投資を始めるとき、投資信託をまず選ぶ人も多いことでしょう。なかでも、定められた指標に則った投資・運用を行うインデックスファンドは投資初心者に人気です。このインデックスファンドですが、実際にいくらから投資を始められ、また、積立タイプの投資方法がなぜおすすめなのでしょうか。本記事ではこれから、投資を始めたい方を対象にインデックスファンドの基本、そして、インデックスファンドの購入方法と積立投資との相性のよさについて、わかりやすく解説します。

インデックスファンドの基本

金融
(画像= tuastockphoto/stock.adobe.com)

まずは、インデックスファンド(インデックス型の投資信託)の基本を整理してみましょう。インデックスファンドの特性を理解して投資することで成功確率が高まります。

インデックスファンドとは

投資信託と一口にいっても、実にさまざまな種類があります。初心者からは「種類がありすぎて、どれに投資していいか迷う」 という声もよく聞かれます。そんなとき一番わかりやすい種類は、その銘柄が「インデックスファンドか、アクティブファンドか」というものです。

インデックスファンドというのは、指数とほぼ動き同じ動きになるよう機械的に設定された投資信託です。代表的な指数に「日経平均株価(日経225)」「TOPIX(東証株価指数)」「S&P500」などがあります。

一方のアクティブファンドは、 運用のプロであるファンドマネージャーが分析や情報収集を行い、銘柄を厳選しながら運用していく投資信託です。基本的に指数を上回るリターンを目指しています。たとえば、人気銘柄の「ひふみ投信」はアクティブファンドに入ります。

インデックスファンドとアクティブファンドのメリット比較

インデックスファンドとアクティブファンドはどちらを選択するとよいのでしょうか。これについては、両者のメリット・デメリットを理解して自分に合うほうを選ぶのがよいでしょう。ちなみに、一般的に「初心者と相性がよい」といわれるのはインデックスファンドです。

・長期的に安定したリターンを目指すインデックスファンド

インデックスファンドのメリットは、長期的に安定したリターンを上げやすいことです。市場(または数多くの銘柄)の動きと連動しているため、市場そのものが成長していればインデックスファンドもリターンを上げやすいといえます。

ただし、市場が長期的に停滞すれば、インデックスファンドもパフォーマンスが悪くなります。インデックスファンドのデメリットは分散投資をしている分、短期的なミドルリターン・ハイリターンを期待しにくいことです。

・よりリターンを狙った動き方をするアクティブファンド

アクティブファンドのメリットは、指数を上回るリターンを狙えることです。しかし、インデックスファンドとアクティブファンドのリターンを比較すると、「長期的な運用成績はアクティブファンドよりもインデックスファンドが上回る」というのが通説です。もちろん、銘柄や期間設定によっては、インデックスファンドのリターンよりも、アクティブファンドのほうが上回るケースもあります。

アクティブファンドのデメリットは、運用手数料である信託報酬がインデックスファンドに比べて割高なことです。信託報酬は、運用している限り継続的にかかるコストなので要注意です。

なぜアクティブファンドの信託報酬が高いのかというと、運用するにあたって情報収集や分析などのコストがかかるからです。たとえば、ファンドマネージャーが投資先の企業の社長をヒアリングすることも多く、それだけでもコストが発生します。

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インデックスファンドの指数例

前項で比較したように初心者が投資をするにはインデックスファンドがおすすめです。仮にインデックスファンドを選択する場合、たくさんの指数があるので「どれにすればよいか困る」という引っかかりやすいポイントもあります。

スムーズに指数を選択するには、まず「国内の指数か海外(グローバル)の指数か」を決めたうえで絞り込んでいきましょう。主な国内と海外の指数を下記にまとめました。インデックスファンド選びの参考にしていただければと思います。

国内の主な指数

日本の株式市場が「これから先、堅調に伸びて成長していく」と見るのであれば、国内の指数に連動するインデックスファンドに投資をするのがおすすめです。主な指数は次の通りです。

・日経平均株価(日経225)

日経平均株価は、東証一部に上場する銘柄のなかから、日本経済新聞社が業種などのバランスを勘案して選んだ有力企業225社の平均株価と連動する指数です。日本の株式市場全体(または日本の経済)の大きな動きをつかみやすい指標といえます。

