あなたは余った土地や農地をお持ちだろうか?土地や農地は保有していると固定資産税や都市計画税がかかってくるため、ただ土地や農地を保有していると損失が出てしまう。そのため土地や農地を放置するのではなく有効活用したほうがよいのだが、初心者が土地や農地活用に手をだすとなると不安もあるだろう。

きちんと考えて土地や農地活用を行わないと損失をだしてしまうため利益をしっかりだすのであれば土地や農地活用の種類やメリット・デメリットを理解しないといけない。今回は土地や農地活用は果たして儲かるのか?という観点から土地や農地活用のビジネスモデル5つの紹介とメリットや注意点を解説する。

土地(農地)活用って儲かる?

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(画像=Andrii Yalanskyi / Shutterstock.com)

土地や農地活用は果たして儲かるのだろうか?前述したが土地や農地を保有していると固定資産税や都市計画税がかかるため、何かに土地や農地を利用していなくても土地や農地にかかる税金は支払わなければならない。

従って土地や農地を活用をしていない場合で放置をしている場合は税金のみを支払っていることになるので確実に損していることになる。一方、土地や農地活用を行った場合はどうだろうか?

土地や農地活用を行うと種類によるのだが節税可能だ。また収益性をだすために土地や農地周辺の需要や供給を確認してアパート・マンション、駐車場を設立すれば大きな収益を不労所得として得ることが可能になる。

以上のことから節税&収益という形態をとることができるので土地や農地活用は儲かるといえるだろう。

主な土地活用方法

土地や農地活用の儲かるロジックが分かったところで実際にどのような種類があるのかを解説する。一口に土地や農地活用といえども「収益性が高い」や「不労所得」、「節税される」といった側面があるのでそれぞれ確認していこう。

1.アパート・マンション経営

アパート・マンション経営は土地や農地活用をする上で一番代表的な手法だ。ビジネスモデルとしてはアパート・マンションを人に貸すことで収益をあげる仕組みとなる。アパート・マンション経営の大きなメリットとしては不労所得を得ることができる点にあり、完全委託ができるのであれば真の意味で不労所得となりえるのだ。

アパート・マンション経営のデメリットとしては「空室リスク」があげられ、せっかく投資を行っても家賃収入が得られず住宅ローンのみを返済することになってしまった人もいる。また初期投資が大きいことも特徴なので無計画にアパート・マンション経営に手を出すのはやめたほうがいいだろう。

もしアパート・マンション経営を行いたいのであればゼネコンやハウスメーカー、不動産会社に相談をするのがベストだ。さらにアパート・マンション経営のメリットといえる点は固定資産税や都市計画税を減税することができるので節税商品という面もある。

2.駐車場(コインパーキング)経営

土地や農地活用の中に駐車場経営があるのだが駐車場経営の中には「月極駐車場」と「コインパーキング」の2つがある。駐車場(月極駐車場)は駐車場(コインパーキング)に比べると自分で募集や賃貸料を回収しないといけないので難易度が高い。

そのため余っている土地や農地活用におすすめなのは駐車場(コインパーキング)だ。駐車場(コインパーキング)は一時的に車を停めたいという人にむけて一時的な駐車場を貸し出すビジネスモデルになるので、大きな利益は期待できなもののニーズに合致すれば安定的収入につながる。管理面でいうと駐車場(コインパーキング)では管理も簡単な上に基本的にほったらかしで大丈夫だ。

また駐車場(コインパーキング)経営はアパート・マンション経営と違って節税ができないのがデメリットだが、駐車場(コインパーキング)経営は初期投資が少なく都心だったら需要が高いので大きい収益を上げることができるのがメリットだ。駐車場(コインパーキング)であれば初期投資や管理コストが低いので、とりあえず駐車場(コインパーキング)にする人も多い。

3.太陽光発電(ソーラー経営)

太陽光発電(ソーラー経営)は土地や農地活用の中でも比較敵新しいものになる。太陽光発電(ソーラー経営)はFIT制度と呼ばれる電力会社が一定価格で購入してもらうことができる制度があるので、ローリスク・ローリターンの土地や農地活用として有名だ。

また利回りも10%以上になる場合もあることから高額な初期費用をかけたとしても十分な利益を見込むことがでえきるといえよう。しかし、日照があまりよくない場所などそもそも太陽光発電(ソーラー経営)に向かない土地の場合やソーラーパネルの耐用問題もあるので「自己資金が少ない」や「今まで経営を行ったことがない」といった人は他の土地や農地経営を検討しよう。

また、太陽光発電関係でみると「太陽光発電を行いたいが土地がない」というニーズをもった人もいるので、土地のみを貸し出して太陽光発電の経営には関わらないというのも1つの手だ。

4.コンビニ経営

コンビニ経営は自分が簡単にオーナーになることができる土地や農地活用といえる。コンビニ経営は、ほとんどがフランチャイズ系式となっておりブランドや仕入れといった部分で恩恵を得ることが可能だ。

しかしフランチャイズのコンビニ契約では本社に大きく手数料をとられてしまうので苦しいオーナーも多く、ドミナント戦略と呼ばれる儲かる地域に同じブランドのコンビニが多数出店することでオーナーに過剰な負担を強いるといった例もある。

一方コンビニをフランチャイズではなく個人経営で行うという手もある。全てを自分でやらなければいけないがその分利益も大きいのでハイリスクハイリターンといえるだろう。総じてコンビニ経営は初心者が手をだすには少々難易度が高いので、経験やスキームがないのであれば他の土地や農地活用を検討してみてはいかがだろうか。

