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(画像=店内を入ってすぐの場所にある竹蒸篭)

客を驚かせながら利益率を確保するメニュー構成

同店には40種類以上の料理がそろう。視覚的な効果を狙い、秋冬は鍋を置いておでん、春夏は竹蒸篭を置いてシューマイを売り出す。

また「ホースラディッシュとコンビーフポテサラ(500円)」や「ラムレーズンチーズ豆腐(500円)」「蟹カニクリームコロッケ(1個/400円)」「ゴルゴンゾーラちくわ磯部(500円)」「河内家のしょうが焼き(700円)」といった、アクセントを効かせたメニューも多い。河内氏は店の性格が分かりやすく伝わるこうしたメニューを「アイコンメニュー」と呼ぶ。

「お客様の印象に残らなければ、再来店はしてもらえません。私たちはメニューの盛り付けや出し方などにサプライズを加えて、次の来店に繋がるような驚きを与えられるように取り組んでいます。しかし、そうしたメニューばかりだとお客様は疲れてしまうでしょう。どこの店にもある定番メニューに安心感を覚えるからこそ、アイコンメニューもオーダーしてくれるのです。互いを引き立て合えるように、メニュー構成のバランスは慎重に組み立てています」

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(画像=アイコンメニューの一つである「蟹カニクリームコロッケ(1個/400円)」)

メニュー表は左上から「鮮魚」「アイコン」「つなぎ」「締め」というストーリーになっている。料理とドリンクのオーダー比率は4:6で、しっかりと食べて、店を楽しむ客が多い。ちなみにフードの原価率は36%と若干高い。しかし社員2名とアルバイト1名で営業できるため、レイバーコストは低い。

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(画像=店の魅力がより伝わるようにストーリー仕立てになっているメニュー表)

また、ドリンクのうち40%を原価の低いサワーが占めている。秘密はサワーグラスに隠されており、イラストレーターのニシクボサユリ氏のイラストが描かれているのだ。Instagramに上げたいという理由でオーダーする人が続出し、それがそのままサワーのオーダー率の高さに結び付いている。同店はInstagramのフォロワー数も多く、客が広告の役割も果たす。実際、新規客の多くがInstagramのハッシュタグ検索で店にたどり着いている。

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(画像=サワーが入るとさらにイラストの可愛さが際立つ)

鬼門の3店舗目で新たな提案方法を手に入れた2TAPS。今後の展開について「良い人材がいれば出店を考えます」と河内氏は話す。現在も着々と次世代を担う人材が育ってきている。同社の快進撃はまだまだ続きそうだ。(提供:Foodist Media

『コマル』
住所/東京都世田谷区太子堂5-15-12
電話番号/03-6804-0503
営業時間/月〜土18:00~翌2:00、日・祝17:00〜23:00
定休日/不定休
席数/18

執筆者:『Foodist Media』編集部