(本記事は、坂本彰氏の著書『給料は当然もらって、株で10万を1年で月収20万に!』ぱる出版、2018年12月11日刊の中から一部を抜粋・編集しています)
はじめての人が1年で利益を出す5つのステップ
日本の家計の預貯金合計が2017年6月に1000兆円を突破しました。しかしながら、預貯金のうち株式などのリスク商品へ投資している割合を調べてみると、わずか10%前後しかありません。
政府が貯蓄から投資へというスローガンを掲げて長いわけですが、資産の大半は増えもしない定期預金などにとどまっているようです。
でも、その一方で投資に興味はある。始めたい人も多いと感じます。
そういった投資ビギナーに向けて、気軽に投資を始められて、なおかつ簡単に結果を出すためのステップをお話しましょう。
ステップ1:投資先はカンニングで決める
投資ビギナーの人に、いきなり有望株や成長株を見つけましょうと言っても、経験がゼロの場合、なかなか難しいものがあります。
そのため、一番最初は、信頼できる人を手本としてみてはいかがでしょうか。
一例を挙げます。私の場合、会社の経理をすべて税理士さんにお任せしております。
領収書をまとめたり、決算の手続きもすべてやってくれるのですが、毎月6万円、決算時は別途30万円をお支払しています。年間で100万円を超える代金を払っているわけです。
それを自分がやれば、そのお金が丸々浮くわけですが、私はそれをしようと思いません。
その理由は、「信頼できる人に任せることで自分の時間を増やすことができる」「払った代金以上の節税効果と、さらなる節税および会社運営のアイデアをくれる」という大きなメリットがあるからです。
このメリットがお支払いしている代金以上に大きいと判断しているため、会社設立間もない頃からお願いしております。
今回、一つの例として税理士さんのお話をしましたが、株式投資においても上場企業をあなたが全て調べる必要はないのです。
投資本や投資雑誌、または信頼できそうな個人投資家のブログやSNSでオススメの銘柄を参考にする、あるいは素直に買ってみるという発想のほうが、投資ビギナーは早く成長できるでしょう。
なぜ、この会社を選んだのか? 結果から学んでいくことで、効率的にノウハウや経験を積むことができます。ある程度すると、次は自分で有望企業を見つける選択眼が芽生えてくるでしょう。
試験でカンニングはダメですが、株式投資ではカンニングしても全然いいのです。
●自分で銘柄を選択したいときのカンタンな方法
現在、株式を売買できる上場企業は3600社以上あります。その中から、株価が大きく上昇する会社をピンポイントに見つけるのは簡単ではありません。投資のプロでも失敗しているくらいですから、投資の初心者やビギナーは悩んで当たり前です。
加えて、ほとんどの人は専業投資家ではなく、自分の仕事がある人ばかりなので、投資に割ける時間が限られています。なおさら投資先選びの視野も狭くなりやすいですが、休日や余暇時間を使って、「イオンなどのショッピングセンター」「家電量販店」巡りをしてみてください。
●イオンで人気の「お店」に注目する
イオンモールには100店以上のテナントがあります。なおかつイオンに出店するためには、結構高いハードルがあります。私たちの知らないところで競争があり、それを乗り越えて出店した力のあるお店なのです。
店名を調べてみると、最近上場した勢いのある企業だったりする場合もあります。
色んなお店を見ながら、「あの店は繁盛している」「ランチタイムに行列ができている店舗はどこか」「売り切れになっている商品はどの会社か」など、気になった店舗名を覚えておきましょう。
ちょっとした気づきが、意外な結果とつながります。
●家電量販店では「人気の商品」に注目
他にも有効活用できるのが家電量販店です。大型店舗が多い家電量販店もイオンモールと同じく活用できます。イオンは店舗を見るという視点ですが、家電量販店の場合は商品を見てください。
家電量販店の場合、売れ筋の商品ほど入り口あるいは玄関口の近くに並びます。そのため、以前と比べて入り口近くに新たな売り場を作った商品を細かくチェックするようにしましょう。
その商品を扱っている企業も同じく調べましょう。入り口付近にあるほど、売れている商品だと判断できます。
普段よく利用しているイオンや家電量販店は、見方を変えると、お宝銘柄の見本市、展示会とも言えます。
ステップ2:投資額は10?100万円から始める
投資ビギナーの場合、余裕資金を一気に使い切ってしまうのは非常に危険です。まずは10?30万円から、多くても100万円までを上限としてください。
株価は年間を通して順調、あるいは上昇傾向が続くというケースはほとんどありません。横ばいが続くこともあれば、厳しい株価推移が半年にわたって継続する時もあります。
勢いよく大量に資金を投入した瞬間が、今年の最高値だったという場合、大事なお金がずっと減り続けてしまいます。
