子どもの大学進学や将来のための資産形成に、ジュニアNISAを活用する人は少なくありません。ジュニアNISA は2023年に終了の予定ですが、今からでも活用するメリットはあるのでしょうか。ジュニアNISAの特徴を、ネット証券2社のジュニアNISA口座比較とあわせて紹介します。

目次

  1. ジュニアNISAにおいて、SBI証券と楽天証券はどう違うの?
  2. 2023年に廃止が決定したジュニアNISA。扱いやすくなって大注目
  3. 「一般NISA」「つみたてNISA」とジュニアNISAの比較
  4. 楽天証券でジュニアNISAを始めるには
  5. SBI証券でジュニアNISAを始めるには
  6. まとめ:世帯で見れば、無視できない非課税枠。制度廃止までに口座開設の価値は十分あり

ジュニアNISAにおいて、SBI証券と楽天証券はどう違うの?

金融
(画像=Uladzislau/stock.adobe.com)

SBI証券と楽天証券はネット証券では1、2を争う人気の証券会社ですが、ジュニアNISA制度の取り扱いについては、どのような違いがあるのでしょうか?

手数料の違い

両証券会社ともに、ジュニアNISA口座における国内株式及び投資信託にかかる売買手数料に関しては、原則無料となっています。SBI証券の外国株式取引は通常時の委託手数料がかかります(海外ETF取引は除く)。

ポイント付与などのサービスの違い

SBI証券はTポイント、楽天証券は楽天ポイントとそれぞれポイントプログラムがあり、国内株式や投資信託の購入によりポイントが貯まります。ただ、両証券会社ともに、ジュニアNISAではポイントを使った買い付けはできません。

取扱商品はSBI証券の方が多い

両証券会社ともに投資信託においては2,500本以上(2020年10月7日現在)と豊富な取扱商品を揃えています。IPO取扱銘柄数(2019年度投資可能枠分)は、SBI証券は84社楽天証券は26社となっています。外国株式はSBI証券のみ取り扱っており、楽天証券では取り扱いがありません。

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これらのことから、通常の国内株式投資においては、楽天証券、SBI証券ともに大きな違いはないでしょう。IPO投資や外国株式への投資を行いたいなら、SBI証券に分がありそうです。ポイント付与のサービスにおいては、それぞれに違いがあり、好みが分かれるでしょう。次からご説明するように、ジュニアNISAは、親権者の口座との連携が必要ですので、親が開設している証券会社を選ぶのも、手間を考えるとポイントとなるかもしれません。

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2023年に廃止が決定したジュニアNISA。扱いやすくなって大注目

2016年1月からスタートしたジュニアNISAは、2020年の制度改正により2023年12月末の廃止が決定しました。制度改正のなかで、払出しの年齢制限がなくなることも決まっています。

制度の概要(出典:金融庁)

利用できる方 日本にお住いの0歳~19歳の方(口座を開設する年の1月1日現在)
非課税対象 株式・投資信託等への投資から得られる配当金・分配金や譲渡金
口座開設可能数 1人1口座
非課税投資枠 新規投資額で毎年80万円が上限(*1)
非課税期間 最長5年間(*2)
投資可能期間 2016年~2023年(*3)
運用管理者 口座開設者本人(未成年)の二等親以内の親族(両親・祖父母等)(*4)
払出し 18歳まで払出し制限あり(*5)

※1 非課税投資枠は未使用分があっても翌年以降への繰り越しはできません。
※2 非課税期間終了後、新たな非課税投資枠への移管(ロールオーバー)による継続保有が可能。ロールオーバーとは、NISA口座で保有している金融商品を、翌年の非課税投資枠に移管することを指します。
※3 2023年12月末で制度廃止が決定していますが、一定の金額までは20歳になるまで非課税で保有できます。
※4 金融機関により異なる場合があり、口座開設の際に金融機関に確認が必要です。
※5 原則として18歳までは払い出しができません。ただし、災害等やむを得ない事情がある場合には、非課税での払い出しが可能です。

ただし、制度改正により※5の払出し規制が解除され、2024年1月以降は18歳未満でも制限なしで払出しが可能となりました。これにより大学以降の資金だけではなく、さまざまな年代に向けての資産形成がしやすくなりました。払出しの必要がない場合は、子どもが20歳まで非課税での運用も可能です。

