契約者貸付のデメリット
解約返戻金の中から借り入れをしてしまうということは、一時的にではあれど解約返戻金の額を減らしてしまうことになり、保険金支払いのタイミングで未返済だった場合は保険金から差し引かれてしまうことで本来予定していたはずの保障が受けられなくなってしまう可能性があります。
また自分が払ってきた保険料の中から一部を引き出すことで利息が発生してしまうということに違和感がある方も少なくないかもしれません。しかしそのあたりは保険会社として契約者に対しマネープランのゆとりを提供する側面で、リソースをかけて行っている業務のためなかなか文句も言いづらいところですね。
契約者貸付の仕組み
保険会社は契約者から集めた保険料を資産運用することで利益を生み出しているという側面があります。当然、被保険者が支払いの対象になった場合もその保険料の中から支払われるわけですが、手元にお金があるわけですから積極的に資産運用を行わないことは機会損失にもなりかねません。その資産運用の一つとして契約者向けに提供しているものです。
保険会社によって異なりますが、保険会社の資産運用は有価証券をメインとして貸付金も多くの割合を占めています。そのほかにも保険会社は不動産やコールローン、金銭の信託など様々な方法で資産運用を行っています。その運用実績が商品に影響を及ぼすようなものも存在します。
契約者貸付の注意点
積立額の多い保険商品であればあるほど、解約返戻金の額は大きくなりますからより多くのお金を借りることができる環境になります。しかし、そもそも保険商品の性格は将来のリスクに対して経済的に備えるというものですから、将来戻ってくるお金や支払われるお金に対して手をつけてしまうことはあまり望ましいことではないということが言えるでしょう。
ただ経済的なピンチはいつ何時訪れるかは予測不可能なことです。可能な範囲で保険商品以外にも預貯金や他の金融商品など複合的にリスクに備えるような環境を事前に準備しておくことが非常に大切になってくるのではないでしょうか。契約者貸付はあくまで保険会社から"借りる"という立ち位置なので、自分のお金を"引き出す"というものではありませんので注意しましょう。
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