(本記事は、福山敦士氏の著書『マンガでわかる!入社2年目の教科書』ぱる出版、2019年2月22日刊の中から一部を抜粋・編集しています)
行動力を一瞬で伸ばす驚異の心理学メソッド──PDCAのPにつまづくな。行動重視のYKK理論
「思っていた仕事と違った」
若手ビジネスパーソンが抱えがちな悩みです。こういう人は「本当に自分のやりたい仕事なのかどうかわからない」と目の前の仕事をおそろかにしがちです。そういう人にオススメなのがYKK理論です。
私の造語ですが、意味は「やって(Y)、感じて(K)、考える(K)」。
行動を一番最初にもって来るのが特長です。この理論を実践すると、「先延ばし」がなくなります。着手してみると、思考は深まります。
PDCAサイクルという言葉は知っていますか?
Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Act(改善)の4段階を繰り返すことによって、業務を継続的に改善する考え方です。
研修などで習うことも多いと思いますが、問題は、はじめての仕事で計画を立てるのは難しい点です。
企画書を作成するときのことを考えてみましょう。「〇月〇日にA」「△月△日にB」などとはじめからまだ一度もやったことのない仕事を、詳細な計画を立てようとすることは不可能だと思いませんか?
完璧な計画を立てようとすると、行動が後回しになります。
いわゆる「頭でっかち」の状態です。ならいっそ、「Pを削除したらどうか」これがYKK理論の骨格。YKK流に企画立てを考えてみると、次のようになります。
(1)Y(やって)
「資料の項目だけ考えてみる」「上司に提出する期限を伝え、意見をもらう時間を押さえておく」というように、まずは実際に手を動かしてみましょう。
(2)K(感じて)
手を動かすと、いろいろな気付きを得られ、自分が「知らない」ということに気付けたりします。この感覚を得られてはじめて、「では、どうしようか?」と対応策・修正案といった次のステップに進めるわけです。
(3)K(考える)
「項目詳細をつくるときは、もっと集中する必要があるから、電話対応なんかしてられない。適当な理由をつけて喫茶店にでも行くか」「目次だけで1時間かかったから、詳細作成は2時間はかかるかな」と考えられるのです。
YKK理論は、メタ認知と呼ばれる自己学習の理論をかみ砕いたものになります。PDCAだと「走る前に考える」必要があります。思考が先行すると「今日は雨が降りそうだから、やっぱ明日にするか」などと「先延ばし」の原因になりかねません。
そうではなく、YKK理論、とにかくやってみることが大切、「走りながら考える」のです。
「本当に自分のやりたい仕事なのか」とウダウダ考える前に、手を動かして仕事しましょう。打席に立つ前から、「俺って野球向いているのかな」と考えることほど、無駄な思考はありません。