不透明な時代の資産運用

富裕層の資産運用マル秘テクニック#2
(画像=Devon/ pixta, ZUU online)

新型コロナウイルスによる経済的な被害は、いまだ全世界的に拡大している。日本でも4月に異常事態宣言が出て以降、外出自粛などの影響で経済が一時的にストップ。感染者数は相変わらず増加傾向にあり、先行きは不透明だ。

そうした時代、富裕層は資産運用についてどのように考えればいいだろうか。日本、米国、スイスのプライベートバンクに11年間在籍、現在は独立して富裕層の資産形成サービスを手掛ける「ウェルスパートナー」代表の世古口俊介氏をナビゲーターに、具体的なノウハウをご紹介する連載「富裕層の資産運用マル秘テクニック」。第2回は「株式投資」について見ていこう。

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資産を殖やすには株式投資しかない

読者の皆さんは、どれくらいの金融資産をお持ちだろうか。ZUU onlineの読者なので、そこそこの金額に上るのではないかと推察されるが、よほどの資産家でなければ「まだまだ殖やしたい」と考えている方が少なくないのではないだろうか。

どうすれば資産を殖やすことができるのか。資産運用にはさまざまな金融商品があるが、「数億円レベルまで資産を殖やそうとすればやはり『株式運用』をおいてない」と世古口氏は断言する。そして、「現在、数億円の資産をお持ちの方でも、数十億円規模の資産を築こうと思えばやはり株式投資しかない。株式は『資産成長に最も必要なツール』だからだ」と語る。

世古口氏が株式投資を最も重要なツールだと位置付けているのには理由がある。下のグラフをご覧いただきたい。これは過去20年間で米国人と英国人、そして日本人が資産をどれだけ殖やしたかを比較したものだ。これを見れば明らかなとおり、米国人が3.11倍なのに対して日本人は1.47倍と大きな差がついていることがわかる。

家計金融資産の現状分析
出典:金融庁説明資料(家計金融資産の現状分析・平成29年2月3日)

こんなに差がつくのは、米国人と日本人との資産構成に大きな違いがあるからだ。もう一つ、下のグラフを見ていただこう。これは、やはり米国人と英国人、そして日本人の運用資産の構成を比較したものだ。

家計金融資産の現状分析
出典:金融庁説明資料(家計金融資産の現状分析・平成29年2月3日)

米国人は、株式・投資信託で約3割、保険・年金で約3割を運用、現金・預金は13%程度に過ぎない。これに対し日本人は、株式・投信が約14.9%と米国人の半分程度。しかも投信はほとんどが債券で、株式の割合は極端に少ない。かわりに現金・預金が、なんと50%を超えている。

日本では、「貯蓄から投資へ」と政府が旗振り役となって長年言い続けているが、まだまだ現金や預金信仰が強い。だが、これら2つのグラフを見れば明らかなとおり、資産形成においては、株式を保有しているかどうかで大きな差がついてしまっているといえるのだ。