【目次】
①東海ソフトIPOの基礎情報
②ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)【2/8更新】 ※一部有料会員限定
③IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント 【2/7更新】 ※有料会員限定
- 会社名
- 東海ソフト株式会社
- コード
- 4430
- 市場
- 東証2部
- 業種
- 情報・通信業
- 売買単位
- 100株
- 代表者名
- 伊藤 秀和 /1959年生
- 本店所在地
- 愛知県名古屋市西区新道二丁目15番1号
- 設立年
- 1970年
- 従業員数
- 446人 (2018/12/31現在)(平均36.3歳、年収561.3万円)
- 事業内容
- ソフトウエア受託開発およびソフトウエア開発にかかる役務提供
- URL
- http://www.tokai-soft.co.jp/
- 株主数
- 16人 (目論見書より)
- 資本金
- 221,150,000円 (2019/01/23現在)
- 上場時発行済み株数
- 2,246,800株
- 公開株数
- 690,000株(公募580,000株、売り出し20,000株、オーバーアロットメント90,000株)
- 調達資金使途
- 長期借入金の返済、エレベーター改修費、システム改修費、サーバーなどのIT投資、人材採用費、広告宣伝費、研究開発費
- 連結会社
- なし
- スケジュール
- 仮条件決定:2019/02/06→1,410~1,500円に決定
- ブックビルディング期間:2019/02/08 - 02/15
- 公開価格決定:2019/02/18→1,500円に決定
- 申込期間:2019/02/19 - 02/22
- 払込期日:2019/02/26
- 上場日:2019/02/27→初値2,872円
- シンジケート ※会社名をクリックすると外部サイトへ飛びます
- 主幹事証券:野村證券
- 引受証券:三菱UFJモルガン・スタンレー証券
- 引受証券:むさし証券
- 引受証券:みずほ証券
- 引受証券:SMBC日興証券 (SMBC日興証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:SBI証券 (SBI証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:東海東京証券
- 引受証券:岡三証券 (岡三証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:エース証券
- 大株主
- 社員持ち株会 434,580株 26.07%
- 水谷 慎介 432,000株 25.92%
- 水谷 多嘉士 197,000株 11.82%
- 伊藤 秀和 163,250株 9.79%
- 大川 稔 72,000株 4.32%
- 長尾 正己 67,000株 4.02%
- (株)りそな銀行 60,000株 3.60%
- (株)ネクスティエレクトロニクス 51,750株 3.10%
- (株)大垣共立銀行 30,000株 1.80%
- (株)OKBキャピタル 30,000株 1.80%
- (株)三菱UFJ銀行 30,000株 1.80%
- 三井住友信託銀行(株) 30,000株 1.80%
- 業績動向(単位:百万円)売上高 営業利益 経常利益 純利益
- 2017/05 単独実績 5,450 218 219 156
- 2018/05 単独実績 5,790 309 312 221
- 2018/11 単独中間実績 2,902 207 202 132
- ロックアップ情報
- 指定された株主は上場後90日目の平成31年5月27日までは普通株式の売却ができず(例外あり)
- 調達額(公開株数×公開価格)
- 10億3500万0000円(690,000株×1,500円)
- 潜在株数(ストックオプション)
- なし
- ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)
-
東海ソフト<4430>は、1970年に創業された名古屋市に本社を置く独立系の中堅SI企業である。
■事業内容
同社は独立系のSI会社として、多くのソフトウェア開発の協力会社を活用し、ソフトウェア受託開発及びソフトウェア開発サービスを提供している。
ソフトウェア開発事業の単一セグメントであるが、サービス提供領域として①組込み関連事業、②製造・流通及び業務システム関連事業、③金融・公共関連事業の3つの事業に分類されている。
①組込み関連事業
組み込み関連事業は、自動車を始め船舶・工事及び農業用特殊車両等に搭載される、ECU(※)のソフトウェア開発に係る車載関連開発を行う。またデジタル家電や自動販売機やATM等の制御ソフトウェアの開発も行っている。
※ECU:自動車等に搭載され、エンジン・変速機・室内照明等を制御するCPUや電子部品が搭載された電子制御基板(近年の自動車には数十から数百程度が搭載)
②製造・流通及び業務システム関連事業
製造・流通及び業務システム関連事業は、工場の生産ラインや物流システムの搬送装置等を監視・制御する、ソフトウェア開発を中心に手掛けている。製造業や流通業に対して、生産管理、在庫管理、品質管理等を中心とした業務システム関連開発を行っている。
③金融・公共関連事業
金融・公共関連事業は、大手SI会社の協力会社の協力会社として、大手金融機関向けのソフトウェア開発や、地方自治体・大学・公益法人等のソフトウェア開発を手掛けている。
開発が大規模かつ長期間となり、複数の企業が参加するプロジェクト型の事業が大半である。同社は大手SI会社から長年の開発実績を評価されており、安定的・継続的な受注・売上の確保が可能な状態であり、安定的な収益基盤となっている。
■部門別の実績
上記3部門の各売上高は下記となっている。
2018年6月期
・組込み関連事業 22億円(対前年同期比91.7%)
・製造・流通及び業務システム関連事業 25億円(同121.1%)
・金融・公共関連事業 11億円(同111.1%)
組込み関連事業及び製造・流通及び業務システム関連事業の事業は売上20~25億円規模で、金融・公共関連事業が売上10億円規模という状態。単独の事業に極端に依存する形ではなく、バランスの取れた売上構成である。
2018年6月期は日立グループの日立情報サービスが全体売上の10.5%、富士電機が10.5%となっており、両社が主要取引先となっている。
■業績推移
2016年5月期 売上高54億円、経常利益3.1億円、当期純利益2.3億円
2017年5月期 売上高55億円、経常利益2.2億円、当期純利益1.6億円
2018年5月期 売上高58億円、経常利益3.1億円、当期純利益2.2億円
2019年5月期(予想) 売上高60億円、経常利益3.5億円、当期純利益2.3億円
着実に増収を重ねており、2019年5月期は売上高60億円の到達を予想。2017年6月期に対前年同期比で減益となったが、2019年5月期は2016年6月期を上回る利益計上を予想している。
尚、2019年5月期はQ2時点で売上高29億円、経常利益2.0億円となっており、通期計画に対する進捗は順調である。
■財務状況
2018年5月期末時点で資産合計33億円に対して、純資産合計15億円となっており、自己資本比率47%である。
借入金3.3億円に対して、現預金12億円を有しており、財務状況に対する懸念事項は見当たらない。尚、貸借対照表の借方で最大の科目は現預金11億円となっている。
■資金使途
IPOにより7.9億円の資金調達を行う計画である。調達資金は下記の使途を予定している。
・設備資金 2.4億円
(本社設備の改修及び基幹業務システムの改修、サーバ等のIT投資)
・借入金の返済 3.1億円
・運転資金 1.7億円
(人材採用費、広告宣伝費、研究開発費等)
既に実質的には無借金会社であるが、IPO時の調達資金による借入金の返済により、ほぼ借入金が無くなる予定である。
■株主状況
東海ソフト社員持株会が筆頭株主で、株主シェア26.07%を有している。第2位株主は水谷取締役の25.92%、第3位株主は水谷顧問の11.8%であり、安定的な株主構成となっている。
尚、りそな銀行(株主シェア3.6%)、大垣共立銀行グループ(系列の投資会社含め同3.6%)、三菱UFJ銀行(同1.8%)、三井住友信託銀行(同1.8%)の各銀行が株主として参入している。
■今後の注目ポイント