欧米がクリスマス休暇で方向感の乏しい展開 週末の鉱工業生産に注目
今週は実質的に年内最終週だが、欧米がクリスマス休暇に入ることもあり日本株相場は方向感に欠ける展開となろう。米中貿易協議の第一段階合を受けたリスクオンで日経平均は2万4000円台を回復したが、足元はクリスマス休暇の時期とあって手仕舞い売りで上値が重い。しかし、一方で下値も堅く、一方的に売り崩されるような展開にはならない。海外勢不在だが、それはまた閑散に売りなし、で売り圧力も弱まる。年内はこのままもみ合いで終了、もしくは来年への期待で2万4000円回復を意識するような流れか。
今週は小売りの9~11月期決算発表が始まる。24日しまむら(8227)、26日Jフロント(3086)、スギHD(7649)、27日ニトリHD(9843)が決算を発表する。消費増税の影響などが注目されるが既に月次でわかっているところもある。例えばニトリの11月の月次国内既存店の売上高は前年同月比6.9%減と増税の影響が出ている。またニトリの業績については先週日経新聞が観測記事を出して株価も大きく反応したことから、実際の決算の数字が出てももう材料にはならないだろう。
27日は鉱工業生産指数、完全失業率、有効求人倍率が発表される。10月の鉱工業生産指数は、前月比4.2%低下と2018年1月以来の大きな減少となった。9月の上昇の反動に加え、台風の被災も生産の低下に影響した。11月の統計ではどこまで回復しているか注目される。10月の落ち込みからの回復が著しい場合、相場は素直にポジティブな反応を見せるだろう。
今週の予想レンジは2万3500~2万4100円とする。
広木 隆(ひろき・たかし)マネックス証券 チーフ・ストラテジスト
上智大学外国語学部卒業。国内銀行系投資顧問。外資系運用会社、ヘッジファンドなど様々な運用機関でファンドマネージャー等を歴任。長期かつ幅広い運用の経験と知識に基づいた多角的な分析に強み。2010年より現職。著書『9割の負け組から脱出する投資の思考法』『ストラテジストにさよならを』『勝てるROE投資術』
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