「長く説明をしても、なんだか相手に理解してもらえない」「結論から話してほしいとよく言われる」

そう思う人は、一度、「話す型」について理解をし、会話術を上達させられるとよさそうだ。

年収1億円の人のコミュニケーション術を紹介する本シリーズの最後は「伝わる話し方」。話がまとまらないことの多い人はぜひ、参考にしてみてはいかがだろう。

(本記事は、岡崎かつひろ氏の著書『うまくいく人がやっている 1億円会話術』きずな出版の中から一部を抜粋・編集しています)

伝わる話し方には「喉」と「顔の筋肉」が大事

比較
(画像=PIXTA)

「卵が先か鶏が先か」という話がありますが、実際どちらが先なのでしょうか?

私は卵が生まれたから鶏が生まれたわけでも、鶏が生まれたから卵が生まれたわけでもないのではないかと思っています。鶏も卵も徐々に進化していった結果、鶏が卵を産むようになった。並行した進化だったのではないでしょうか。

生物の進化の真偽のほどはわかりませんが、人の成長に関してははっきりしていることがあります。成長に伴って結果がついてきて、結果が出るとより成長していく。平行移動していく関係にあるということ。

多くの成功者と呼ばれる方々とお会いしましたが、彼らの話はわかりやすく、面白い。思わず「この人だからできたのではないか?」と思ってしまいます。

しかし、話を聞く限り、初めから話がわかりやすかった人は多くありません。むしろ昔はコミュ障だったなどという人もたくさんいます。もちろん、いまではそんな面影は感じさせませんが、結果をつくっていくプロセスで克服していったことなのでしょう。

「成功は成長の果実」という言葉があります。自分が成長した分以上の成果を得ることはないのです。ですから、話法に関しても学んで成長させていく必要があります。

逆説的に言えば、話法は学ぶことができる技術です。生まれ持った才能であれば改善しようがありませんが、技術であるなら、会話は誰でも改善することができます。

わかりやすく話す、伝わる話し方をするということに関しては「型」があります。いくつかの基本を押さえれば、あとは実践を通して応用していくことができるでしょう。

わかりやすく話をする、その前に必要な準備を押さえておきましょう。

●伝わる話し方のための2つの準備とは

必要な準備は2つあります。

それは喉を温めておくことと、顔の筋肉をやわらかくすることです。

(1)喉を温める

「喉を温める」と言われてもぴんとこない人が多いでしょう。しかし、運動するときと一緒で、喉も事前に温めておかないとスムーズに動きません。

朝、声が出づらいと思ったことはありませんか?それは一晩寝て、筋肉が硬直してしまったため、声を出しにくくなっているのです。

ですから、人と会う前に喉を温めておくのはとても大事なことです。

自宅であれば自分が大好きな本を音読するといいでしょう。また、もしそういった時間をとるのが難しければ、寝ている間に喉を冷やさないようにタオルやマフラーなどを首に巻いておくのもひとつの手です。声を出すということも、運動と何ら変わりがないということを覚えておいてください。

(2)顔の筋肉をやわらかくする

当然ですが、笑顔で話す人のほうが印象がよくなります。

しかし、それだけではありません。笑顔で話すと音の響きがよくなるのです。

歌を歌う人たちはみな笑顔で歌っています。なぜ笑顔かというと、笑顔をつくると鼻の横の鼻腔と言われるところが広がり、音が響きやすくなるという効果があるからです。

つまり、笑顔で話したほうが声が明るくなり、響きがよくなり、相手に対する印象もよくなるのです。

顔はすべて筋肉でできています。こり固まっていたら動きません。

人と会ったり、人前で話をする前には表情筋をやわらかくするように顔を動かすといいでしょう。手っ取り早いのは「変顔」です。いろいろな変顔を試してください。ただし人には見られないように気をつけてくださいね。

1億円会話術のポイント
喉を準備運動で温めて、顔の筋肉は積極的に動かそう

「三段論法」は、いますぐやめなさい

「日本人の話し方はわかりにくい」という話を聞いたことはないでしょうか。日本語は感覚的な表現が多いということもありますが、どうやらそれだけではないようです。原因のひとつには、日本人は「三段論法」で話す癖がついているということが挙げられるでしょう。

