「資産管理会社」とは、読んで字のごとく資産を管理・運用するための会社(法人)のこと。実は数億円以上の資産を保有する富裕層は、資産管理会社を設立するケースが多い。それはなぜなのか? そこで、日本を始め米国やスイスのプライベートバンクに11年間在籍し、現在は富裕層の資産形成サービスを手掛けている、「ウェルスパートナー」代表・世古口俊介氏に、前回に引き続き資産管理会社について聞いた。後半に当たる今回は、資産管理会社の具体的な活用方法の実例を紹介する。

経費との相殺で得られるメリットとは

富裕層,投資
(画像=Graphs/ pixta, ZUU online)

管理会社の役割は大きくわけて2つある。「1つは『資産運用の器』、もう1つは『資産承継のツール』だ」と世古口氏は解説する。このうち資産運用の器とは、資産運用を管理会社が行うということを意味する。ここでは、具体的な活用法を下図のようにまとめた。

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(画像=出典:株式会社ウェルスパートナー作成)

まずは資産管理会社を設立、その後に銀行から7000万円を借り入れ、本人(代表)も100万円出資して、9900万円を貸し付ける。そして外国債券に7000万円、国内不動産に1億円投資するとしよう。その結果、管理会社には毎年、利息収入が350万円、家賃収入が500万円、合計で850万円の収入が入ることになる。

この過程で、管理会社は事業のために使う経費として850万円を計上すれば、利益はゼロなので、法人住民税の均等割以外の税金は発生しない。

しかし、個人の場合は大きく違い税金が発生してしまう。なぜなら個人の税金は、収入の種類によって細かく分類されており、経費や損失との相殺が容易ではない。

例えば外国債券の利息は、経費との損益通算が認められていないため、利息額に対して20.315%の税金がかかる、一方、不動産収入については認められるが、不動産投資のための経費のみ。そのため、他の経費も含めて計上すると説明がつかず、税務署に認められないケースが少なくない。