比較的安定した運用が見込める国内債券と比較して、ハイリスクではあるものの、高い利息を受け取れる可能性があるのが外国債券の特徴です。その利回りの高さから、売り切れが出てしまうほどの人気がある債券もあります。楽天証券が販売する外国債券を見ると、年率4%は当たり前で、高ければ6%、7%を超えるものも珍しくありません。(2019年5月時点)
しかし、高利回りというだけで売り切れるほどの人気が出るものなのでしょうか。そこで、今回は外国債券の魅力について考えていきましょう。
高利回りはどこの国?
同じく楽天証券の国内債券を見ると、個人向け国債が3年、5年、10年いずれも0.05%と、定期預金よりもわずかに利回りがいい程度です。(2019年5月時点)金利を見ると、多くの投資家が外国債券に目を向ける理由がよく分かるのではないでしょうか。さらに、外国債券の商品リストを見ると最も利回りが高いのは、欧州復興開発銀行のトルコ・リラ建て債券で年20.94%です。(2019年5月27日10時時点)
岡三証券では、国際金融公社債の南アフリカ・ランド建て債券が利回り6.519%、国際復興開発銀行債のメキシコ・ペソ建て債券が6.967%といずれも高利回りです。これらを見ると、高利回りの外国債券は「新興国の通貨建てである」という特徴が分かるのではないでしょうか。アメリカドル、オーストラリアドル、カナダドル、ユーロなどは、日本に比べれば利率が高いものの、それでも0.5%~3%ほどです。
先進国の債券は「政治が安定していること」「市場が成熟していること」から、安心して投資が行えるという特徴があります。一方、新興国債券では、国の政治状況や社会情勢によって市場が不安定になることがあり、カントリーリスクを念頭に入れて投資を行うことが必要です。上記で紹介したトルコ・リラ建て債券においては、ずば抜けて利回りが高くなっていますが、円高による為替差損によって利益が生まれない現象も起きています。
リスクのない投資商品はないわけですから、複数のリスクを抱える新興国の債券を購入する際には、国の情勢などについてよく調べてから購入する必要がありそうです。
新発債と既発債どちらがよい?
債券には、新発債と既発債の2種類があります。新発債は、新たに発行される債券のことで、条件が提示された後、一定期間募集が行われます。時期を逃すと購入することができないため、タイミングを逃すと、欲しい時に債券が購入できないこともあります。既発債とは、すでに発行され、流通市場で取引されている債券のことです。
既発債の種類はさまざまで、価格も日々変動していることから、債券をよく知らない人には難しいイメージがあるかもしれません。しかし、自分が投資をしたいタイミングでいつでも購入できるのは大きな魅力です。既発債を購入する際には、経過利息がかかる点にだけ注意しましょう。既発債の購入時に、利払い日と受渡日が異なっていた場合には、前回の利払い日から受渡日まで日割りで計算した利息分を売り手側に支払うことになります。
既発債のクーポンとは
既発債のリストを見ると、クーポンレートまたはクーポンという文字が目に留まります。クーポンとは、額面金額に対して毎年支払われる利率のことです。3%のクーポンと書かれていたら、利率が3%という意味になります。
外国債券の魅力をおさらい
最後に、外国債券の魅力についておさらいしていきましょう。
高い利回り
一番の魅力は、高い利回りにあります。円建ての債券を購入し、年率0.1%で運用しても、10年後に受け取れるのは約101万円です。実際には0.1%を切ることも多く、利益はさらに少なくなる可能性が高いでしょう。例えば、これが年率6.5%の外国債券だったとすると、10年後に受け取れる額は約187万円です。
為替差益
換金時に、購入時よりも為替相場が円安になっていれば、為替差益を受け取れます。高い利回りに加え、為替差益を受け取れる可能性があるのも外国債券の魅力です。
豊富な商品と分散投資
外国債券は、商品の種類が豊富で目的に合わせて選びやすいというメリットもあります。通貨別、期間別、利回り別、債券のタイプ別に選ぶことができるため、より資産を分散しながら投資を行えます。期間別に複数の債券を保有し、短期・中期・長期と保有してみたり、アメリカ、カナダ、ブラジル、ニュージーランドなど、国別に保有してみたりしてもよいでしょう。
利息と為替差益を狙え!外国債券で分散投資
外国債券は、新興国の通貨建てだと大きな利息を受け取れる可能性があります。為替差益も狙いつつ、既発債から購入してみてはいかがでしょうか。さまざまな国の通貨、期間、利回り、債券のタイプがある外国債券は、資産の分散先としてもおすすめです。(提供:YANUSY)
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