日本株や米国株に投資しているという人でも、中国株をはじめているケースは少ないかもしれない。 一方、世界経済で中国の存在感が年々増していることに異を唱える人はほとんどいないだろう。日本人の資産運用において、中国株はもっと注目されて良いのではないだろうか。

この記事では、初めて中国株投資にチャレンジしようと考えている人に向けて、中国の経済成長の見通し、中国株に投資する3つの方法、中国株投資のリスクなどを解説していく。

目次

  1. なぜ今、中国株なのか?
  2. 中国株に投資する3つの方法
    1. 個別銘柄
    2. 投資信託
    3. ETF(上場投資信託)
  3. 中国株のETF投資のリスクは?
  4. 中国株ETF投資はどんな人に向いている?
  5. 中国株ETFを資産運用に取り入れる

なぜ今、中国株なのか?

株式投資で利益をあげるためには、当然ながら値上がり期待のある銘柄を購入することが重要だ。「どの個別企業が業績を拡大させていくか?」を当てることは難しいが、「どの国が経済成長していくか?」であれば、比較的予想がしやすい。

経済成長の指標となるのがGDPおよびGDP成長率だ。この成長率で中国は2010年に日本を抜き、世界第2位の経済大国となった。公益社団法人日本経済研究センターが2020年12月10日に発表した「第6回アジア経済中期予測」では、中国は今後も成長を続けて、GDP規模で世界第1位の米国を2028~29年に追い抜くと予測している。

これは主に、コロナ禍が足元の経済のみに打撃を与える「標準シナリオ」と、構造的トレンドにも影響を及ぼす「コロナ深刻化シナリオ」の2つを検討している。いずれの場合も、コロナウイルスをうまく封じ込めて被害拡大を防いだ中国が相対的に浮上し、米国を2028~29年に追い抜くとのことだ。

IMF(国際通貨基金)が発表した「世界経済見通し(2020年10月)」より東洋証券が作成した長期的GDP試算でも同様の結果となっている。こちらの試算では、中国のGDPは2028年に米国を抜き、世界最大の経済大国になる見通しだ。

東洋証券
(出所=IMF「世界経済見通し(2020年10月)より東洋証券作成)

中国は他国に先駆けてコロナ禍から回復した。一方、米国は新型コロナ感染拡大の影響で景気回復が遅れるとみられ、中国が世界最大の経済大国になるのは2028年よりも前倒しされる可能性もある。なお、IMF「世界経済見通し(2021年4月)」によると、中国の2021年のGDP成長率は8.4%、2022年の成長率は5.6%の予想になっている。

中国経済の成長率が、必ずしも中国株銘柄の株価上昇につながるわけではないが、経済成長することによって国民の所得が増え、増えた所得が消費に回ることで企業業績が良くなり、株価が全体的に上昇することは経済社会の原則だ。

少なくともマクロ観点では、中国株が有望な投資先と言える。

中国株に投資する3つの方法

中国株に投資するなら、どのような方法があるのだろうか。ここでは、個別銘柄、投資信託、ETF(上場投資信託)の3つを紹介する。

個別銘柄

日本のトヨタ自動車の株や、米国のAppleの株に投資するように、中国市場に上場する個別銘柄に投資することができる。ただし、他の外国株への投資にも同じことが言えるが、言葉や文化の壁もあり、有望な個別銘柄の発掘や分析を自分で行うのは相当難易度が高いだろう。

中国語に堪能だったり、中国に精通していたりする場合を除き、下記で紹介する投資信託やETFを活用することをおすすめする。

投資信託

中国株は投資信託を活用して投資することもできる。特にアクティブファンドの場合、ファンドマネージャーおよび運用チームが専門知識をもって商品を選定しているので、個人投資家は自分で銘柄選びをする必要がない。少額からはじめられ、投資先を分散できるのもポイントだ。

以下に、中国株に投資できる投資信託の一例を紹介する。

●UBS中国新時代株式ファンド(年1回決算型)
新時代の中国を牽引する成長セクターに注目し、厳選したリーディング企業に投資するファンド。香港、上海を中心に、世界の複数拠点にいる運用調査担当者からの情報を活用して運用を行う。

●東洋・中国A株ファンド「創新」2021(限定追加型)
上海証券取引所および深セン証券取引所上場A株全銘柄の約3,000銘柄を投資ユニバースとして、定量分析および定性分析を行う。ここから抽出した投資候補200〜300銘柄から、さらに30〜50銘柄を厳選し、ポートフォリオを構築する。

ETF(上場投資信託)

ETFは、東証株価指数(TOPIX)などの株価指数や金価格などの「指標」への連動を目指す金融商品だ。分散投資ができる、少額から購入できる、低コストである、などの特徴を持っている。