・トピックス東証株価指数

トピックスは、東証一部に上場する全銘柄の平均株価と連動する指数です。「東証株価指数」とも呼ばれます。東証一部には2,000社以上の銘柄が上場されているため、日経平均株価と比べると約10倍の銘柄数が対象になっています。そのため、日経平均株価よりも市場全体のボラティリティを反映しているという見方もあります。

・JPX日経インデックス400

JPX日経インデックス400は、東証全体のなかからいくつかのスコアをもとに絞り込んだ優良企業400社の平均株価と連動する指数です。日経平均株価とトピックスは東証一部が対象でしたが、JPX日経インデックス400は東証一部・東証二部・マザーズ・ジャスダックの銘柄を対象にしています。

海外の主な指数

「アメリカの株式市場が右肩上がりで伸びていく」と見る人は海外の指数に連動するインデックスファンドに注目してみてはいかがでしょうか。主な指数は次の通りです。

・NYダウ

NYダウは、ニューヨーク証券取引所などに上場しているアメリカを代表する30銘柄の平均株価と連動する指数です。正式名称は「ダウ工業株30種平均」です。ダウがはじまった1896年当初は工業系銘柄が主体でしたが、現在では幅広い業種が対象になっています。

・S&P500種指数

S&P500種指数は、工業系銘柄を中心に運輸系・公共系・金融系の銘柄を加えた500社の平均株価と連動する指数です。ニューヨーク市場の時価総額の約75%を占めているため、アメリカの市場全体の動向をつかむのに適しています。

・ナスダック総合指数

ナスダック総合指数は、ナスダックに上場している全銘柄の平均株価と連動する指数です。ナスダックにはハイテク系企業やIT企業が数多く上場していることから、アメリカの新興企業全体の動向をつかむのに向いています。

このほか、ヨーロッパなど他エリアの指数、先進国株式や新興国株式など、テーマを設定した注目度の高い指数(MSCIワールド・インデックスやFTSEエマージング・インデックス)などもあります。

インデックスファンドを購入する方法は?いくらから投資できる?

ここまでの内容で、長期投資にはインデックスファンドが向いていること、そして、インデックスファンドは国内・海外のさまざまな指数と連動していることがご理解いただけたと思います。ここからは、インデックスファンドを実際に購入するときに役立つ情報をお届けします。

インデックスファンドの実際の購入方法

指数は選んだものの「インデックスファンドを実際にどうやって購入すればいいの」という人もいらっしゃるでしょう。ここでは、ネット証券で購入するときを想定して解説していきます。

まず、ネット証券の総合証券口座内の「投資信託」のページにアクセスします。それぞれのネット証券でキーワード検索機能を用意していますので、たとえば「日経平均株価」と連動する銘柄を選びたい場合はこれを検索ボックスに入れます。

そして検索すると、対象のインデックスファンドが表示されます。「買付ランキング」「トータルリターン」「時価総額」などを比較して気に入った銘柄を選びましょう。

シリーズもののインデックスファンドを選ぶ方法も

もし指数を見比べても「どれを選択してよいかピンとこない」という人は、大手運用会社のシリーズ銘柄を選択するのも一案です。大手のシリーズものであれば、資産総額が大きいため安定性があることが多く、信託報酬などの運用コストもやすい傾向があります 。

シリーズ銘柄の一例としては、三菱UFJ国際投信「eMAXIS」、アセットマネジメントOne「たわらノーロード 」、ニッセイの「<購入・換金手数料なし>」などがあります。

インデックスファンドはいくらから投資できる?

