なんだか自己肯定感が上がらない。自己否定感ばかりが募ってしまう。こう悩んでいる人は、もしかしたらコミュニケーションに改善ポイントがあるかもしれない。
年収1億円を稼ぐ人は、相手をどう思っているか、相手にどういう感情を持ってもらいたいかを考え、コミュニケーションを用いて、相手も自分も自己肯定感が下がることのないようにするものなのである。
「年収1億円なんて」と思う人でも実践したい、相手の自己肯定感を高め、自尊心も高まる会話術を紹介する。
(本記事は、岡崎かつひろ氏の著書『うまくいく人がやっている 1億円会話術』きずな出版の中から一部を抜粋・編集しています)
相手の「自己肯定感」と「自己重要感」を高める話し方
自尊心を高める会話術とは。
簡単に言ってしまえば、まわりを喜ばせる会話術のことです。
あなたと会っていると嬉しくなる、すると自分には価値があると感じる、だからあなたともっといたいと思うし、あなたのことがもっと好きになっていく。
最近ではこういった感覚を「自己重要感」や「自己肯定感」と呼んでいます。
「自己重要感」とは、自分は重要な存在であり、ここにいなければならない存在であるという感覚です。
「自己肯定感」とは、自分もここにいていい、自分という存在そのものに価値があるはずだと感じられている状態です。
これらの「自己」に関わる価値観は、ピラミッド構造になっています。
上の図の示す通り、一個ずつ自分のステージを上げていく必要があります。
自己肯定感を満たしたあとでしか、自己重要感を上げることができません。
では、実際に会話においてどのようなことを意識すれば、まわりの人の自己重要感や自己肯定感、すなわち自尊心を高めることができるでしょうか。
それには、次の3つのことを意識するといいでしょう。
●相手の自尊心を高める会話の3つのコツ
(1)話を聞く
相手の自尊心を高めるということにおいて、話をしっかりと聞くこと以上に重要なことはないでしょう。
人は話したい生き物です。なんとかして自分の話を聞いてもらいたい、しかし同様に自身の話を聞いてもらうことに一生懸命な人ばかりで、自分の話を真剣に聞いてくれる人がなかなかいない――。
そんななかで、自分の話をしっかり聞いてくれる人に出会ったら、どんな感覚になるでしょうか?話を聞いてくれてありがたいな、自分の話には聞いてもらえるだけの価値があるんだ……つまり自分は価値がある人間なんだ、と感じるのではないでしょうか。
これが、自尊心を高めたということなのです。
話を聞いてくれる人が少ないなかで、あなたが積極的に聞き役にまわったのなら、相手にとってあなたは貴重な人であり、尊敬に値する人です。
だから結果的に、話を聞ける人というのは人望を集めることになります。
「話すは技術、聞くは器」と言います。話し方は練習すればうまくなりますが、聞き方は心構え、器の大きさがあらわれるのです。
あなた自身のことについても振り返ってみてください。今日、もしくは昨日のうちに、まわりの人とどんな会話をしましたか? どの程度覚えているでしょうか?
もしかしたらほとんど覚えていないかもしれません。そのぐらい、人の話を聞くということには、意識の集中が必要なのです。
(2)褒める
私の友人に、キャバクラに通うのが大好きな人がいます。キャバクラの良し悪しというのは置いておいて、その友人に「なんでそんなにキャバクラが好きなの?」と聞きました。
すると、とても面白い答えが返ってきました。
「キャバクラに行くと、僕の話をしっかり聞いてくれて、すごいすごいって褒めてくれるんだよね。だから気分がよくなって、また行きたいって思っちゃうんだ」
なぜ男はキャバクラに行くのか。その答えは話を聞いてもらいたいということと、褒めてもらいたいということの2つが大きな理由になっているのです。
お酒のプロがつくるわけでもないのに一杯1000円でも2000円でも支払っていく。考えたらこれはすごいことだと思いませんか。話を聞いてもらうことと、褒めてもらうことのために、男性はこれだけのお金を使っているのです。
でもきっと女性だって、髪を切った翌日に、「髪切ったんだ」「とっても素敵ですね!」と言われて悪い気がする人はそういないでしょう。
少なくとも男性でも女性でも、褒められて悪い気がする人はいないということです。
人を褒めるときには、次の3つのワードを使うと上手に褒めることができます。
「すごい」「素敵」「最高!」の3つです。
たとえば、
「すごい!見事な調整でしたね」 「素敵なネクタイですね。とってもお似合いです」 「〇〇さんのお話、最高でした。早速実行させていただきます」
など、この3つの言葉は、褒め言葉を使うときにとても扱いやすいワードです。
気をつけていただきたいのは「すばらしい」という言葉です。すばらしいという言葉は原則、年上の人が年下の人に使う言葉です。仕事上においては上司が部下に使う言葉です。
たとえばあなたが小学生から、「すばらしい仕事ぶりですね」と言われたらどんな感じがしますか?なんでお前に評価されなきゃいけねえんだよ、と思いますよね。
すばらしいという言葉は、使いようによっては敵をつくってしまうので気をつけましょう。
(3)感謝を伝える
「ありがとう」を漢字で書くと「有り難う」となります。有ることが難しいから、ありがとうなのです。
ちなみに感謝の反対はわかりますか? 答えは「あたりまえ」です。あたりまえになってしまうと感謝の気持ちがなくなります。感謝の気持ちがなくなると相手への尊敬がなくなり、尊敬されていないということは相手の自尊心が下がることにつながります。
感謝をされていないと、人は自己否定感の世界に入っていってしまいます。「どうせ自分なんて必要とされていないから……」となるわけです。
自己否定感の世界に生きている人は、人からの感謝が少ない人、もしくは人への感謝が少ない人。そんな人の自尊心を高めたいと思ったら、感謝を伝えるのが一番いいです。
感謝を伝えるときには、普通ではありえないことをしてもらっているという気持ちを込めて言うことが大事です。それを受け取った人は自尊心が高まるからです。
考えてもみてください。
あたりまえのように食事が用意されている、実家住まいの人なら気づけば洗濯をしてもらえている、会社だって失敗してもちゃんとお給料を払ってもらえる、便利なサービスがあふれていて生活に困ることはそうそうない。
これって、すごくありがたいことだとは思いませんか?
じつは身のまわりには「有り難う」があふれているのです。
日本人はともすると、「すみません」が口癖になってしまっていて、「ありがとう」をとっさに言える人が少ないように感じます。
どんなときも「ありがとう」で返す癖をつけていきましょう。
1億円会話術のポイント 話を聞く、褒める、感謝を伝える
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