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「一般NISA」「つみたてNISA」とジュニアNISAの比較

ジュニアNISAとその他のNISAでは、どのように違うのでしょうか。以下でまとめてみましたので、確認していきましょう。

▽「一般NISA」「つみたてNISA」「ジュニアNISA」の特徴比較

つみたてNISA 一般NISA ジュニアNISA
1 利用可能年齢 20歳以上で日本に居住 20歳以上で日本に居住 0歳~19歳で日本に居住
2 非課税期間 20年 5年 5年
3 制度終了年 2037年まで 2023年まで 2023年まで
4 年間投資可能額 40万円 120万円 80万円
5 投資上限金額 800万円 600万円 400万円
6 投資可能商品等 金融庁が厳選した、投資信託・ETF 株式、投資信託、リート、ETFなど 株式、投資信託、リート、ETFなど
7 買い付け方法 つみたて投資のみ 一括買い付け及び積立 一括買い付け及び積立
8 購入手数料等 信託報酬は低く抑えられており、購入手数料は無料 信託報酬は通常どおりで、購入手数料は金融機関ごとに異なる 信託報酬は通常どおりで、購入手数料は金融機関ごとに異なる
9 口座からの引き出し 常時引き出し可能 常時引き出し可能 原則18歳以降
10 保有できる口座の数 つみたてNISA口座OR一般NISA口座のどちらか1口座のみ つみたてNISA口座OR一般NISA口座のどちらか1口座のみ 1人1口座のみ
11 運用益等の課税関係 非課税 非課税 非課税(18歳未満で引き出す場合は課税)

特にポイントとなるのは以下の4点です。

1.利用可能年齢

ジュニアNISAでは、口座名義は未成年の子や孫になりますが、実際の運用管理などは2親等以内の親権者が行うことになります。

3.制度終了年

2020年の改正により、つみたてNISAが2042年まで、一般NISAが2028年と、ともに5年間延長されています。

9.口座からの引き出し

ジュニアNISAは、もともと18歳までは引出し制限がありましたが、2020年の制度改正により、2024年1月以降は18歳未満での引き出しも可能となっています。

11 .運用益等の課税関係

ジュニアNISAにおける18歳未満での引き出しも、制度改正により2024年1月以降は非課税で引き出すことが可能となっています。

以下は、ジュニアNISAと比較した場合の、一般NISAとつみたてNISAのメリットとデメリットです。

▽一般NISAのメリット・デメリット

メリット デメリット
・投資上限金額が200万円大きい 損益通算できない
・常時引き出し可能

▽つみたてNISAのメリット・デメリット

メリット デメリット
・投資上限金額が400万円大きい ・投資可能商品が限定されている
・長期積立分散効果を得ることができる

楽天証券でジュニアNISAを始めるには

ここからは実際のジュニアNISA口座開設手順を、楽天証券とSBI証券を例に紹介します。まずは楽天証券の開設手順です。

口座の開設

ジュニアNISAを始めるには、親権者の総合取引口座と子どもの未成年口座、ジュニアNISA口座の3つが必要です。そのためにはまず、親権者の総合取引口座を開設する必要があります。3つとも楽天証券のジュニアNISA口座開設のページから手続きができます。

(1)未成年口座を持っていない場合
未成年口座とジュニアNISA口座の同時申込みができます。必要な書類は下記の通りです。

・必要書類1:未成年総合取引口座開設届出書

申込み後、楽天証券から送付されます。

・必要書類2:未成年者のマイナンバー通知届出書

下記のいずれかの書類の添付が必要です。

通知カードのコピー
個人番号カードのコピー
マイナンバーの記載がある住民票の写し

・必要書類3:登録親権者(親・後見人)の本人確認書類

登録親権者とは、楽天証券に総合取引口座を開設している親権者です。本人確認書類はコピー可で、以下のAもしくはBを用意する必要があります。

A 次のいずれか1点
・運転免許証
・旅券(パスポート)
・特別永住者証明書
・在留カード
・住民基本台帳カード
・個人番号カード
B 次のいずれか2点
・各種健康保険証
・住民票の写し
・印鑑登録証明書
・在留カード
・住民基本台帳カード
・個人番号カード