三段論法とは、

「AだからB。そしてBはCである。だからAの答えはCである」

という話し方です。たとえばこういった感じです。

「昨日、会社に行ったらね、大変だったんだ。課長がいきなり無茶な仕事を振ってきて。××や〇〇で、あんなことやこんなことがあって。だからとても大変だったんだ。どうしたらいいかわからないから、相談に乗ってもらえないかな?」

この話し方のメリットは、考えながら話せるということでしょう。

結論が見えていなくても話し始め、話しながら考え、結論を導いていく。自分も考えがまとまっていないときには、この話し方は便利な方法だといえます。

しかし、聞いているほうは結論が見えず、ストレスがたまりやすいです。

●説明を劇的にわかりやすくするシンプルなコツ

もしあなたがあらかじめ話すことが決まっているのであれば、先に原稿をつくっておいて、三段論法ではなく、結論から話をするようにするといいでしょう。

先程の例なら、このようになります。

「相談に乗ってもらいたいことがあるんだけどいいかな?昨日課長から〇〇と××について話をもらって。どうしたらいいか悩んでるんだけど、あなたならどうする?」

相談に乗ってもらいたいのであれば、まずそのことを伝えるといいでしょう。相談に乗るという前提があって話を聞くのと、ただ話を聞くのとでは、まったく聞き方が違うからです。

結論から話すことによって相手が心構えをすることができ、話を整理することができます。まずは三段論法をやめて、結論から話をすることを意識してみてください。

そして、わかりやすい話をするために大事なポイントとして、「文章をこまかく切る」ということがあります。たとえばこのように話をされたらどうでしょうか。

「今日はお願いがあって、ちょっと相談に乗ってほしいんだけど、昨日課長が急な仕事を振ってきて、〇〇や××について質問をされて、とても困ったんだけど、私には答えることができなくて、どうしたらいいか、あなたならどうするか、アドバイスが欲しいのだけど、どうかしら?」

これでは文章を読んでいるだけで疲れますね。

適切な長さで文章を切って、句点「。」を話のなかにこまかく入れていきましょう。話がわかりにくい人は句点が少なく、文章がダラダラと続いて、話のつながりが見えにくくなっています。

そして、句点のたびに適切な「間」を取るようにしましょう。

自分がこの話を聞いていたらどう捉えるか、何と回答するか、ということを想像しながら話をすると適切な間が取れます。人に理解されるために大事なのは間の取り方です。しゃべりすぎる傾向がある人は、間の取り方を意識してみるといいでしょう。

1億円会話術のポイント
結論から話し、文章はこまかく切ろう

うまくいく人がやっている 1億円会話術
岡崎かつひろ(おかざき・かつひろ)
株式会社XYZ代表取締役、他2社を有する経営者。ビジネストレーニング事業、業務コンサルティング、小売店支援、飲食店コンサルティング、旅行事業、会議室事業など多岐に展開する。埼玉県坂戸市生まれ。ソフトバンクBB株式会社入社後、4年で独立。飲食店事業において、ダイニングバー「SHINBASHI」は連日大行列となり、各種メディアに取り上げられる。有限会社志縁塾が主催する日本最大級の講師イベント「全国・講師オーディション2015」の決勝にも残り、口コミから始めた講演会は、いまでは毎回400名以上も集まる。累積動員人数では20万人を超える。「すべての人の最大限の可能性に貢献すること」を企業理念に精力的に活動する。業種を問わず、どこにいっても通用する一流のビジネスパーソンの育成をテーマに、パーソナルモチベーターとしても活躍。多くの若者のメンターでもある注目の起業家である。著書に『自分を安売りするのは“いますぐ”やめなさい。』『言いなりの人生は“いますぐ”やめなさい。』『憂鬱な毎日は“いますぐ”やめなさい。』『なぜ、あの人は「お金」にも「時間」にも余裕があるのか?』(いずれも、きずな出版)がある。

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