不動産の評価額を抑える

相続時に基礎控除額を上回ってしまうことの原因の一つが「不動産」の所有でございます。特に富裕層のほとんどは不動産を所有している事が多いため、これらの情報は非常に重要です。土地や建物は他の財産に比べて評価額が高いため、場所によってはあっという間に基礎控除枠を使い切ってしまいます。

ですが、これら不動産については一定の対処を事前にすることによりその評価額を抑える事が出来ます。例えば、更地の土地を持っている場合、そこにアパートやマンションを建てて賃貸に出すことで、相続税の評価額を大幅に下げる事が出来ます。また、この評価額は相続税以外にも、所得税や固定資産税にも直接影響しますのでとても重要です。

納税資金の調達

相続税対策は、節税のみにあらず、その納税資金自体をどう調達するかを事前に決めておく事が大切です。その一つの方法が、「生命保険」の活用です。

相続資産が多い場合は、できるだけ金額の大きい生命保険に入る事で、死亡後にまとまった現金が調達できるだけではなく、生前に保険の掛け金として相続財産を減らす事もできます。

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相続税対策をとる事による効果

実際の相続時には、相続人の間で行なう「遺産分割協議」がとても重要なため、相続税の問題についてだけ集中して考える余裕がない場合もございます。最近では「富裕層」の親から、「低所得者」の子供への相続の際には、相続税が支払えず、やむなく土地や建物を売却したり、相続放棄をせざるを得ない状況などもございます。

それら多くのケースでは、「相続税」や「贈与税」に対する認識が非常にあまかった結果だと思われます。富裕層の方でも、これらのような複数の制度や控除枠を有効活用する事により、ご子息の負担を減らし、スムーズな相続を可能にします。また、相続する側の若い世代もこれらの状況をよく認識した上で、実際の相続時に困る事のないよう対策をとる事が重要です。

一番大切な事は、相続について「家族間」で事前に話し合いの機会をもち、どのような遺産分割をし、どのように税金を支払うのかを税理士等も交えたうえで事前に決め、計画的な対策をとる事です。

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