・必要書類4:登録親権者と未成年者の続柄が確認できる書類

登録親権者と未成年者の続柄を確認する書類は、子どもが同居しているかどうかで、書類が変わります。

以下を確認し、適切な書類を用意しましょう。

登録親権者とお子様が同居
家族全員が記載された住民票の写し(コピー可) ⇒親子の続柄が記載されていること
登録親権者とお子様が同居以外
戸籍謄本、または戸籍全部事項証明書(コピー可) ⇒親子関係が確認できること

・必要書類5:未成年者(子ども)の本人確認書類

登録親権者と子どもが同居していない場合は、下記のいずれか1点を用意する必要があります。

・各種健康保険証 ・在留カード ・印鑑登録証明書
・運転免許証 ・住民基本台帳カード ・旅券(パスポート)
・特別永住者証明書 ・住民票の写し ・個人番号カード

(2)未成年口座をすでに開設している場合

必要な書類は下記の通りです。

・口座開設に必要な書類1:ジュニアNISA口座開設届出書

申込み後、楽天証券から送付されます。

・口座開設に必要な書類2:未成年者(子ども)の本人確認書類

下記のいずれか1点を用意します。

・各種健康保険証 ・在留カード ・印鑑登録証明書
・運転免許証 ・住民基本台帳カード ・旅券(パスポート)
・特別永住者証明書 ・住民票の写し ・個人番号カード

・口座開設に必要な書類3:未成年者のマイナンバー通知届出書(マイナンバーが未登録の場合)

未成年口座にマイナンバーが未登録の場合は、下記のいずれかの書類の添付が必要です。

通知カードのコピー
個人番号カードのコピー
マイナンバーの記載がある住民票の写し

・口座開設に必要な書類4:登録親権者(親・後見人)の本人確認書類(AもしくはB)

登録親権者とは、楽天証券に総合取引口座を開設している親権者です。本人確認書類はコピー可で、以下のAもしくはBを用意する必要があります。

A 次のいずれか1点
・運転免許証
・旅券(パスポート)
・特別永住者証明書
・在留カード
・住民基本台帳カード
・個人番号カード
B 次のいずれか2点
・各種健康保険証
・住民票の写し
・印鑑登録証明書

・口座開設に必要な書類5:登録親権者と未成年者の続柄が確認できる書類

登録親権者と未成年者の続柄を確認する書類は、子どもが同居しているかどうかで、書類が変わります。

以下を確認し、適切な書類を用意しましょう。

登録親権者とお子様が同居
家族全員が記載された住民票の写し(コピー可) ⇒親子の続柄が記載されていること
登録親権者とお子様が同居以外
戸籍謄本、または戸籍全部事項証明書(コピー可) ⇒親子関係が確認できること

郵送でのやり取りもあり、手続完了までにはある程度の時間がかかることに注意が必要です。

未成年口座・ジュニアNISA口座における楽天ポイントの取り扱い

楽天証券口座と楽天銀行口座を連携させることで、楽天ポイント付与や預金金利の優遇、自動入出金などのサービスが受けられる「マネーブリッジ」は、未成年口座は適用外となっており、注意が必要です。楽天証券の未成年口座で利用できるプログラムは「投資信託資産形成ポイント」のみであり、獲得ポイントで投資信託を購入する場合は、未成年口座での課税対象取引となります。ちなみにジュニアNISA口座では楽天ポイントは使えません。

SBI証券でジュニアNISAを始めるには

次にSBI証券でジュニアNISA口座を開設し、非課税投資を開始する手順を紹介します。

口座の開設

楽天証券と同じく、ジュニアNISA口座だけでなく親権者の総合取引口座と未成年口座が必要で、ジュニアNISAのサイトから開設手続ができます。

(1)未成年口座を持っていない場合

必要な書類(親権者二人と子どもが同一世帯の場合)は下記の通りです。

必要書類1:証券総合サービス申込書兼NISA(ジュニアNISA)申請書

口座開設申し込み後、SBI証券から送付されます。

必要書類2:未成年口座開設及び取引に関する同意書(申込書)

