今年の株式相場は大活況だった。日経平均は96年6月のバブル崩壊後の戻り高値を更新し、92年以来25年ぶりの高値を更新した。一方で、上昇に乗れなかった銘柄も多い。今年の「年間下落率が高かった銘柄」と「逆テンバガー」とも言える高値からの急落銘柄を振り返ろう。

年間下落率が大きい10銘柄はどこ?

テンバガー
(画像=PIXTA)

12月8日時点での1年間のパフォーマンスで値下がり率上位10位が以下のランキングだ。 ワーストパフォーマンスは70%下落したウェッジHDだった。

銘柄<コード>/市場/1年間下落率

  1. ウェッジホールディングス<2388>/JQ/▲69.91%
  2. シャノン<3976>/マザーズ/▲61.11%
  3. 昭和HD<5103>/東証2部/▲60.84%
  4. ティビィシィ・スキヤツト<3974>/JQ/▲59.42%
  5. イノベーション<3970>/マザーズ/▲59.06%
  6. イグニス<3689>/マザーズ/▲58.79%
  7. 旅工房<6548>/マザーズ/▲58.50%
  8. フライト<3753>/東証2部/▲58.19%
  9. ビーブレイク<3986>/マザーズ/▲55.41%
  10. ユーザローカル<3984>/マザーズ/▲53.97%

テンバガー(急騰)後の悪材料には注意

テンバガーに近いパフォーマンスで大活躍した後に悪材料が出た銘柄が下げ止まらない。 ウェッジは、海外でのバイクローンを主力としている。バイクローン拡大による業績の伸びで人気化、16年6月安値から17年2月高値まで7.4倍となった。テンバガーまでは達しなかったがそれに近いパフォーマンスだった。10月にタイ上場の主要子会社が不正行為に関する調査のため売買停止になったことで大きく下落した。

昭和HDはソフトテニスボール大手。ウェッジのグループ企業として、低位株人気で16年安値78円から17年2月高値298円まで3.8倍になった。ウェッジと同様に10月にタイのグループ会社の売買停止が株価に影響したようだ。

イグニスはスマホアプリを手掛ける。16年9月期に黒字転換したことなどが人気の要因で、16年の2月安値662円から12月6340円高値まで9.6倍になった。ほぼテンバガーだった。もっとも17年9月期にふたたび最終赤字となり株価が低迷した。

フライトも16年の代表銘柄の一つ。iPhoneなどのスマホの電子決済関連銘柄として17年3月期に黒字転換することで2月安値の236円から11月高値2053円まで8.7倍になった。もっとも18年3月期の会社予想が減益だったことでその後株価は低迷した。

IPOバブルには注意

値下がり率ランキングの上位には、IPOで初値が高くなりすぎ、その後下げ続けている銘柄が多くランクインしている。 特に16年12月はIPOバブルとも言われ公募価格を数倍上回る銘柄が続出。当時の銘柄に下落率ランキング入りした銘柄が多い。

シャノンは16年12月にIPO。クラウド関連として人気化。初値は公募価格の4.2倍、直後に7370円の高値を付けた。ところが6月に今期の業績を下方修正、今年11月には2060円安値まで売られた。

ティビィシィ・スキヤツトも16年12月にIPO。インターネット関連で人気化。初値は公募価格の3.6倍、直後に4670円の高値を付けた。5月に業績を下方修正、株価は今年11月の1344円まで下落した。

イノベーションも16年12月IPO銘柄。公募価格の3.1倍で初値、直後に4655円まで付けた。その後、下げトレンドで今年12月には1568円まで下げた。

今年のIPO銘柄でも3銘柄がランクイン。

ユーザローカルは17年3月IPO。ビッグデータ、AI関連で人気化、初値は公募価格4.3倍、4月には1万4090円高値を付けた。その後はじり安で11月には5200円まで下げた。

