話題の「QRコード決済」、そのメリット・デメリット

キャッシュレス決済
(画像=THE21オンライン)

昨年、次々にQRコード決済サービスが登場し、大きな話題となった。また、政府が「2025年までにキャッシュレス決済比率を40%まで引き上げる」という目標を発表し、キャッシュレス決済全体への関心も高まっている。あまりに多くのサービスが乱立し、わかりにくい状況になっているキャッシュレス決済サービスの現状とこれからについて、専門家に解説してもらった。

様々な電子マネーが共存するのは日本だけ

今、メディアを賑わせているのはQRコード決済ですが、実際にキャッシュレス決済の中心になっているのは、依然として、VISAやマスターカード、JCBなどのクレジットカードです。

次いで、よく使われているのが、電子マネー。JR東日本が発行しているSuicaなどの交通系ICカードや、イオンリテールのWAON、セブン&アイ・ホールディングスのnanacoなどがあります。

海外でも各地に乗車券として使われているICカードがありますが、電子マネーとしても使えるケースは限定的です。「支払いはクレジットカードですればいい」という考え方だからでしょう。日本のように様々な電子マネーが共存し、利用されている国は、他にあまりありません。

キャッシュレス決済を「現金以外の決済方法」という広い意味で捉えると、大学生よりも若い人たちの間で、iTunesギフトカード(コード)やGoogle Playギフトカード(コード)の利用がかなり広がっています。大学生だと半数くらいはクレジットカードを持っているのですが、それは使わず、これらのカードを使っている人も多くいます。

また、NTTドコモやau、ソフトバンクのキャリア決済を利用する人も増えています。

国際ブランドのデビットカードも増加中

VISAのデビットカードも、近年になって利用が増えています。

日本はもともとデビットカードが少なかったのですが、15年ほど前からVISAが普及のための取り組みを進め、楽天銀行などのネット銀行やスルガ銀行がVISAのデビットカードを出し始めました。5年ほど前からは、メガバンクや他の地銀も口座開設者に対してVISAやJCBのデビットカードを発行するようになり、利用が拡大しています。

デビットカードは銀行口座と紐づけられていて、決済をすると即時に口座から代金が引き落とされます。クレジットカードと違って審査がないので、利用者にとって作りやすいカードですし、支払いが滞って個人信用情報に載ったりするリスクもありません。

VISAやマスターカードのプリペイドカードも、通信キャリアが契約者に配り始めたことで、発行枚数が増えています。