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Written by 平田和生 216記事

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富士重工業からSUBARUへ 100年の歴史を持つ企業が「テンバガー」を達成した理由

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(画像=Webサイト)

4月1日、「株式会社SUBARU」が誕生する。
100年の歴史を持つ富士重工業 <7270> の新しい社名だ。

1917年創設の飛行機研究所(後の中島飛行機)を源流に持つ富士重工業。現在は4WDを中心に多くのクルマ好きを魅了する自動車メーカーとして、広く認知されている。株式市場でも、株価が10倍になった「テンバガー銘柄」としてたくさんの投資家の注目を集めた企業だ。

今回は「富士重工業からSUBARUへ」新たなステージの幕開けを控えた同社の魅力に迫ってみよう。

「独自路線」を歩む高収益企業

スバル車のエンブレムは、6つの星からなる「星団」をモチーフにデザインされている。牡牛座にあるプレアデス星団の日本名「昴(すばる)」に由来するもので、富士重工業が旧中島飛行機の流れをくむ5社を吸収合併して誕生したことにちなんだブランドネームだ。

同社の年間自動車販売台数の世界シェアは約1%。当然、グローバルTOP10にも入っていない。国内でも販売シェアは約5%と最下位である。

しかし、シェアは低くても富士重工業の売上は絶好調だ。2017年3月期の第3四半期(4〜12月)までの全世界販売台数は10.3%増の78万6000台で、国内は5.6%増の10万6000台、海外は11.1%増の68万台と高い伸びを示している。海外での販売台数は国内を6倍も上回っており、中でも世界販売のおよそ半分を占める米国では、レガシィ・アウトバックといった車種の販売が好調に推移している。SUBARUブランドは、海外のユーザーにも特別な魅力あるクルマとしてしっかり根付いているのだ。

全世界販売台数は6年連続で過去最高を更新。今年度も7年連続の過去最高となることは確実視されている。同社は2月8日の第3四半期の決算発表時に2017年3月期の通期業績を、売上3兆1800億円から3兆3100億円に、営業利益を3970億円から4120億円に上方修正した。

富士重工業は、自動車メーカーとして売上・営業利益が好調なだけでなく収益力も高い。2016年3月期の本体の収益力を示す営業利益率は17.5%で、高収益で知られるトヨタ <7203> の10.0%をも上回っている。同社は、日本の自動車メーカーでもトップクラスの高収益企業なのだ。技術的な評価が高い一方で、生産台数が限定的という「独自路線」もあり、値引き競争などに巻き込まれないことも高収益体質につながっているのだろう。

100年の歴史を持つ企業が「テンバガー」達成

株式市場では10倍になる銘柄を「テンバガー」と呼んでいる。通常、テンバガーといえば新興市場に上場している銘柄など、まだ若くて伸びしろの大きな育ち盛りの企業に見られることが多い。そうした中にあって、100年の歴史を持つ富士重工業がテンバガーを達成したのは驚きだ。

ちなみに、富士重工業の株価は2012年1月に468円の安値をつけていた。その後、海外で主力モデルであるインプレッサの人気が高まり、米国向けにサイズアップしたレガシィなども人気化したことで米国でのシェアが拡大、業績を後押しした。その結果、2013年12月には3015円、2014年12月は4617円、2015年12月は5223円とそれぞれ高値をつけた。

富士重工業ほどの歴史があり、誰でも知っている会社でも、業績が拡大し、人気化するカタリストがあれば3〜4年でテンバガーになり得るのである。筆者は、そうした銘柄を見つけるのも株式投資の魅力の一つと考えている。

企業としてのこだわりが「価値を生む」

ところで、富士重工業を象徴するテクノロジーといえば何といっても4WDであろう。「本物の走行性能」にこだわり続ける同社のクルマはフルタイム4WDを基本としており、特に海外では「SUBARUといえば4WD」のイメージが広く浸透している。

米国がSUBARU車の世界販売のおよそ半分を占めるまで成長したのは、世界ラリー選手権でのインプレッサの活躍が大きいとも指摘される。インプレッサは1995年から2008年までに市販車をベースにしたラリー車として47勝を上げ、米国のクルマ好きのユーザーから高い評価を得たのだ。どんな業種でも、こだわりを持つ企業は魅力的だ。企業としてのこだわりが「価値を生む」のである。

そんな同社が次に狙うのはHV(ハイブリッド)やPHV(プラグインハイブリッド)といった次世代市場だ。3月7日から19日まで開催される「ジュネーブ国際モーターショー 2017」で、新型スバルXVの発表が予定されている。そこで同時に、新しいHVやPHVを発表するのではないか、との観測もある。

2005年、富士重工業はGMとの提携を解消し、現在はトヨタが筆頭株主として同社株の16.77%を保有している。HV、PHVについてはトヨタが基幹部分を提供し、富士重工業が走りにこだわったチューニングを担当すると見られている。ジュネーブモーターショーでの発表を楽しみに待ちたい。

平田和生(ひらた かずお)
慶應義塾大学卒業後、証券会社の国際部で日本株の小型株アナリスト、デリバティブトレーダーとして活躍。ロンドン駐在後、外資系証券に転籍。国内外機関投資家、ヘッジファンドなどへ、日本株トップセールストレーダーとして、市場分析、銘柄推奨などの運用アドバイスをおこなう。現在は、主に個人向けに資産運用をアドバイスしている。

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