自分の資産を超えて投資できるレバレッジ取引は、投資効率が高いことや元手が少なくてすむことなどメリットが多くあります。一方でレバレッジ取引の危険性を理解しておかないと身を滅ぼすことにもなりかねません。そこで今回はレバレッジ取引の危険性について説明します。

現物取引とレバレッジ取引の違いとは

レバレッジ取引,注意点
(画像=Gearstd/Shutterstock.com)

さまざまな取引方法がある投資の中で代表的なものは現物取引と信用取引です。現物取引とは、株式や債券などの現物を時価で取引することです。現物取引では、自分の資産の範囲内で商品を購入することしかできません。一方、現金や株式を担保として証券会社に預けることで、証券会社からお金を借りて新たに投資を行うことも可能です。これを信用取引といいます。

信用取引では、口座に入れた証拠金が証券会社の規定する一定の割合を切らない限り、自分の資産の範囲を超えて取引することが可能です。信用取引はレバレッジ取引とも呼ばれます。レバレッジとは英語で「てこ」を意味し、少ない証拠金で現物取引以上の投資効率を実現できることをレバレッジ効果と呼んだりもします。

レバレッジ取引のメリットと危険性を正しく理解しよう

レバレッジ取引のメリットは、手元に現金がなくてもほしい銘柄を購入できるため、投資効率が上がるという点です。また少ない元手でも投資を始めることができ、大きな資産を築ける可能性があるため夢があります。一方でレバレッジ取引にはリスクがあることも忘れてはいけません。現物取引であれば、購入時より株価が下がったとしても借金が発生することはないでしょう。

しかしレバレッジ取引では株価の変動によっては借金が発生します。たとえば、自己資金が100万円ある場合を例にとってみましょう。現物取引でA社の株式を100万円分購入し、株価が60万円になった場合、40万円分の損失は発生するものの株式を売却すれば60万円の現金が得られます。一方レバレッジ取引では100万円の自己資金で約3倍の300万円分のA社株式を購入可能です。

株価が同じように60万円に下がったとすると、資産は180万円となり120万円の損失が発生します。この場合、元手の100万円と損失120万円の差額の20万円は追加で入金が必要です。このようにレバレッジをかけることで投資効率が上がる一方、負債を背負ってしまうリスクがあることを理解しておく必要があります。過度なレバレッジをかけることは身を滅ぼすことにつながりかねないのです。

レバレッジ取引は現物取引と比べてもストレスが大きく、持ち出しが発生したことでショックのあまり仕事を休んでしまうという人もいます。そのためレバレッジ取引をするときは損失や証拠金維持率には十分注意を払っておくようにしましょう。

自分でコントロールできる範囲でのレバレッジを

レバレッジ取引は、株式では通常証拠金の約3.3倍までの取引が認められています。一方、国内FXでは25倍という高いレバレッジをかけることが可能です。これは、FXが通貨を対象とした投資であり、通貨の価値は比較的安定しているためです。レバレッジ取引をするときは、高いレバレッジをかけ過ぎて強制的に投資をやめざるをえなくなるようなことがないよう、適切なリスク管理が必要になります。

たとえばレバレッジをきかせる場合は証拠金とのバランスを意識しましょう。現物株を証拠金としていると、持ち出しが発生した場合に対応しにくくなります。証拠金のうち現金の割合を高めておくのもリスクヘッジになるでしょう。その他、自分なりの投資ルールを設けてルールに沿った取引をするのも効果的な方法です。

特に損切りのルールを作っておくことは投資家にとって必須ともいえます。含み損が一定額になった場合は株式を手放すなど、具体的かつ厳密なルールを設け、それを忠実に守っていくことが投資でリスクを抑えるコツです。自分なりのルールに従って投資をすることで株価の変動に一喜一憂することなく、常に冷静に最善の選択をすることができるでしょう。

リスクの高いレバレッジ取引だからこそ、ルール作りそれを守る自己コントロール力が大切です。また、投資はあくまで余裕資金で行うようにしましょう。世の中には専業トレーダーも存在しますが、専業トレーダーとして成功している人はほんのわずかです。生活の糧を投資によって得るのはリスクが大きく、精神的にも大きな負担になります。

無理のない範囲で投資することは、冷静な判断力を維持することにもつながります。(提供:YANUSY

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