皆さんは「ヘッジファンド」という言葉を聞いたことがあるだろうか。ファンドといっても証券会社で購入できる一般的な投資信託と、ヘッジファンドとは全く別物だ。しかし海外の富裕層は、保有資産の1割から2割程度をヘッジファンドで運用していることが多い。コロナ禍の経済的な影響がいまだ大きい現在でも、優れたパフォーマンスを叩き出しているファンドも多数存在する。そこで連載「富裕層の資産運用マル秘テクニック」の第6回は、「ウエルスパートナー」代表の世古口俊介氏に、富裕層だけが知るヘッジファンド投資について解説してもらった。
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知っておきたいファンドの種類
ファンドと呼ばれるものには、大きく分けて3つのタイプがある。インデックスファンドとアクティブファンド、そしてヘッジファンドだ。それぞれのメリットとデメリットについて、世古口氏にまとめてもらったので、下の表をご覧いただきたい。
このうちインデックスファンドは、日本株式の日経平均株価やアメリカ株式のNYダウといったインデックス(指数)に連動することを目標にしている。一方アクティブファンドは、そうしたインデックスに対して「何%勝てるか」という基準で運用しているものだ。例えば、日経平均が−10%だったとすれば、日本株式のアクティブファンドは−5%を目指すといったイメージだ。これらは一般的な証券会社で投資信託として販売されているファンドだ。
しかし、ここでアクティブファンドに投資している富裕層たちは、「確かに日経平均よりはいいけど、でもマイナスだよね?」と考える。そこで生まれたのがヘッジファンドというわけだ。
ヘッジファンドの基本的な理念は、「絶対収益主義」と呼ばれるもの。これは、たとえITバブルが崩壊しようが、リーマンショックが起きようが、新型コロナウイルスが蔓延しようが、どんなことが起きても毎年プラスのパフォーマンスを出すというものだ。一部には、通常のアクティブファンド同様、指数と戦っているヘッジファンドもあるが、絶対収益主義の考え方で運用しているヘッジファンドの方が圧倒的に多い。
それぞれに良い面も悪い面もあり、どのファンドを選ぶかは投資目的や投資に対する考え方、資産状況などによって決めるべきだ。しかし、世古口氏は「インデックスファンドとヘッジファンドに投資している」という。その理由は、中途半端なアクティブファンドには、高いコストを支払う価値を感じていないからだというのだ。「せっかく高いコストを払うなら、ヘッジファンド並みに高度な運用をしてもらいたい」と世古口氏は語る。
安定した利益を得る運用戦略とは
では、ヘッジファンド自体は何に投資しているだろうか。一言でいえば「ファンド独自の運用戦略」で投資している。