せっかくスタートした株式投資の最初でズッコケてしまうと、それが自分の実力だと勘違いして、長続きしません。株式投資をすぐに辞めてしまっては、次に到来するチャンスに乗ることができなくなってしまいます。
お金が減るのを眺めているのは精神的に辛いため、下がった時でも買い増し、追加投資できるだけの余裕を持たせてのスタートで十分です。
ステップ3:エントリーは悩みすぎない
●衝動買いもOK。正し、100株のみと決める
投資のスタートについては、相場の下落時を狙うのが最善ですが、経験がない場合は、掴むことが難しいです。そのため、これだ!と思った銘柄は、その日に購入してもいいでしょう。
私自身も、好業績を発表した会社は、翌日の株価が大きく上昇している最中に買うこともあります。市況に関係なく決断することもしばしばです。
正し、100株だけの購入に留めてください。その理由ですが、その銘柄、あるいは購入した時の株価が正しかったかどうかは、将来にならないとわかりません。正解か不正解かは現時点で判断できないため、まずは100株だけ購入を。
購入した後、これから発表される業績の内容を確かめながら、買い増しするか損切りするかの判断をすればいいでしょう。
エントリーしてから、順調または好業績を発表している会社の株のみを買い増しして株数を増やしていきます。逆に業績の内容が会社予想より悪い会社は買い増しを一切せず、100株のみの保有だけで終わらせます。
こうすると、利益は大きく伸ばしながらも、損失は最小限に留められるのです。
ステップ4:損失最小・利益最大にする損切りと利益確定
●特に含み益の利益確定はなるべく我慢
私の場合、2期連続で決算短信の純利益が減となった場合は、損切りという判断を下すようにしています。
それ以上我慢して増益に転じることもありますが、近年の株価変動を調べていくと、結果の出ない株は大きく売られる傾向が以前に比べて顕著になっていると感じます。一昔であれば、減益発表で5%くらいの下落だったものが、最近は10%とか下がるようなイメージです。業績発表に、よりシビアに反応しています。
一方で、好業績を発表した会社の株価上昇も凄まじいものがあります。
会社によっては、その後1ヵ月以上に渡って上昇基調が継続することもあるため、利益確定については、なるべく先に延ばして長期で持ち続けるようにしましょう。
企業成長している会社は、利益確定を焦らず、利益が伸びきるまで保有を続けてください。
1度の好業績発表により、30%のリターンを得たとしても、その株をさらに持ち続けたら株価が5倍、10倍になっていた。そうなったら悔やんでも悔やみきれません。始めてみると実感できると思いますが、「儲けそこなった」という後悔は、「損した後悔」と同じように、結構引きずります。
付け加えて、長期保有で大切なのが、市況の悪化と企業の業績悪化を混同しないこと。株式市場全体のムード悪化を、好業績企業の成長がストップしたと勘違いしないよう注意しましょう。有望株を持ち続ける握力が大化け株を掴む大事な要素です。
ステップ5:もっともトクする株のポートフォリオ
●投資ビギナーは分散投資から
投資で大きな財を築いた大物投資家は、集中投資した銘柄が大化けして億越え投資家となった事例が多いようです。
同じように集中投資すれば、大きな果実となる可能性ももちろんあるわけですが、大物投資家は事前に銘柄選びの活動を十分やった上で、この株に投資すると決断したことを忘れてはいけません。
事前の入念な調査をせずに集中投資をしてしまうと、思惑と逆に株価が動いた場合、多額の損失となってしまいます。失敗を何回か繰り返した結果、最終的に資金の大半を失ってしまった…ということがないよう、ポートフォリオをキッチリ組みましょう。
投資ビギナーは必ず分散投資から実践してください。
経験値が不足していると、株価が上昇している、あるいは下落している根本的な原因がイマイチわかりません。
投資を続ける上での不安や恐怖が経験者と比較して大きいため、集中投資は非常に危険です。
最低5つ。資金に余裕あれば10銘柄程度に分けておくべきです。
株価が上がっているタイミングであれば、集中投資でも結果はでますが、大事なのは下落時でも投資を続けられるか、です。
あなたの大事な資産を1社や3社に集中投資して、信じ続けられるか? 命の次に大事なお金を託していられるか? これが、下落基調の時には本当に難しいですし、集中投資はなおさら厳しいのです。
仮に分散投資であれば、5社のうち3社売っても2社残ります。2社の監視を続けながら、市況が回復したタイミングを見計らって再度チャレンジすればいいのです。
また、株式への投資ウエイトも、高くて5割程度にしておきましょう。
資産の全てを株式などで保有してしまうと、日々の株価変動の影響が大きくなりすぎて、私生活にも悪影響が出てしまいます。