前出の投資信託と異なる点は、証券取引所に上場しており、全銘柄において全国の証券会社どこでも購入可能で、原則としてリアルタイムで市場価格が変動することなどが挙げられる。

そして東京証券取引所に上場しているETFのなかには、中国株関連のETFが存在する。それらのETFを購入することによって、中国株に投資することが可能だ。中国株に投資できるETFの一例を紹介する。

●【1309】NEXT FUNDS ChinaAMC・中国株式・上証50連動型上場投信
中国A株市場の株価指数である「上証50指数」の円換算値との連動を目指すETF

●【1322】上場インデックスファンド中国A株(パンダ)E Fund CSI300
中国A株市場の株価指数である「CSI300指数」の円換算値との連動を目指すETF

●【2530】MAXIS HuaAn中国株式(上海180A株)上場投信
中国A株市場の株価指数である「SSE180インデックス」の円換算値との連動を目指すETF

●【2553】One ETF 南方 中国A株 CSI500
中国A株市場の株価指数である「CSIスモールキャップ500指数」の円換算値との連動を目指すETF

●【2628】iFreeETF 中国科創板50(STAR50)
上海証券取引所科創板市場に上場する代表的な企業50社を構成銘柄とした株価指数である「STAR 50」を円換算した値に連動する投資成果を目指すETF

中国株のETF投資のリスクは?

このように魅力の多い中国株だが、投資である以上はリスクも存在する。ここからは、中国株投資の主なリスクを紹介する。これは、個別銘柄や投資信託の場合も同様だ。

・価格変動リスク
価格が変動して、元本を割り込む可能性のこと。中国株の株価指数のひとつ「上海総合指数」は、2014年2月末時点で2,000ポイント強だった指数が、2015年6月には5,000ポイント超まで急上昇し、2016年2月には3,000ポイントを割るまで急落することもあった。ボラティリティの大きさには注意が必要だ。

・信用リスク
企業の財務状況が悪化し、株価が下がったり、最悪の場合は破綻したりする可能性のこと。とりわけ中国の場合は、不良債権問題が度々報道されている。特に個別銘柄に投資する際は注意を払いたい。

・流動性リスク
売りたいときに売れない可能性、もしくは著しく不利な価格でないと売却できない可能性のこと。特に中国株の場合、後述するカントリーリスクも相まって、流動性リスクは他の先進国より相対的に高いと言えるだろう。

・為替変動リスク
日本円と外国通貨の為替レートが変動することで、損失が出る可能性のこと。具体的には「日本円高・中国人民安」に為替レートが進むと、為替差損が発生する。

・カントリーリスク
政治・経済・社会情勢の変動などによって諸制度が変更され、外国人投資家の行動制限が強化されたり、売買が不能になったりする可能性のこと。中国株の場合、中国政府(共産党)の政策方針の転換によって、さまざまな規制が実施される可能性がある。実際に中国市場のうち、上海取引所(A株)と深圳取引所(A株)には外国人投資家の保有制限が存在する。

今後、その保有制限が撤廃される方向に動くのか、強化される方向に動くかは分からない。中国企業には中国政府が大株主になっているケースも多く、米中対立が激化しているなか、政治的な影響を受けやすいことにも注意が必要だ。

中国株ETF投資はどんな人に向いている?

中国株投資、とりわけ中国株ETF投資はどのような人が向いているのだろうか。

前述の通り、中国の2021年のGDP成長率は8.4%、2022年の成長率は5.6%と予想されている。GDP成長率がそのまま株価上昇率になるわけではないが、中国の経済成長を信じ、その経済成長の果実を得たいと考えている人は、中国の株価指数に連動するETFを活用したインデックス投資がおすすめだ。

一方で、短期間で大きな利益をあげることは難しい。コロナ禍からの回復をリードする中国に、今このタイミングで「リスクを取っても大きな利益を狙いたい」と考える人は、個別銘柄やアクティブ型投資信託をおすすめしたい。

中国株ETFを資産運用に取り入れる

この記事では、初めて中国株投資にチャレンジしようと考えている人に向けて、中国の経済成長の見通し、中国株に投資する3つの方法、中国株投資のリスクなどを解説してきた。

中国は2010年に日本のGDPを抜き、世界第2位の経済大国となった。2028年に米国のGDPを抜き、世界最大の経済大国になる見通しだ。少なくともマクロ観点では、中国株が有望な投資先と言える。

中国株に投資する中でも、「中国全体の経済成長の果実を得たいが、リスクはなるべく排除したい」という人は、中国の株価指数に連動するETFに投資すると良いだろう。中国株をうまく資産運用に取り入れていこう。

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