ZUU onlineが開催している、経営者が知っておくべき「新型コロナウイルス後の○○」をテーマにしたZoomによるウェビナー。4月8日(水)18時からは、株式会社ユニコーン代表取締役の安田次郎 氏に、「コロナ時代の資金調達!スタートアップが押さえるべき投資獲得法」を聞いた。

※本記事はウェビナーの収録内容をそのまま書き起こしたものです

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投資の源は「人の助けになりたい」という気持ち

誰でも未上場株に投資できる「株式投資型クラウドファンディング」のリアル
(画像=ウェビナーより, ZUU online編集部)

安田:実際に、他社様の案件でございますが、先週末に申し込み受付を開始した企業さんがありましたけれども、あっという間に2700万円くらいのお金が集まった、ということで。逆にですね、やはり困難な時ほど、何か…もちろんお金に余裕がある方だとは思うんですけれども、応援をしたい、という方もいらっしゃるんではないでしょうか。

多分、東日本大震災の後にですね、このクラウドファンディングというのが非常に増えたというか、広がったわけなんですが。まさに、あの時は「寄付型」」ということで、「何かいいことをしたい」「人の助けになりたい」という形であったと思うんですが。

やはりまあ、そういった、人の心・気持ちというのは、大変な時にこそ発揮される面もあるのかな、というふうに思っています。

投資家の利益はどのように生じるのか

菅野陽平(司会進行,ZUU online副編集長,以下菅野):なるほど。私みたいに、清らかな心を持っていない人間からすると、「なんぼ儲かんねん」っていうのがすごく気になるんですけど。ずばり、経済的な利益……株主さんにとっての経済的利益ってどんなセールスポイントというか…お伝えできる点がありますかね。

安田:そうですね。当然、応援がベースにあるといっても、やっぱり投資ですので将来的なリターンというところも、皆さん期待されてると思います。

未上場企業の株式ですので、投資した先が、一番理想的には、IPO=上場してもらうと。それによって自分が投資した金額が何倍、あるいは場合によっては10倍、20倍になる可能性がある、というものだと思います。

あとそれ以外で、IPOまで行かなくとも、バイアウトという形でどこかの事業会社に売却をするというケースもあると思うんですが。 その際にも、自分が投資した価格よりも高い価格で売却ができる可能性があるというふうに思います。

ただ、実際この株式型のクラウドファンディングに投資をされている方というのは、一社だけ、一案件だけ投資して、それをずっと待つというよりも、複数の案件に投資をして、その中の一つ二つでもIPOまでいくとリターンがちゃんともらえるな、というようなスタンスで投資をされている方が多いんではないかというふうには思います。

株式投資を「手の届きやすい金額」で

菅野:確かに「ひとりベンチャーキャピタル」みたいなことができて、面白そうと言えば面白そうですよね。

安田:そうですね。未上場株式の投資というのは、基本的にはプロの投資家、もしくは一部の超富裕層…いわゆる「エンジェル投資家」と呼ばれる方しかなかなか投資する機会がなかったものが、2015年の金融商品取引法の改正によって、こういう制度が生まれて。

いってみれば、「どなたでも投資ができる」という形になったものであります。

菅野:そうですよね。プライベートバンクとか行くと、PEファンド(プライベート・エクイティ・ファンド)とかありますけど、「ワンロット5000万円必要です」とかそんな感じですもんね。

安田:(笑)はい。

菅野:それが、多くの個人投資家の手が届きやすくなったというのは一つあるかもしれないですね。

安田:はい。実際弊社の案件の場合には、大体1件あたり10万円くらいから投資ができるような形になっていますので。

菅野:あ、そうなんですか。なるほどなるほど。それは確かに「手が届きやすい金額」ですね。

安田:はい。

菅野:我々がいうと、すごくこう…ポジショントークみたいに聞こえるんですけど。

安田:(笑)

株価を決めないスタイルについて

菅野:あと、ご質問がもう一件来てまして。読み上げます。「スタートアップにとって、株式投資型クラファンを、株価を決めずにCNみたいな形で行うことは可能なのでしょうか」 と来ています。この「CN」って何ですか?