投資信託の価額は「基準価額」という単位で日々示されます。これは組み入れられている(そのファンドが運用している)株式や債券などを時価評価した総資産額から信託報酬などのコストを差し引いて日々計算されます。通常、投資信託の基準価額は1万口あたりで示されています。

では、「インデックスファンドはいくらから投資できる?」ですが、たとえば金融系情報サービスのモーニングスターでは公式サイトで以下のように解説しています。

“投資信託の多くは、1万円前後から買うことができます。”
(引用:モーニングスター「投資信託講座」)

ネット証券なら100円から投資信託が買える

前述のように「投資信託は1万円前後から買える」という説明が一般的ですが、ネット証券の場合、最近ではかなり安い金額で投資信託が購入できるようになっています。

5大ネット証券に限ると、すべて投資信託が100円から購入できる設定です。たとえば、ネット証券の最大手SBI証券の場合、扱っている投資信託約2,600本のほぼすべてが100円から購入できます。他の主要ネット証券も同様です。楽天証券、松井証券、マネックス証券、 auカブコム証券などでは投資信託が100円から購入できるのが基本です。

ただし、auカブコム証券の一般型の投資信託の場合、前営業日の基準価額以上の1,000円単位が買付の最低条件になっています。一般型とは分配金を受け取れる(再投資しない)投資信託のことです。

ちなみに以前は、ネット証券でも投資信託の最低買付金額は高い設定でした。一例では、楽天証券でも、最低買付単位は1,000円(スポット購入は10,000円)の設定でした。業界の競争力が激化するなか、より気軽に投資ができる環境になったのです。

インデックスファンドは「積立投資」と好相性

インデックスファンドは、長期的な安定性があることがメリットですが、「積立投資」をすることで、さらにこのメリットを強化しやすくなります。

「ドルコスト平均法」で高値つかみを防止できる

積立投資とは、大きな金額で一括投資するのではなく、小分けにして投資をすることをいいます。とくに一定期間ごとに、一定金額で買い付けていく「ドルコスト平均法」を選択すると安定性が高まりやすいといわれます。たとえば、毎月末に決まった銘柄を1万円ずつ買い付けていくようなやり方です。

ドルコスト平均法なら投資信託の価額が下がる局面では、購入数量(買付口数)が多くなります。逆に価額が上がる局面では購入数量を減らして調整します。これにより平均購入価格が平均化され、高値つかみが回避できるメリットがあります。

「自動積立注文機能」を使えば買い忘れがない

つみたて投信の弱点は、決まった頻度で決まった金額を買い付けていくのが面倒なことです。特に仕事をしているビジネスパーソンは、他のタスクに紛れて忘れてしまいやすいでしょう。

これを解消してくれるのが、設定した金額分の投資信託を決まった積立日に買い付けてくれる「自動積立注文」機能です。1回100円~設定できます。設定方法は簡単で、「1.銘柄選択 2.引き落とし方法選択 3.積立指定日(毎月10日など)4.積立金額(100円など)」を設定するだけです。

インデックスファンドは、つみたてNISA、iDeCoとの相性もよい

インデックスファンドによる投資方法は、ローリターンをコツコツと積み上げて将来のまとまったリターンを目指すのが基本です。そのため、信託報酬を意識するなどリターンを最大化する意識が大切になります。その意味では、インデックスファンドで投資をするなら「つみたてNISA」や「iDeCo(イデコ)」を活用するのが望ましいでしょう。

「つみたてNISA」では毎年40万円まで投資が可能で、発生した利益が非課税になります(最長20年間)。投資信託の運用で得た利益には通常約20%の税金がかかりますが、それが非課税になるのはメリットが大きいです。

iDeCoとは、自身が拠出した掛金を自身で運用する私的年金制度です。さまざまな運用商品がありますが、そのなかの1つが投資信託です。拠出した掛金は課税所得額から全額差し引かれるため、こちらも節税メリットがあります。

まとめ:複数のインデックスファンドで自動積立していく方法も

ここでは、インデックスファンドの仕組み、インデックスファンドと相性のよい積立投資などをテーマに解説してきました。

最後に補足ですが、後半に解説したインデックスファンドの自動積立は、必ずしも1銘柄に絞り込む必要はありません。たとえば、国内・海外、新興企業・市場全体などの指数に連動する複数のインデックスファンドを自動積立していく方法もあります。これにより、分散投資効果が高まると考えられます。100円から購入可能な投資信託のなかでもインデックスファンドでリスクヘッジをしながら着実に私的年金づくりを進めましょう。

文・本間 貴志
ビジネス書に特化した編集会社のサラリーマン・ライターを経て、資産運用や税務の分野を専門とするライターとして活動。自身で賃貸物件の経営や、年間で億単位の株式売買も行っている

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