要旨

米個人消費
(画像=PIXTA)
  1. 米個人消費には陰りがみられる。好調が見込まれていた18年の年末商戦は前年比+2.9%(前年:同+5.3%)と、事前予想(同+4.3~4.8%)を大幅に下回る期待外れの結果となった。11月まで好調であった小売売上高が、12月に予想外に落込んだことが大きい。また、GDPにおける個人消費も18年10―12月期が前期比年率+2.5%に留まり、3%台半ば~後半であった前2四半期から伸びが大幅に鈍化した。
  2. 12月の消費不振は、月初からの株式市場の大幅下落や、下旬からの連邦政府機関の一部閉鎖などが影響した可能性が考えられる。もっとも、他の指標との不整合を指摘する声もあり、政府閉鎖に伴う小売統計の精度への疑義も生じている。
  3. 小売統計などからは26日公表される19年1―3月の個人消費は前期から伸びがさらに鈍化する可能性が高い。
  4. 一方、19年初から株式市場が上昇に転じたほか、長期金利は低水準に留まっており、金融環境は消費に追い風となっている。また、労働市場や家計のバランスシート、消費者センチメントなど個人消費を取り巻く環境は引き続き良好であり、4月以降は再び消費の伸びが加速することが見込まれる。
米個人消費
(画像=ニッセイ基礎研究所)