富士重工業,SUBARU,株価
(画像=Webサイト)

「SUBARU」がテンバガー銘柄だということを知っているだろうか。 2017年4月1日に富士重工業株式会社から「株式会社SUBARU」へと社名を変更したことは記憶に新しい。

100年の歴史がある富士重工業は1917年創設の飛行機研究所(後の中島飛行機)を源流に持つ。現在は4WDを中心に多くのクルマ好きを魅了する自動車メーカーとして、広く認知されている。株式市場でも、株価が10倍になった「テンバガー銘柄」として、たくさんの投資家の注目を集めた企業だ。

今回の記事では「富士重工業からSUBARUへ」新たなステージの幕開けを迎えた同社の魅力に迫ってみよう。

目次

  1. 「独自路線」を歩む高収益企業
  2. 100年の歴史を持つ企業が「テンバガー」達成
  3. 企業としてのこだわりが「価値を生む」

「独自路線」を歩む高収益企業

スバル車のエンブレムは、6つの星からなる「星団」をモチーフにデザインされている。牡牛座にあるプレアデス星団の日本名「昴(すばる)」に由来するもので、富士重工業が旧中島飛行機の流れをくむ5社を吸収合併して誕生したことにちなんだブランドネームだ。

同社の年間自動車販売台数の世界シェアは約1%。当然、グローバルTOP10にも入っていない。国内でも販売シェアは約5%と最下位である。

しかし、世界や国内での販売シェアが低くてもSUBARUの売上は順調に伸びている。。2018年3月期の全世界販売台数は前年同期比0.2%増の106万7000台で、国内は2.8%増の16万3000台を示している。海外販売は重点市場である北米での販売台数が9期連続過去最高を更新したが、市場競争が激しい中国市場で苦戦を強いられ、0.2%減の90万3000台に留まった。 しかしながら、全世界販売台数、連結売上高は6期連続で過去最高を示している。国内、北米市場を中心にインプレッサ・SUBARU XVといった車種の販売が好調に推移している。。SUBARUブランドは、海外のユーザーにも特別な魅力があるクルマとしてしっかりと根付いているのだ。

2019年3月期の業績予想も良い見通しになっている。全世界販売台数は前年同期比3.1%増の110万台と過去最高となる計画があり、連結売上高についても同0.5%増の3兆2500億円を計画している。このうえ、海外販売台数、北米販売台数も過去最高となる見通しだ。 SUBARUは、自動車メーカーとして売上・営業利益が好調なだけでなく収益力も高い。2018年3月期の営業利益率は11.1%で、高収益で知られるトヨタ <7203> の8.2%をも上回っている。同社は、日本の自動車メーカーでもトップクラスの高収益企業なのだ。技術的な評価が高い一方で、生産台数が限定的という「独自路線」もあり、値引き競争などに巻き込まれないことも高い収益性につながっているのだろう。

100年の歴史を持つ企業が「テンバガー」達成

株式市場では10倍になる銘柄を「テンバガー」と呼んでいる。通常、テンバガーといえば新興市場に上場している銘柄など、まだ若くて伸びしろが大きい育ち盛りの企業に見られることが多い。そうした中にあって、100年の歴史を持つSUBARUがテンバガーを達成したのは驚きだ。

ちなみに、SUBARUの株価は2012年1月に468円の安値をつけていた。だが、その後、海外で主力モデルであるインプレッサの人気が高まり、米国向けにサイズアップしたレガシィなどの売上も軌道に乗り、米国でのシェアが拡大していった。このことが業績の後押しにつながり、2013年12月には3015円、2014年12月は4617円、2015年12月は5223円とそれぞれ高値をつけた。

SUBARUの100年という歴史があり、誰でも知っている会社でも、業績が拡大し、人気化する材料があれば、3〜4年でテンバガーになり得るのである。筆者は、そうした銘柄を見つけるのも株式投資の魅力の一つと考えている。

企業としてのこだわりが「価値を生む」