(本記事は、豊田 圭一氏の著書『人生を変える単純なスキル - センスよりスキルを信じよう 若手社員からプロフェッショナルまで大切にしたい7つのスキル』クロスメディア・パブリッシングの中から一部を抜粋・編集しています)

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(画像=PIXTA)

いつからだって遅くはない

「もっと若いときに経験しておきたかった」
「思い立ったあのときに始めていれば良かった」

そんなことを思うときもあるでしょう。私は昨年、49歳で合気道を始めたのですが、一緒に稽古をしているまわりの人たちが「私は10代の頃からやっているのでもう20年になります」や「私は10年やっていますが初心者みたいなものです」と言っているのを聞いて、「あぁ、10年、20年という時間は取り戻せないなぁ。始めるのが遅かったかな……」と感じました。

でも、その一方で60代や70代の稽古仲間で「まだまだ若いねぇ。私もそのくらいの年齢から始めましたよ」という方もいたのです。そして、私は1年半以上経った今でも続けていますが、やっぱりあのときに始めて良かったと思っています。

実は私は子供の頃から武道に対する憧れがありました。中学生の時に友達と少林寺拳法を習いに行こう! ということになって見学までは行ったのです。でも、あのときは塾とどっちを選ぶかということで塾を選びました。そして、20代後半で、空手を習いに行ったことがありますが、あのときは、言い訳かもしれませんが起業直後ということもあって1年ちょっとでやめてしまいました。

でも、心のどこかで“いつか”やってみたいなぁと思っていたと思うのです。

よく「“いつか”なんてない」と言われていますが、本当にないんですね。そこから憧れはありつつ、ずるずると時が過ぎ、ようやく20年が経って始めたのが合気道というわけです。

私は今だって忙しい毎日なはず。おそらく20代で空手を習っていた頃よりも忙しいかもしれません。でも、あの時とは何かが違うから続けていられるのだと思います。それは、次の2つではないかと思っています。

・今日が「残りの人生」の最初の日

他人と比較して、自分は若いとか年を取っているなんてどうでもいい話で、自分の人生においては、今日はいつだって自分の「残りの人生」の最初の日なんです。だから、そう考えると今日の自分が一番若いんだから「もう遅い」なんてわけがありません。

・人生の時間は有限

そして、誰もがわかっていながらなかなか日々の生活の中で意識ができていないのが「私たちの人生の時間は限られている」ということ。だから、やりたいと思ったことを始めてみて、もし嫌だと思ったらやめちゃえばいいけど、始めないという選択肢はやめよう、と思ったのです。だって、過去に戻ることはできないから。後悔はしたくないから。

一昨年からスペインの大学院に定期的に通い、15ヶ月間かけて修士号を取得したのも同じです。私は海外の大学や大学院を卒業した経験がないのに、海外留学コンサルティングの事業をしていることに少しだけコンプレックスを抱えていました。他人と比べてはいけないのかもしれませんが、同じ業界の人たちや私の社員はみんな、海外の高校や大学、大学院を卒業していて、海外留学経験も豊富だし、英語もペラペラだしと……。だから、私も“いつか”海外の大学や大学院に行きたいなぁと憧れながら、学校を調べたりしながらも、それもまたずるずると日々の忙しさを言い訳にしながら時が経ってしまったのです。

48歳で留学だなんて今さらでしょうか? でも、これも前述の2つの理由を考えたとき、他人と比較しても仕方ないし、本当にやりたければ今やろうと思って留学することにしたのです。

忙しい合間を縫ってというのは大変といえば大変なのですが、でも、やろうと思ったら何とかなるものなんですね。そして、卒業した今、あの時にやっておいて本当に良かったと思います。本当にいつからだって遅くないと思いましたし、憧れやコンプレックスを抱えたまま、まだずるずると時間が経ってしまうことの方が恐怖です。

でも、私の合気道や大学院留学はそんな年齢でしたが、でも、何をやるにしても早いに越したことはないというか、「思い立ったが吉日」です。

自分のことは棚に上げて書きますが、ついつい、人は「今は忙しくて時間がない」とか「今はそのタイミングじゃない」とか、あるいは「今さら遅い」「その立場にない」「お金がない」といった言い訳をして、せっかくやりたいと思ったことを始めません。

でも、言い訳をしてもいいですが、自分の人生ですよ?

人が死ぬ前に最も後悔するのは、「やりたかったことをやらなかったこと」や「挑戦しなかったこと」だと言います。人は「やったこと」よりも「やらなかったこと」に対してより大きな後悔を感じるのだそうです。そして、あの時に「やる」という決断をするのも、あの時に「やらない決断」をしたのもすべて自分自身だと気づくのです。

自由人・高橋歩さんが「夢は逃げない。逃げるのはいつも自分だ」と本に書いていましたが、それ、本当にそうですね。人生は「今さらできない」じゃなくて、いつだって「今からできる」です。だって、今日は残りの人生の最初の日なんだから。

POINT
思い立ったが吉日。
やりたかったことをやらなかった、挑戦しなかった、と後悔しない人生にしましょう。

人生を変える単純なスキル
豊田 圭一(とよだ けいいち)
(株)スパイスアップ・ジャパン 代表取締役。1969年埼玉県生まれ。幼少時の5年間をアルゼンチンで過ごす。92年、上智大学経済学部を卒業後、清水建設に入社。海外事業部での約3年間の勤務を経て、留学コンサルティング事業で起業。15年以上にわたり、留学コンサルタントとして留学・海外インターンシップ事業に従事する他、SNS開発事業や国際通信事業でも起業。2011年にスパイスアップ・ジャパンを立ち上げ、主にアジア新興国でグローバル人材育成のための海外研修事業を行なっている。また、グループ会社を通じて7ヶ国(インド、シンガポール、ベトナム、カンボジア、スリランカ、タイ、スペイン)でも様々な事業を運営している。18年、スペインの大学院IEで世界最先端と呼ばれるリーダーシップのエグゼクティブ修士号を取得。著書「引きずらない人は知っている、打たれ強くなる思考術」「自分がいなくてもまわるチームをつくろう!」など多数。

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