見直して下さい。それが安心と保険料の節約につながります。