(本記事は、福山敦士氏の著書『マンガでわかる!入社2年目の教科書』ぱる出版、2019年2月22日刊の中から一部を抜粋・編集しています)

実力以前に重要な、仕事に必要な2つの前提とは?──自信は結果のあとに生まれない。自信があるから結果がついてくる

マンガでわかる!入社2年目の教科書
(画像=metamorworks/Shutterstock.com)

「納期に間に合わないけど、まあ伸ばせばいいでしょ」

納期に上司からの指示、業務のマニュアル。ビジネスでは、約束を守るべき場面がたくさん出てきます。しかし「私は約束を破ったことがない!」と言い切れる人は、ほとんどいないのではないでしょうか?

誰しも1度くらいは納期に間に合わなかったり、指示を忘れて上司に叱られたりしたことがあるはずです。私もその例に漏れません。また、チームで仕事をしていると、自分以外のメンバーの失態によって約束が守れないことも多々あります。

約束は守れなくても、他の人がフォローしてくれたりで、仕事はなんとか回るもの。では、約束を守らない怖さはどこにあるのでしょうか?それは、自信が持てなくなることです。

「肝心なところで自分は約束を守れない」と弱気になれば仕事のパフォーマンスが下がり、やがて本当に失敗する。失敗によってさらに自信がなくなり、次の仕事も失敗する……。こんな悪循環に入ってしまうことが多いのです。

自分との約束を守ることは自信につながり、他人との約束を守ることは信頼につながります。

自分にはまだ、何の実績もない──。そう思う人は、まずは「約束」を1つ1つ果たしていくことに集中してみてください。

約束といっても大したものでなくてよいのです。

「朝、出社したら元気に挨拶をする」
「前日のメールの返信は午前中に終わらせる」

この程度で十分。挫折しないコツは、欲張らないこと。

はじめは、「なんだ、そんな簡単なこと」「すぐにできるじゃないか」くらいがちょうどいいでしょう。タスクはまずは1個、それが達成できたらもう1個、と少しずつ増やしていきましょう。

昨日よりもちょっとだけ難しいタスクに挑戦しているというのがポイントです。続けていくうちに「あれ、入社したての頃はメールの返信だけで1日かかっていたのに、最近では朝の1時間で終わっているな」など、自分の成長に気づける日が来るはずです。

一流の人がしている努力というのは、地味なもの。

イチロー選手が小学校時代、毎日バッティングセンターに通っていたことは有名なエピソード。1つ1つはすぐにできそうなタスクでも、達成し続けば、自信も結果もついてきます。

「自信」とは、結果のあとにつくものではありません。

地味な努力によってのみ少しずつ形成されるもので、「自信」があるから結果がついてくるのです。

100の失敗を超消しにするジョブスが教えてくれた成功マインド──打率を気にするのは、チャンスを殺すようなもの

失敗ってカウントされると思いますか?

スティーブ・ジョブズは、誰もが認める名経営者です。彼がiPhoneの生みの親だということは、あらためて言うまでもないことでしょう。

しかし、ジョブズの事業アイデアの何%が成功したかを知っている人は、ほとんどいないのではないでしょうか?

実際、私も知りません。

言いたいことは、名経営者であるかどうかに、成功確率は大して関係がないということ。

大事なのは、インパクトのある結果を残したかどうか。たとえジョブズがiPhone以外の事業で軒並み失敗していたとしても、彼に対する世間の評価は揺るがないでしょう。

ビジネスパーソンにも同じことが言えます。「俺は会社員生活で一度もミスがなかったんだよ」と言われて「すごい!」と思いますか?

それよりも「数えきれないほどミスをしたけど、そのおかげで○○ができたんだ」と言われたほうが、よほど説得力があるのではないでしょうか。

打率よりもヒット数。これがキャリアのルールです。

成功率を気にしなくてもいいのですから、極端な話、何度失敗してもいいんです。むしろ、1回でも多く打席に立ったほうが、結果を出せる確率は高まります。

たしかに、ミスをして上司に叱られるのは、いい気分ではないでしょう。

でも、それはほんの一時のこと。大きな結果を残して社内で一目置かれる存在になる頃には、まったく気にならなくなっているはずです。打率の高さを重視するなら、はじめにヒットを出せたら、残りは挑戦しないほうが合理的になります。

1打席、1ヒット、打率10割。でも、こんな成績に憧れますか?

それなら空振りを恐れず打席に立ち続ける人になりましょう。打席に立つほど打率は低くなります。でも、ヒット数は増えていくので、あなたが転職なり独立する場合にも、その実績がきっと武器になります。

打席数を増やすには、とにかく「手を挙げる」こと。

挑戦し続ける人は、リスクを取らずのらりくらりと仕事をする同僚が、時にうらやましく見えるときもあるでしょう。プロ野球でもチャンスで三振したらブーイングを受けます。でも、痛みを恐れず挑戦し続けたものだけが、ヒットを積み重ねることができます。

フリーなら、大きな失敗をしたら次はないかもしれませんが、 会社員は失敗でクビになりません。

いわば、会社員とはアウトにならない魔法の打席に立っているようなもの。

会社を利用してやる、そのくらい打算的な気持ちでいいので、会社員は手を挙げ、挑戦し続けるべきです。

その代わり、9回裏満塁で空振りするような失敗をして、どんなにみじめな気持ちになったとしても、ヒットが出るまで淡々と打席に立ち続けてみてはいかがでしょうか。

マンガでわかる!入社2年目の教科書
福山敦士(ふくやま・あつし)
株式会社ショーケース・ティービー(東証一部上場企業)最年少役員、人事本部長。慶應義塾大学環境情報学部を卒業後は、新卒でサイバーエージェントに入社。25歳でグループ会社の取締役に大抜擢される。営業部長を兼任し、ゼロから10億円規模のビジネス創出に貢献する。27歳で独立し、株式会社レーザービーム代表取締役に就任。29歳で同社最年少執行役員に就任。

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