三菱UFJフィナンシャル・グループのアクセラレータプログラム「MUFG DIGITALアクセラレータ」のデモデーが7月27日、東京国際フォーラムで行われ、グランプリにはクレジットエンジン、準グランプリにMDRとRESTARが選ばれた。3年目の今年から設けられたオーディエンス賞はノーニューフォークスタジオに贈られた。
このほかパートナー賞として、Amazonが提供するAWS賞にはクレジットエンジンが、Microsoft Azure賞とDEJIMA賞にはノーニューフォークスタジオが、そしてPR TIMES賞には参加した全6社が選ばれた。
グランプリ企業の構想はMUFGにとっても大きな機会創出
冒頭、MUFG執行役専務グループCIO兼グループCDTOの亀澤宏規氏が「今回は90社近くの応募があったこのプログラムはわれわれにとって非常に重要な取り組み。単にここで賞をとって終わりではない。ここからサービスが始まっているし、出資もさせていただいている」などと述べ、プログラムおよび参加スタートアップへの期待を述べた。
今回プログラムに参加したのは6社で、仮想通貨用ハードウェアウォレット開発の「AndGo」、中小事業者向け事業資金調達サービス開発の「クレジットエンジン」、仮想通貨のビッグデータ収集・AI開発の「FACTBASE」、汎用量子コンピュータOS開発の「MDR」、靴にウェアラブルデバイスを組み込んだスマートフットウェア開発の「ノーニューフォークスタジオ」、不動産事業者・金融機関向けのBtoB SaaSなどを開発している「RESTAR」。
審査員は三菱UFJキャピタルの半田宗樹代表取締役社長、グロービス・キャピタル・パートナーズの仮屋薗聡一マネージング・パートナー、三菱総合研究所の村上清明・常務研究理事とMUFGの亀澤氏が務め、審査は新規性、事業性、利用者ベネフィット、MUFGとのシナジーの4点について行われた。
グランプリに選ばれたクレジットエンジンはオンライン融資サービス「LENDY(レンディー)」を運営している企業。今回のプログラムでは中小規模事業者がオンラインを使って資金調達しやすくするためのサービス開発に取り組んでいた。
最後の総評で亀澤氏は、同社について、「一番の要因はマーケットを広げるポテンシャルがあること。われわれにとっても大きな(融資などのビジネス)機会創出につながると思う」と解説、評価した。同社代表の内山誓一郎氏は受賞に驚きを隠さず、今後の意気込みを述べていた。
オーディエンス投票には195人が参加
このプログラムはイノベーションを起こそうとサービス・商品の開発をしているスタートアップを支援するもので、初回はFinTechアクセラレータとして行われた。昨年の第2回から「デジタルアクセラレータ」として行われている。
昨年末に申し込み受付があり、年明けに選考。そこで選ばれた6社がプログラム参加のメンターから指導を受けながら、春先から約4ヵ月かけて事業化に向けた技術・ビジネス開発に取り組んできた。
また今回新しい試みとしてピッチ(プレゼンテーション)を聞いた参加者が投票するシステムが取り入れられた。195人が投票に参加、オーディエンス賞がノーニューフォークスタジオに贈られた。
過去2回の受賞企業は、初回グランプリと準グランプリがそれぞれxenodata lab.とAlpacaDB,Inc.、昨年の第2期はグランプリにクラウドリアルティ、準グランプリにAnyPayとNayutaが選ばれている。