(本記事は、福山敦士氏の著書『マンガでわかる!入社2年目の教科書』ぱる出版、2019年2月22日刊の中から一部を抜粋・編集しています)

Amazonでも採用されている無敵の逆算思考とは?──なぜ、無難な未来を望むと成長できないのか?

マンガでわかる!入社2年目の教科書
(画像=Jacob Lund/Shutterstock.com)

「今からあなたの自己紹介をしてください」

こう言われたとしたら、あなたならどうしますか?今の年齢、今している仕事、今好きなこと……。

1年目なら、たしかにそれでいいでしょう。でも2年目からも挑戦し続けたいあなたの場合、それでは「現在の自分」だけでは不十分。次のような、未来のプロフィールも書込みましょう。

「毎月〇百万円を売り上げている」
「社内でも有名なアイデアマンだ」
「営業の新規開拓数ナンバー1で賞を受賞している」

今の時点では達成できてないので、これはある意味「ウソ」。

でも、これでいいんです。大事なのは、1年後に「なりたい自分像=ゴール」を明確にイメージすること。そうすれば、1年の間にやるべきことが見えてきます。

1年後に〇百万円を売り上げるためには、半年で〇百万円、1ヵ月で〇十万円売り上げる必要がある──。

このように、ゴールから逆算してやるべきことを細分化していくのです。1年後には、最初は「ウソ」みたいだったプロフィールが実現し、「ウソ」ではなくなっていることに気づくでしょう。

ポイントは「逆算思考」。それさえできていれば、期間は1年でなくて、3ヵ月でも半年でも2年でも構いません。自分にとってイメージしやすく、モチベーションが続きやすい期間に設定してみてください。

逆算思考はあのAmazonでも採用されています。Amazonでは新サービスを考案するとき、企画書ではなくプレスリリースからつくるそうです。

プレスリリースといえば、ふつうは商品をリリースしてからつくるものですよね。でも、Amazonでは逆、プレスリリースをつくってから、それを商品設計に落とし込んでいくのです。

プレスリリースは、いわば「1年後のプロフィール」を発表するようなもの。

サービスの内容や売りはもちろん、リリース後に出すべき成果や予想される反応までが詰まっています。いやがおうにも、サービスの全貌が明確にイメージされ、そのためにはどのように商品設計をすればよいか、見えてきます。

キャリアについても同様です。ただなんとなく「売上トップになれたらいいのにな?」と思っているだけでは、いつまでたっても目標は達成できません。大事なのはあるべき姿を具体的にイメージすること。そのために有効なのが、未来の自分のプロフィールなのです。

未来のプロフィールは、「恥ずかしい」くらいがちょうどよいでしょう。たとえば、25歳のあなたが「40歳くらいまでに課長になる」と言っても、それは想定範囲内。

このような「すでに考えられる未来」は未来志向ではなく、ただの現状維持。「恥ずかしくない」目標を目指しても、そこに成長はないのです。

最先端の行動経済学が明かす秘密のセルフイメージ法──「なりたい自分」は「なりたくない自分」から考える

つっても「なりたい自分」ってないんですけど…

1年後のプロフィールを書こうとすると、手が止まってしまう人がいます。よく考えてみたら、自分には「なりたい自分像」なんてなかった──。そう気づいてがく然とするのです。

たしかに「どんな自分になりたい?」なんて聞かれても、パッと出てこないほうが多いもの。でも大丈夫。まずは、「なりたくない自分像」から書きましょう。

「こうはなりたくないな」「こういう人生はイヤだよね」。

「トクをしよう」と思うより、こういうネガティブなことを避ける力のほうが人間の習性として強いことは、行動経済学(損失・回避性)で明らかになっています。お金の話でたとえるなら、トクしたいと思うより、ソンしたくないという気持ちのほうが人間は強いということ。

まずは、片っぱしから「なりたくない像」を書き出していきましょう。いろんな言葉が出てくれば出てくるほど「自分が何をイヤだと思うのか」が具体的になり、大切にしている価値観が可視化されます。

「自分が信じられない商品を売るのはイヤだ」
「定時に帰れない仕事はイヤだ」
「年収1000万円以上を狙えない会社はイヤだ」

少し書いてみて、気づいた人もいるのではないでしょうか。

「なりたくない」は「なりたい」の裏返しなんです

この「なりたくない像」を裏返せば「なりたい自分像」のでき上がり。

「自分が信じられる商品を売りたい」
「定時に帰られる仕事に就きたい」
「年収1000万円以上を狙える会社にいたい」

そんな自分の思いが見えてくるはずです。

そこから「信念ってどんなもの?」「売上ってどのくらい?」「お客様によろこんでもらうためにはどうすればいい?」と掘り下げていけば、「なりたい自分像」が完成するでしょう。

好きなことが好きな理由はわからなくても、嫌いなものが嫌いな理由は言語化しやすいもの。理由がわかれば分析がしやすく、より具体的な「なりたい自分像」にたどり着きやすいのです。

マンガでわかる!入社2年目の教科書
福山敦士(ふくやま・あつし)
株式会社ショーケース・ティービー(東証一部上場企業)最年少役員、人事本部長。慶應義塾大学環境情報学部を卒業後は、新卒でサイバーエージェントに入社。25歳でグループ会社の取締役に大抜擢される。営業部長を兼任し、ゼロから10億円規模のビジネス創出に貢献する。27歳で独立し、株式会社レーザービーム代表取締役に就任。29歳で同社最年少執行役員に就任。

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