【目次】
①VALUENEXIPOの基礎情報
②ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)【10/18更新】 ※有料会員限定(一部)
③IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント 【10/12更新】 ※有料会員限定
- 会社名
- VALUENEX株式会社
- コード
- 4422
- 市場
- マザーズ
- 業種
- 情報・通信業
- 売買単位
- 100株
- 代表者名
- 中村 達生 /1965年生
- 本店所在地
- 東京都文京区小日向四丁目5番16号
- 設立年
- 2006年
- 従業員数
- 17人 (2018/08/31現在)(平均34.9歳、年収648.4万円)、連結18人
- 事業内容
- 特許・文書解析ツール「TechRadar」、「DocRadar」のASPライセンスサービス及びこれを用いたコンサルティングサービスの提供
- URL
- https://valuenex.com/
- 株主数
- 15人 (目論見書より)
- 資本金
- 100,000,000円 (2018/09/25現在)
- 上場時発行済み株数
- 2,746,200株(別に潜在株式269,400株)
- 公開株数
- 511,700株(公募420,000株、売り出し25,000株、オーバーアロットメント66,700株)
- 調達資金使途
- 子会社の投資、研究開発費、外注費、採用費、本社拡張費、広告宣伝費
- 連結会社
- 1社
- スケジュール
- 仮条件決定:2018/10/10→1,700~1,840円に決定
- ブックビルディング期間:2018/10/12 - 10/18
- 公開価格決定:2018/10/19→1,840円に決定
- 申込期間:2018/10/23 - 10/26
- 払込期日:2018/10/29
- 上場日:2018/10/30→初値4,300円
- シンジケート ※会社名をクリックすると外部サイトへ飛びます
- 主幹事証券:SBI証券 (SBI証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:みずほ証券
- 引受証券:大和証券
- 引受証券:岩井コスモ証券
- 引受証券:藍澤證券
- 引受証券:エース証券
- 引受証券:エイチ・エス証券
- 引受証券:極東証券
- 引受証券:東洋証券
- 引受証券:むさし証券
- 大株主
- 早稲田1号投資事業有限責任組合 1,106,100株 42.61%
- 中村 達生 811,700株 31.27%
- ウエルインベストメント(株) 125,100株 4.82%
- 平澤 創 120,000株 4.62%
- 日本アジア投資(株) 97,500株 3.76%
- 工藤 郁哉 66,800株 2.57%
- ChoiJiyoung 60,500株 2.33%
- 長谷川 智彦 60,000株 2.31%
- VALUENEX(株) 54,000株 2.08%
- 石井 正純 25,200株 0.97%
- KIZUNA投資事業組合 22,500株 0.87%
- 業績動向(単位:百万円)売上高 営業利益 経常利益 純利益
- 2016/7 連結実績 349 7 8 2
- 2017/7 連結実績 343 -56 -53 -54
- 2018/4 連結3Q累計実績 405 78 79 72
- ロックアップ情報
- 中村達生、工藤郁哉、本多克也、片桐広貴、花堂靖仁は上場後90日目の平成31年1月27日までは普通株式の売却ができず(例外あり)
- 調達額(公開株数×公開価格)
- 9億4152万8000円(511,700株×1,840円)
- 潜在株数(ストックオプション)
- 269,400株
- ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)
-
VALUENEX<4422>は特許文書解析ツールのASP(※)提供及び、同ツールを利用したコンサルティングサービスを提供している。同社及び米国カリフォルニア州にある100%子会社のVALUENEX,Inc.の2社から構成されている。
※ASP(Application Service Provider)→アプリケーションをネットワーク経由で提供するサービス
■ASPサービス詳細
同社は独自開発のツールであるTechRadarとDocRadarの2者をASP提供している。
TechRadarは特許専用の解析ツールであり、最大10万件までの特許文献間の類似度を自動的に判断し、グラフに可視化できる。本ツールを利用する事で、将来の技術開発分野の特定、買収先企業の技術領域の探索などが可能である。尚、日本語と英語に対応している。
一方、DocRadarは最大10万件のテキスト文書情報を類似度評価によって可視化する事で、これまで整理が難しく活用ができなかったアンケート等の文書情報の定量分析を可能にするツールである。TechRadarは特許解析に特化している一方で、DocRadarは特許情報以外を対象とする解析ツールとなっている。尚、両者ともに同じアルゴリズムを基盤としているが、DocRadarは日本語、英語のみならず中国語にも対応している。
同社はTechRadar及びDocRadarを月額固定料金の年間契約を基本として、顧客にサービスを提供しており、積み上げ型のビジネスモデルとなっている。
■コンサルティングサービス
同社が提供しているTechRadar及びDocRadarは解析結果の提供はなされるものの、解析結果を自ら読み解く必要がある。同社ではTechRadar及びDocRadarが導き出した解析結果の読み解きを、コンサルティングサービスという形で提供している。
また調査コンサルティングとコーチングの、2種類のコンサルティングが用意されている。調査コンサルティングは顧客の要望に応じて、同社がTechRadar及びDocRadarを利用してデータ解析及び結果報告を行うものである。
一方でコーチングは顧客に対して、顧客内部の情報解析人材の育成を手掛けるものである。
尚、ASPサービス及びコンサルティングサービスの2つのサービスを提供しているが、ひとつのアルゴリズムから派生した事業である。よってアルゴリズム事業として単一セグメントで、部門別の損益状況等の開示はなされていない。
■業績推移
2015年7月期 売上高2.9億円、経常利益0.4億円、当期純利益0.4億円
2016年7月期 売上高3.5億円、経常利益0.1億円、当期純利益0億円
2017年7月期 売上高3.4億円、経常利益▲0.5億円、当期純利益▲0.5億円
2018年7月期 売上高5.1億円、経常利益0.8億円、当期純利益0.8億円
2019年7月期(予想) 売上高6.9億円、経常利益1.1億円、当期純利益1.2億円
※2016年7月期から連結決算
毎期着実な増収を重ねている。2017年7月期は一旦赤字となったものの、2018年7月期から再び黒字化。2019年7月期は経常利益・当期純利益も1億円の大台に乗る予想である。
2017年7月期を公開申請決算期としているものの、上場予定日は2018年10月30日であり期越え決算での上場となる。よって2018年7月期決算数字の開示もなされている。
■財務状況
2017年7月期末は資産合計2.7億円に対して、純資産合計1.2億円であり、自己資本比率は44%となっている。
短期借入金0.5億円があるものの、現預金2.0億円を有しており、実質的に無借金で安定的な財務基盤を有している。
■資金使途
IPOにより6.7億円の資金調達が予定されている。調達された資金については、主に下記の使途が予定されている。
① 米国子会社の財務基盤増強 0.9億円(子会社の増資資金)
② アルゴリズムの研究体制拡充のための人件費 0.8億円
③ 本社拡張投資 0.4億円
他にもASP機能改善や本社機能拡張、広告宣伝費等にも充当される計画となっている。
■株主状況
筆頭株主は株式シェア42.61%の、早稲田1号投資事業有限責任組合(投資ファンド)である。また3位株主ウエルインベストメント(株主シェア4.82%、早稲田1号投資事業有限責任組合の無限責任組合員)、5位株主の日本アジア投資(同3.76%)もVCである。
よって50%以上の株式を、投資ファンド及びVCが保有している。
■今後の注目ポイント