「資産管理会社」とは、読んで字のごとく資産を管理・運用するための会社(法人)のこと。実は数億円以上の資産を保有する富裕層は、資産管理会社を設立するケースが多い。それは何故なのか? そこで、日本を始め米国やスイスのプライベートバンクに11年間在籍し、現在は富裕層の資産形成サービスを手掛けている、「ウェルスパートナー」代表・世古口俊介氏に、なぜ富裕層は資産管理会社を作るのか、2回に渡って解説してもらった。前半に当たる今回は、その概要を解説する。

富裕層が巧みに利用する税制とは

富裕層,投資
(画像=CORA / pixta, ZUU online)

なぜ富裕層は資産管理会社を設立するのか。最大の理由は日本の税制にある。

一番の理由は個人と法人の最高税率の違いだ。現状、個人の所得税の最高税率は住民税も含んで55%、法人税の最高税率は実効税率で33%となっている。細かい説明は省くが、最高税率だけで考えると、個人よりも法人である資産管理会社に資産をまとめた方がお得だ。

さらに最近の税制の流れも理由として挙げられる。主な税金は所得税、相続税、消費税、法人税の4つだ。これらの税金の中では、所得税と相続税、消費税がいずれも増税の傾向にある。しかし、法人税だけが減税の流れとなっている(下図参照)。

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(画像=出典:株式会社ウェルスパートナー作成)

現在、高齢化が進む中で社会保障費が膨らむなど、日本の“借金”は今や1000兆円を超える。財政の健全化を進めたい国は可能な限り税収を上げようと必死で、増税の流れが加速している。しかし法人税だけは別。というのも、グローバル化の進展により、世界の富は法人税の安い国に流入する傾向が顕著となっており、国際競争力の観点から法人税を引き上げることができないからだ。これはアメリカを中心とする世界的な流れで、日本も追随せざるを得ない。