口座開設申し込み後、SBI証券から送付されます。

必要書類3:登録親権者(親・後見人)の本人確認書類のコピー

登録親権者とは、SBI証券に総合取引口座を開設している親権者です。以下から2点の書類を用意する必要があります。

次の書類から2点
・運転免許証 ・各種年金手帳
・住民票の写し(コピー不可) ・個人番号カード
・特別永住者証明書 ・各種健康保険証
・在留カード ・印鑑登録証明書(コピー不可)

必要書類4:未成年者に関する書類

未成年口座を開設する子どものマイナンバー通知届出書と本人確認書類です。

マイナンバー記載の住民票の写しの場合
住民票の写し + 健康保険証(コピー可)
マイナンバーカードの場合
住民票の写し(マイナンバーの記載なし) + マイナンバーカード(コピー可)
マイナンバーカードを持っていない場合
住民票の写し(マイナンバーの記載なし) + 必要書類3から1点 + 通知カード(コピー可)

(2)未成年口座を持っている場合

必要な書類は下記の通りです。

・口座開設に必要な書類1:ジュニアNISA申請書

口座開設申し込み後、SBI証券から送付されます。

・口座開設に必要な書類2:未成年者(子ども)の本人確認書類

下記のいずれか1点が必要(コピー可)です。

・各種健康保険証 ・在留カード特別永住者証明書 ・印鑑登録証明書
・運転免許証 ・住民基本台帳カード ・旅券(パスポート)
・各種年金手帳 ・住民票の写し ・個人番号カード

・口座開設に必要な書類3:未成年者のマイナンバー通知届出書

▽通知カードの場合:以下の2通りのうちどちらかを準備します。

1. 通知カードと顔写真付きでない本人確認書類を2点同封

例)「健康保険証」+「住民票(続柄の記載があるもの)※同一世帯の場合

2. 通知カードと顔写真付きの本人確認書類を1点同封

▽個人番号カードの場合: 個人番号カードの裏表コピーが必要です。

ジュニアNISA口座におけるSBI証券Tポイントの取り扱い

SBI証券では、Tポイントと連携しており、ポイントを貯めることや使うことができます。ただし、ジュニアNISA口座における買い付けは対象外になっています。

まとめ:世帯で見れば、無視できない非課税枠。制度廃止までに口座開設の価値は十分あり

ジュニアNISAは、0歳~19歳の子どもに将来資金を用意するための制度ですが、出資から管理運用までを親権者が行うので、実質的には世帯での非課税運用枠が広がることを意味します。子ども2人の世帯では、400万円×2人=800万円の非課税運用枠が得られることになります。

投資信託での平均的な運用利回りは年3~4%ですが、対して投資収益への所得税率は約20%です。1人400万円の非課税運用枠は、決して小さなものではありません。払出しの制限撤廃による利便性も考えれば、2023年までの投資でも有効活用できる余地は大いにありそうです。口座開設は制度が続けられる2023年までです。口座開設には上述の通り、手間と時間がかかりますので、興味のある方は早めの準備をしていきましょう。

さて、証券口座を開設する際、楽天証券、SBI証券のどちらを選べばいいのか、まとめてみましょう。

楽天証券は、楽天ポイントサービスを利用することができます。楽天ショッピングなどを頻繁に利用するなら、楽天証券を選ぶ価値は十分ありそうです。一方のSBI証券は、Tポイントに対応しています。しかし、ジュニアNISAについては、楽天証券・SBI証券ともにポイントを貯めることはできるものの、買付では使用することができません。

一方、国内株式・投資信託において、ジュニアNISA取扱商品は両者遜色ないようですが、SBI証券はジュニアNISAでもIPO株や外国株式を取り扱っていますので、取扱商品の豊富さで選ぶならSBI証券となるでしょう。

ジュニアNISAは基本的に親権者の監督下で運用されるので、最終的には親の口座開設と関連して、口座開設を決めることになりそうです。

文・内宮 慶之
ファイナンシャルプランナー。大阪市天王寺区でFP事務所を開業しており、講師業・相談業・執筆業を主としている。会計事務所に長く在籍していたこともあり、法人と個人のバランスを考慮したコンサルティングを得意とする。相続についての相談実績も多数。趣味は山登りで、自然のなかにいることが何よりの癒し

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