安田:CNってなんですかね…

菅野:何ですかね…もしあの、聞いていらっしゃる方が…あ、来ましたね。「コンバーチブルノート」

安田:ああ、はい。

菅野:わかりますか、安田さん。

安田:はい。えっとですね、CNという形なのか、他の呼び名のものもありまして…株価をその時点では決めずに、例えば次の増資の時に、その価格をベースに、例えばそこから20%引いたところまで、実際に株式を取得できるようなシステムですね。

あとで株価が決まるようなスキームっていうのはありますが、現状私共で取り扱いをさせていただく案件では、普通株式のみの増資という形をさせていただいていますので、少なくとも弊社で取り扱う案件としては、現状では質問された方が仰る、「CN」という形での調達は難しいというふうに言えます。

菅野:なるほど。ありがとうございます。またご質問が来てますね。いったんこの「CNできますか」というのは完了をおさせていただきます。

あと、一個前に質問していただいた方が「ありがとうございます」と投稿してくださっています。こちらこそありがとうございます。

安田:ありがとうございます。

対象となる企業のステージ

菅野:コンバーチブルノートも完了を押させていただきます。で、もう一個。あ、先程の方ですかね。

「対象ステージはどのあたりですか。何もない状態…シートからイグジット前?
 金額、株主数の上限・下限はありますか。
 投資を募る際、どの程度財務情報等を開示するのでしょうか」

ありがとうございます。安田さん、見れてますでしょうか。

安田:はい。そうしましたら、次のスライドを見ていただくといいかなと思います。株式投資型クラウドファンディングの特徴ということで書かせていただいています。

まず、資金調達できる金額は年間1億円未満というステージになります。あと、投資家が投資できる金額は1社につき年間50万円以下という制限があります。 この金額につきましては、今後見直しをされる可能性もあるとは思いますが、現状ではこういったルールがあります。

あと、すみません、質問が…あ、ステージですね。対象ステージは特に制限はないんですけれども、これは、各運営会社の方針によるかとは思います。

弊社の場合でいきますと、「原則として、事業を開始して12ヶ月が経っている企業様」というふうにしております。ですから「今日会社を作りました。まだ全くビジネスは始まってません。これからこういうことをやります」という会社さんではちょっと、難しいかというところであります。

ただ、12ヶ月経っていなくてもいくつか例外があってですね。例えば、「ビジネスコンテストでファイナリストになりました」とか、あるいは「既にベンチャーキャピタルから投資をいただいています」とか。

言ってみれば、第三者の評価が入っている企業様であれば、12ヶ月経っていなくても審査の対象にさせていただいております。

あと、株主数につきましては、特に上限・下限というのはありません。

資金調達に必要な公開情報

安田:あとですね「投資を募る際どの程度財務情報を開示しますか」ということですが、基本的に五ヶ年の事業計画を作っていただいて、そちらを開示していただく形になります。

あと大事なのはですね、「どういうビジネスをするのか」というところをきちんとやはり、投資家の方に伝えなければいけませんので。実際にお金を調達する場合には、そう言った情報を全て、弊社が運営するウェブサイト=プラットフォームに載せさせていただいて、投資家はそれを見て投資判断をする、という形になります。

今回このページに書いてありますが、株式型クライドファンディングの場合は、すべてweb上での勧誘ということになりますので、例えば対面で勧誘をするとか、あるいは電話をかけて勧誘をするとかいうことが法律上禁止されていますので、そこのwebでの情報、これを投資家の方にわかりやすく、かつ魅力的に伝えていくというところで。

実際、ちょうど今日弊社の第三号案件というものが開示されておりますので、もしお時間があればそこを見ていただくと、どんな情報が書いてあるのか、ということがお分かりになるのかな、というふうに思います。

菅野:あ、安田さん今ネットつながってますので、開こうと思えば開ますよ。

安田:じゃあちょっと開いてみていただいて。

実際のサイトを見てみる

安田:そうしますと、今基本情報というところを見ていただいているかと思いますが、左の方に目次があって、こう言ったことがずーっと情報のところに説明があります、と。

菅野:なるほど。

安田:はい。あと、基本情報以外では「募集要項」ですとか「会社情報」ですとかタブが並んでまして。

菅野:これですね。

安田:はい。ここはまあ、会社情報までは会員登録をしなくても見れるんですが、事業計画やリスク情報等々は会員登録をしていただいた方だけが見れるような形になっています。

菅野:あ、これ株主割合も公開するのがマストなんですか。

安田:そうですね、はい。

菅野:なるほど。登記簿を開けても、なかなか株主割合ってないと思うので、結構レアな情報ですよね。

安田:やはり「どういった方が株主か」というのはやはり、非常に重要な情報でもありますので。

菅野:ありがとうございます。

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