新分類項目「介護医療保険」を控除に活用しよう

今回新設された分類項目の「介護医療保険」で特に注目したいのは、「介護保険」の分野です。

公的介護保険は、要介護になった場合の紙おむつ代や杖、車いすなどの費用は、いったん全額で支払い、9割分を還付してもらう(1割負担)方式でした。

生保の介護保険は公的介護にリンクしているものがあり、一例として要介護2以上に適応されると年金が支払われる、という商品が一般化しています。また、終身保険に契約していた場合、死亡保険金を「介護年金保険として先取り」することもできます。

つまり、今後は死後の整理のための保険を持たず、介護保障保険や介護保険といった名称の「介護年金保険」に加入する、という手もあるわけです。場合に依っては、3つの控除領域を最大限利用することも可能、となります。介護保障保険に加入することで、1割の介護用品自己負担部分に備え、保険料控除が適用するのは、よい選択ともいえるでしょう。


個人年金控除について

個人年金保険は、原則として10年以上保険料を支払い、60歳以降に最低10年以上年金として保険金を受け取るもの、というきまりがあります。税制控除を受けるには、この原則を変える事はできません。そして、被保険者(保険の対象となる人)と保険金受取人が同一でなければなりません。

問題は、年金保険金を受け取る場合に「所得税」がかかることです。自分が将来の自分のために貯蓄しておきながら、雑所得として保険金が天引きされるわけですから、この商品は「利率を見極めて加入」した方がよいでしょう。4万円の控除に目を奪われて、早合点してしまわないよう注意が必要かも知れません。


控除は税制上の特典といえるか

税制控除は制度としては縮小されつつあります。そのなかで保険料控除は今なお現存する貴重な控除の仕組みだと言えるでしょう。前半でも述べましたが、今回の改正のポイントはやはり「介護医療保険」の分野の控除が新設されたことです。つまり、国が今後、公的介護保険や健康保険制度の負担割合などを改正する代わりに、民間保険の控除を認めた、とも解釈出来るのです。

初診料が引き上げられた医療費負担。今後はますますその負担率は増していきます。保険加入の際には、自分が70歳、80歳になったときに支払いが終わっているような保険を考えておくことが大切です。その上で、今回の制度改正を賢く活用していきましょう。