5.トランクルーム経営

トランクルームとは自分の部屋の収納では足りない場合に収納の延長線上で使用するレンタルルームのことをいう。一昔前はコンテナなどに通常自宅に置いておくには無用なものを預けるといった形だったが、最近ではトランクルームを身近に使うケースが増えており、需要は増しているので今がチャンスともいえよう。

収益の形態としてはトランクルームを使用したい人に向けて貸出、賃貸料を得るという仕組みなので、根本的にはアパート・マンション経営と変わらないのだが、管理面が比較的楽といえる。またトランクルーム経営ではアパートやマンションなどの土地や農地活用よりも初期費用が少なくてすむというメリットがあるため、初心者でも手を出しやすいのが特徴だ。

しかしトランクルーム自体も自身で購入するとなるとトランクルームの購入費や修繕費といった部分で大きく資金が必要となってきてしまうので、注意しなければならない。

土地(農地)活用のメリット

土地や農地活用の種類をそれぞれみてきたが、土地や農地の活用のメリットがどんなものか解説する。各土地や農地活用のメリットやデメリットは上述したが、今回は土地や農地活用の全体でのメリットをみていくで土地や農地活用を行えばどのような恩恵が受けられるのか、大まかに理解していこう。

固定資産税を安く抑えられる

冒頭に述べたが土地や農地は保有しているだけで固定資産税や都市計画税がかかってくる。しかし、アパート・マンション経営などの決められた土地や農地活用を行えば減税を行うことが可能だ。

注意しなければいけないのが、「減税できるものとできないものがある」という点なので、自分が行おうとしているものは減税が可能なのかどうかはしっかり確認しておこう。

相続税対策ができる

土地や農地は固定資産税を安く抑える可能性があるとともに、相続税を安くすることも可能だ。土地をそのまま貸し出していたりアパート・マンション経営といった土地や農地の活用を行っていたりすると、その土地の相続税評価額というものを下方修正してもらうことができるのだ。

自分の土地を親族に相続したいと考えている人や資産を多くもっている人は、相続税対策を行うことで大きな金額がお得になるので検討してみる価値はあるだろう。

収入が増える

土地や農地活用はうまく行えば大きな収益を上げることが可能だ。また減税を一緒に行うことができるアパート・マンション経営といったものであれば、更なる収益を期待できる。

ただ単に余っている土地や農地を活用していきたいというのであれば手間のかからない不労所得を形成していき、事業として大きく伸ばすということもできるので自分の儲けたい金額によって土地や農地活用のレベルを変えていくのがおすすめだ。

土地(農地)活用で知っておくべき2つの規制

自分が保有している土地や農地というと好き勝手に扱って良いという感覚をもつが、実は自由にできない土地や農地も存在する。せっかく土地や農地活用を行おうと考えていたのに蓋を開けてみると規制された土地や農地だったという可能性もあるので注意が必要だ。

そんな土地や農地活用を行うことができない「市街化調整区域」と「農地転用ができない場合」をみていこう。

建物を建てることができない市街化調整区域

市街化調整区域というのは簡単にいうと「この区域は市街地化してはいけない」ということでアパート・マンションや太陽光発電、トランクルームといった土地や農地の活用を行うことができない。

市街化調整区域でできる土地や農地活用となると駐車場経営のみとなってくるので、自分の保有している土地が市街化調整区域でないかどうかは事前に確認してから土地や農地活用に取り組もう。

農地が減るのを防ぐための農地法

通常の土地であれば問題はないのだが農地となってくると話は別で、農地転用(農地以外の目的で使用すること)をしてはいけないという規定がある。

農地は「農用地区域内農地」、「甲種農地」、「第一種農地」、「第二種農地」、「第三種農地」といった5つに分類されるのだが「農用地区域内農地」、「甲種農地」、「第一種農地」では農地転用が認められていないのだ。

何故農地転用が認められないのか簡単に解説すると、農地として高いポテンシャルを秘めた土地だったり市町村が決めた公共の農用地だったりするといった理由だ。

このような農地転用ができない土地ではアパート・マンション経営といったものはもちろん駐車場といった建物以外の活用もできない。従って農地のまま活用する方法をとり、可能であれば農地としての売却や農地集積バンクの利用、公共の農園にするといった農地活用を行おう。

土地活用のリスクも押さえておこう

土地活用を行えば減税や高収益といったメリットばかりが頭に浮かぶが、土地活用にはデメリットもある。そもそも土地活用は自分で事業を行っているのと等しくいわば起業しているようなものだ。自己資金がいくらかかり経費、融資にかかる返済額に対してどのくらいの利益をだせるかという思考を身につけなければいけない。

そのため立地条件や自分が行おうと考えている土地活用の需要や供給といった部分を考えながら本当に勝算があるのかという部分を考えていくことが重要だ。また土地活用には大きな金額が動くため、詐欺を行う会社や悪徳不動産会社もでてくる。そういった者たちにだまされないように最低限の知識をつけて土地活用に挑もう。

最適な土地活用の方法を選択しよう

今回は土地や農地活用は果たして儲かるのか?という観点から土地や農地活用のビジネスモデル5つの紹介や、メリットと注意点を解説してきた。土地や農地活用には多くの種類があったが、それぞれ収益性やビジネスモデルも異なるので自分でどの事業が一番良いかを決定しなくてはいけない。

また前述したが土地や農地活用を行うには経営的センスが必要となってくる。この部分を軽視してしまっていると儲かると思ったのに全然儲からなかった……という結果や大損をしてしまうという最悪の結果を招きかねない。

もし素人なら収益が見込めるか専門家や不動産会社に相談してから行動を起こすことも重要なので、しっかり計画性や分析を行ってから土地や農地活用に挑もう。

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