前回の記事では「SUBARU」が持つ企業としてのこだわりが「テンバガー」銘柄へと成長させたことが理解できたのではないだろうか。今回の記事では東証マザーズに上場している歴史の古い企業を紹介していき、「テンバガー」銘柄を探すための手がかりを見つけていきたい。
東証マザーズ市場「歴史の古い企業」10社の顔ぶれ
それでは今回は、東証マザーズに上場している「歴史の古い企業(設立年月日の古い企業)」10社を紹介しよう。
(1)大泉製作所 <6618> 856円 1944/03/25
(2)パルマ <3461> 1999円 1969/12/27
(3)中村超硬 <6166> 1705円 1970/12/21
(4)ソフトマックス <3671> 1368円 1974/01/28
(5)アマナ <2402> 824円 1979/04/28
(6)サンワカンパニー <3187> 320円 1974/01/28
(7)データホライゾン <3628> 2147円 1982/03/25
(8)ASJ <2351> 1350円 1984/02/15
(9)神戸天然物化学 <6568> 2450円 1985/01/22
(10)プレシジョン・システム・サイエンス <7707> 317円 1985/07/17
※銘柄、証券コード、2018年10月23日終値、設立年月日の順。データはヤフーファイナンスより。
東証マザーズはベンチャー企業が多数上場している市場として知られ、個人投資家の人気も高い。しかし、中には設立年月日が古い「歴史ある企業」もある。たとえば上記ランキングでトップとなった大泉製作所は、終戦前の1944年3月に設立している。同社は後段で述べる通り、2012年6月に東証マザーズに上場、2014年にはテンバガーを達成している。
大泉製作所、自動車や空調向けセンサーの業績好調
今回は上記ランキングから大泉製作所、パルマ、ソフトマックスの3社を取りあげたい。
大泉製作所は自動車や空調製品などに使われる電子部品を扱うメーカーである。温度変化に対して電気抵抗の変化が大きい抵抗体「サーミスタ」を使った温度センサーを主力としている。
大泉製作所のWebサイトによると、1939年8月に航空機の高性能電気接点の製造を目的に設立された日本接点研究所が母体で、1944年3月に大泉航空機器製作所となった。戦後は民需の電気接点の製造に取り組み、1955年から電話交換機用のサーミスタの生産を開始している。
前述の通り、同社は2012年6月に株式を公開して、調達資金は青森県や中国の工場の生産ライン増設の費用等に充てた。上場直後の株価は400円前後で推移、2014年5月には150円まで下落したが、同9月には欧州自動車メーカーの採用を手掛かりに1887円まで急騰してテンバガーを達成する場面も見られた。
ここ数年の営業利益は右肩上がりで上昇し、経営状況は順調。電気自動車やハイブリッド自動車などへの新規引き合いも増えているという。ただ、今後の業績については、米国の保護主義的政策が自動車部品需要にどのような影響を及ぼすか気になるところでもある。