上の立場の会議にあえて部下を出席させる

会議には大人数から少人数まで様々な規模があります。大規模になれば拘束される人数は増え、時間もかかるもの。

管理職は、少人数や1on1の比率を高めていけるよう工夫することが必要です。それにはまず、自分が出る「大きな会議」の数を減らすこと。

案件の全体像をつかむために初回だけ顔を出し、そのあとは部下に出席させて報告を受ける。できた時間は部下たちとの少人数会議や報連相に使い、自分のレベルでできる意思決定の数を増やせます。これは部下育成の視点から見ても重要です。

部下はポジションの高い人々の会議に出ることによって「上が考えていること」について学べます。出席させる際は「君が私の立場ならどうする」と考えるよう促しましょう。

そして報告時には事実関係だけでなく、本人の見解や提案も確認。これで部下は端的に情報をまとめる力と、「自分の頭で考える」スキルを得られます。

ときには自分も「自分より上の人たちの会議」にオブザーバーとして出てみるのも良いでしょう。トップや役員クラスの話し合いに触れ、自分ならどんな意見を述べるか考える。

こうして1つずつレベルの高い場に身を置いて思考の鍛錬をすれば、各々の提案力が上がります。それは会議の質の向上はもちろん、組織の生産性を確実に押し上げることへとつながるでしょう。

前田鎌利(まえだ・かまり)
〔株〕固代表取締役
1973年、福井県生まれ。東京学芸大学卒業後、光通信、ジェイフォン等を経てソフトバンクモバイル〔株〕(現・ソフトバンク〔株〕)において事業プレゼン分野で活躍。2014年に独立、大手各種企業のプレゼン指導やプレゼンテーションスクールの全国展開に携わる。著者に『社外プレゼンの資料作成術』(ダイヤモンド社)などがある。(『THE21オンライン』2019年04月23日 公開)

【関連記事THE21オンラインより】
いい企画が生まれて広がる「アイデア会議」のススメ
「デキる社員」が、企業を滅ぼす!?
1日に「メリハリ」をつける時短仕事術