旅工房は17年4月にIPO。オンライン旅行会社として人気化、初値は公募価格の2.7倍、直後2790円の高値を付けた。その後は右下がり11月には業績の下方修正を行い、12月には854円まで下げた。

ビーブレイクは17年6月IPO。初値は公募価格の4.6倍、直後に8300円の高値をつけた。その後なかなか下げ止まらない。12月には3525円まで下げた。

逆テンバガー銘柄

年間の下落率でなく、年初来高値からの下落率ランキングも振り返ろう。今年の年初来高値からの12月8日時点での下落率ランキングだ。「逆テンバガー」とも言える銘柄群だ。

年初来高値からの下落率ランキング

銘柄<コード>/市場/1年間下落率

  1. ウェッジHD<2388>/JQ/▲78.90%
  2. シャノン<3976>/マザーズ/▲69.61%
  3. JMC<5704>/マザーズ/▲68.21%
  4. エムアップ<1353>/東証1部/▲67.86%
  5. サイバーステップ<3810>/東証2部/▲66.29%
  6. マイネット<3928>/東証1部/▲66.25%
  7. 昭和HD<5103>/東証2部/▲65.44%
  8. ブロッコリー<2706>/JQ/▲63.03%
  9. アジア航測<9233>/東証2部/▲61.23%
  10. フライト<3753>/東証2部/▲60.78%

テーマ性で買われた銘柄は急騰後には急落があり得る

年間下落率ランキングと被っていない銘柄は、JMC、エムアップ、サイバーステップ、マイネット、ブロッコリー、アジア航測の6銘柄だ。テーマ性で買われた後に材料出尽くしや下方修正で売られているパターンだ。

JMCは3Dプリンターで人気化した銘柄。IPOバブルの16年12月IPO銘柄の一つ。3Dプリンターの将来性への期待と初値が1816円と公募価格の89%高と控えめに始まったこともって、17年3月の高値3240円まで78%上げた。その後17年7月に下方修正、11月安値は1001円まで下げた。

ファンサイトなどのコンテンツを手掛けるエムアップも4月安値の723円から6月高値の4235円まで2ヶ月弱で5.9倍になった。乃木坂46とのコラボアプリ期待とAKBプロデューサーの秋元氏が関連する会社に出資したことが人気化の要因。16年のテンバガーだったブランジスタ<6176>の連想が働いたようだ。もっとも8月の乃木坂アプリ配信で材料出尽くしとなったのか以降は下落基調で9月には1299円の安値を付けた。3ヶ月で69%の急落だった。

ゲーム関連にはピークから下げが目立つ銘柄が多い。

マイネットはすでに公開済みのスマホ向けゲームを買収し再生を手掛ける。16年12月期が好決算だったこともあり16年9月安値1138円から17年2月高値5090円まで4.5倍になった。8月発表の17年上期決算が赤字転落となったことで売りが先行し、9月には1467円安値を付けた。

ブロッコリーはPC向けゲームソフトを手掛ける。主力ゲームの「うた☆プリ」の7周年企画への期待で、17年4月の601円安値から17年6月の1339円高値まで2ヶ月で2.2倍になった。8月にKLAB<3656>との共同開発の「うたの☆プリンスさまっ♪Shining Live」を配信開始下後に材料出尽くしとなり株価は12月には484円まで下げた。

アジア航測は17年4月安値488円から7月高値1942円まで3ヶ月で4.0倍になった。5月の上方修正と自動運転のキーテクノロジーとなる写真測量、ナビ情報提供などの材料開示から人気付いた。7月には5日連続ストップ高まで演じたが、落ち着いた後は人気が徐々に離散し11月には740円まで下げている。

逆テンバガー銘柄にはテーマ性で大きく買われた後の悪材料、ゲーム関連銘柄は期待のゲームの配信開始が株価の転機となる例が多い。大きく上げた銘柄ほど、値下がりによる値惚れやテクニカルでのナンピンは控えたほうが良さそうだ。 (ZUU online 編集部)