【目次】
①KudanIPOの基礎情報
②ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)【12/10更新】 ※一部有料会員限定
③IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント【12/4更新】 ※有料会員限定
- 会社名
- Kudan株式会社
- コード
- 4425
- 市場
- マザーズ
- 業種
- 情報・通信業
- 売買単位
- 100株
- 代表者名
- 大野 智弘 /1969年生
- 本店所在地
- 東京都新宿区新宿六丁目27番45号
- 設立年
- 2014年
- 従業員数
- 3人 (2018/09/30現在)(平均38.4歳、年収655.7万円)、連結14人
- 事業内容
- 人工知覚技術の研究開発およびソフトウエアライセンスの提供
- URL
- https://www.kudan.eu/japan/
- 株主数
- 25人 (目論見書より)
- 資本金
- 261,355,000円 (2018/11/15現在)
- 上場時発行済み株数
- 6,866,200株(別に潜在株式391,400株)
- 公開株数
- 196,500株(公募123,000株、売り出し47,900株、オーバーアロットメント25,600株)
- 調達資金使途
- 人件費・採用費、本社移転費
- 連結会社
- 1社
- スケジュール
- 仮条件決定:2018/12/03→3,260円~3,720円に決定
- ブックビルディング期間:2018/12/04 - 12/10
- 公開価格決定:2018/12/11→3,720円に決定
- 申込期間:2018/12/12 - 12/17
- 払込期日:2018/12/18
- 上場日:2018/12/19→初値14,000円
- シンジケート ※会社名をクリックすると外部サイトへ飛びます
- 主幹事証券:SMBC日興証券(SMBC日興証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:みずほ証券
- 引受証券:いちよし証券
- 引受証券:大和証券
- 引受証券:マネックス証券 (マネックス証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:エース証券
- 引受証券:岡三オンライン証券 (岡三証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:丸三証券
- 大株主
- 大野 智弘 3,780,200株 52.98%
- Jun Emi 788,000株 11.04%
- John Williams 385,600株 5.40%
- 飯塚 健 283,400株 3.97%
- Net Capital Partners Limited 206,000株 2.89%
- 美沢 臣一 190,000株 2.66%
- Ardian International Limited 150,000株 2.10%
- 高橋 秀明 150,000株 2.10%
- 斉藤 誠 150,000株 2.10%
- 国際航業(株) 130,000株 1.82%
- 業績動向(単位:百万円)売上高 営業利益 経常利益 純利益
- 2017/3 連結実績 88 -73 -90 -92
- 2018/3 連結実績 204 -3 4 3
- 2019/3 連結予想 363 104 100 100
- 2019/3 連結中間実績 321 206 203 196
- ロックアップ情報
- 指定された株主は上場後180日目の平成31年6月16日までは普通株式の売却ができず(例外あり)
- 調達額(公開株数×公開価格)
- 7億3098万0000円(196,500株×3,720円)
- 潜在株数(ストックオプション)
- 391,400株
- ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)
- Kudanは人工知覚技術(AP技術)の研究開発を行い、開発ソフトウェアをライセンス化し顧客に提供する企業である。同社及び英国の開発拠点子会社から構成されている
■AP(人口知覚)について
AP(人口知覚)とは、同社グループが提唱・研究開発している技術である。近年人間の「脳」を代替する技術として、AI(人工知能)が急速に発展している。それにともない、コンピューターやロボット(機械)が、人間のコントロールから離れて自立的に機能する方向に向かいつつある。
機械が自ら判断を下すための、「脳」に当たるAI部分が重要視されているが、それと同等に重要と考えらえているのが、周囲の状況を理解するための「眼」である。機械の「眼」に当たる部分が、同社が提唱及び研究開発しているAP(人口知覚)である。
APは人間の「眼」と同等に、機械に対し高度な視覚的能力を与える。具体的には、カメラが取得した画像データをコンピュータープログラムによって数理的に処理し、立体感・運動感覚をリアルタイムに緻密に出力し、記憶と照合を行う一連のソフトウェアを指す。
同社はコンピュータビションと呼ばれる既存技術を再構築して土台とし、そこから独自にAP技術を開発した。
AP技術の用途としては産業用ロボット、家庭用ロボット、次世代モビリティ(自動車等)、飛行機(ドローン等)などがあり、自動制御に必須の技術となっている。またAR(拡張現実)やVR(仮想現実)等の空間認識にも必要な技術とされるなど、きわめて応用範囲の広い技術である。
■同社技術の特徴
同社はAP技術の研究開発に特化しているが、具体的には同社AP技術は下記の特徴を有している。
・アルゴリズムの独自性
・柔軟で高い性能
・センサ利用の柔軟性
・演算処理環境の柔軟性
・部分機能利用の柔軟性
AIのソフトウェアや産業機器等に組み込まれる形となるため、利用の柔軟性を重視しての技術開発が行われている。
■取扱い領域
同社は下記の3つの事業領域でAP事業を展開している。
① AR(拡張現実)、VR(仮想現実)の応用領域
・光学センサメーカー、光学機器メーカー、通信機器メーカー、コンピューターゲーム制作など
② ロボティクス、IoT(Internet of Things)の領域
・光学機器メーカー、産業ロボットメーカー、電気機器メーカー、輸送機器メーカーなど
③ 自動車や地図向けの応用領域
・自動車部品メーカー、デジタル地図会社、空間情報コンサルティング企業など
上記の領域に対してAP技術を、ハードウェアに組み込むための「KudanSLAM」としてソフトウェアライセンス化し、顧客にサービスを提供している。
■業績推移
2016年3月期 売上高50百万円、経常利益2.2百万円、当期純利益1.6百万円
2017年3月期 売上高89百万円、経常利益▲90百万円、当期純利益▲93百万円
2018年3月期 売上高205百万円、経常利益4.2百万円、当期純利益3.7百万円
2019年3月期(予想) 売上高363百万円、経常利益101百万円、当期純利益101百万円
※2017年3月期より連結決算
2018年3月期に売上高2億円を突破し、事業の具体化を実現した。また経常利益・当期純利益も若干の黒字となった。
当期(2019年3月期)は大幅な増益を見込んでおり、経常利益では1億円到達を予想している。
Q2(累計)では売上高321百万円、経常利益203百万円と既に大幅な黒字を達成している。また通期の経常利益計画101百万円に対し、既にQ2で203百万円の経常利益であるが、下期は赤字を見込んでおり、Q2の経常利益から減じる通期数字で着地する予想である。
■財務状況
2018年3月期末時点で資産合計3.7億円に対して、純資産合計3.6億円であり、自己資本比率98%である。
借入金はなく、また貸借対照表の借方で最も大きい科目が現預金の1.7億円のため、財務的な懸念事項は見当たらない。
■資金使途
IPOにより3.6億円の資金調達を行い、資金については下記の使途が予定されている。
① 英国の開発拠点でのAPアルゴリズム、組み込み要素技術の研究開発にかかる人件費及び採用費用等 2.7億円
② APアルゴリズムのライセス販売拡大のための人件費及び採用費等 0.7億円
③ 本社移転費用 0.1億円
調達された資金の大半を、研究開発に投じる計画となっている。
■株主状況
社長の大野智弘氏が筆頭株主として53%の株主シェアを有している。
投資会社のNet Capital Prtnersが第5位株主(株主シェア2.9%)として存在している。
また、測量大手の国際航業(株主シェア1.8%)及び地図大手ゼンリングループのゼンリンデータコム(同1.2%)が株主として参入している。
■今後の注目ポイント