今年2月17日付のコラム『富裕層も活用 人生の「3つの寿命」と資産防衛』では、人生の3つの寿命について説明しました。3つの寿命とはすなわち、「生命寿命」「健康寿命」「資金寿命」です。高齢化社会の様々な問題を解決するための「金融ジェロントロジー」と呼ばれる研究では、この3つの寿命のバランスを重視しています。

実はもう一つ、第4の寿命があります。それは「希望寿命」です。「希望寿命」とは文字通り、本人が「何歳まで生きたいか?」希望している寿命です。2018年にBIGLOBEが10代から50代の男女に実施した『年齢に関する意識調査』によると「希望寿命」の平均は77.1歳でした。これは厚生労働省発表の日本人の平均寿命(2018年:男性81歳、女性87歳)を大きく下回ります。

「長生き=不安」というイメージが広く浸透?

年金,繰り上げ
(画像= nanananona / pixta, ZUU online)

ちなみに、BIGLOBEの調査によると、老後に不安を抱いている人は全体の82.6%に上ります。具体的な不安要因としては「老後の資金」「年金制度」「病気・怪我」「親の介護」と金銭面・健康面の不安が浮き彫りとなっています。こうした不安要因が「希望寿命」に影響しているのかも知れません。「長生き=不安」というイメージがいつの間にか広く浸透しているようにも感じられます。

しかしながら、「希望寿命」に反して日本人の平均寿命はどんどん延びています。たとえば1960年の平均寿命は男性で約65歳、女性で約70歳でした 。2018年は男性81歳、女性87歳で「4人に1人」は90歳を超えています。読者のみなさんが80歳を迎える頃には平均寿命は100歳を超えているかも知れません。

「年金の繰上げ受給」のリスク

筆者は老後問題についてセミナーや講演会等で登壇する機会が多いのですが、質疑応答等で「私はどうせ長生きしないから」といった意見も多く耳にします。人生100年時代と言われても、どこか他人事のように感じている人も少なくないようです。

しかし、実際に何歳まで生きるかは誰にも分かりません。それどころか「どうせ長生きしないから」と高をくくっていると金銭面で大変な損失を被ることにもなりかねないので注意が必要です。