中国経済,消費,統計
(画像=PIXTA ※写真はイメージです。)

目次

  1. はじめに
  2. 個人消費でスポーツ支出が大幅増
  3. 消費品売り上げの伸びは鈍化しているが
  4. 上半期のハイライトはスポーツ関連消費
  5. 個人消費は先進国水準に
  6. サービス業の動向が景気分析のカギに

はじめに

近年、目覚ましい発展を遂げ、世界第2位の経済大国にまで上り詰めた中国。経済の成長とともに中国国民の生活も大きく様変わりした。

今、中国の人たちは、どのような日々を送り、どのようなライフスタイルを目指しているのか。最近の中国の生活事情を紹介しよう。

個人消費でスポーツ支出が大幅増

中国のCCTV2財経チャンネルは7月下旬、中国経済上半期の焦点シリーズ第6弾「消費をどう見るか」を放映した。国務院発展研究センターの研究員、CCTV財経評論員といったエコノミストたちが、詳細な分析を行ったが、それによると2018年上半期は、たくさんの新しい消費の潮流がうごめき、更なる発展の準備をしているという。

「新浪」「騰訊新聞」などのニュースメディアもまとめ記事を掲載しているので、これからから最近の中国個人消費事情を見てみよう。(1元=16.4日本円)

消費品売り上げの伸びは鈍化しているが

中国国家統計局のデータによると、2018年上半期の全国社会消費品小売総額は18兆18億元(約300兆円)、前年同期比9.4%のプラスだった。この数値はこれまで、ほとんど10%から12%の間におさまり。失業率と並び、最も動きの少ないデータだった。しかし昨年の12月以降は下落基調となり、2ケタに届かなくなってきた。消費は減速しているのだろうか。項目別に動向を見てみよう。

伸長率トップ5
化粧品14.2%、日用品類12.6%、石油及び製品類11.9% 家用電器・音像器材類10.6%、通信機材類10.6%

伸長率ワースト5
自動車類2.7%、文化事務用品6.6%、金銀宝石類7.4%、建築及び内装材料8.1%、酒煙草類8.9%

どれをとっても大差なく、消費のダイナミズムは伝わってこない。ただ実物商品ネット通販売上だけは、3兆1277億元、29.8%の大幅増である。ただしこれも、ここ数年30%台前半で推移し、ほとんど変わっていない。

しかし実際には、これらの数字に現れないところで、中国の消費は大きな転換点を迎えている。