ジュニアNISAとは、未成年を対象としたNISAのことです。非課税で投資をしながら教育資金づくりに役立つお得な制度ですが、意外と知られていないデメリットがいくつかあります。メリット・デメリットを押さえながら、どんな人がジュニアNISAに向いているのかみていきましょう。

この記事の結論

ジュニアNISAは未成年限定の少額投資非課税制度

ジュニアNISAは、子供が自分のおこづかいやバイト代で自由に投資をするものではありません。親などの親権者が子供に贈与した資金で運用することを想定しており、あくまでも教育資金の形成が目的です。子供自身が投資をする場合は、取引ごとに親の承認が必要です。

取引できる金融商品は、国内外株式や投資信託、国内外ETF・REIT、ワラント債などで、比較的リスクの高い商品も入っています。これらの商品をジュニアNISAで保有すれば、配当金や売却益に対する税金が5年間非課税になります。

ジュニアNISAの5つのデメリット

税金が優遇される制度にもかかわらず、ジュニアNISAの口座数はNISA全体の2.3%ほどしかありません。いまいち振るわない理由として、以下のようなデメリットが考えられます。

子供が18歳になる前に引き出すと課税対象になる

ジュニアNISAの口座に入っているお金は、子供が18歳(3月末時点で18歳となる年の前年の年末)になるまで引き出せません。通常どおり進学すれば、高校3年生の12月までです。

これより前に払い出しをしてしまうと、過去にさかのぼって利益に課税されてしまいます。災害など特別な理由がない限り、非課税のまま払い出しはできません。ジュニアNISAを始める前には、18年間お金を引き出せなくても生活に支障がないことを確認する必要があります。

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金融機関の変更ができない

ジュニアNISAは一般NISAと違い、金融機関の変更ができません。その分、利便性は低いと言えます。一般NISAでは1年に1回なら変更できますが、<ジュニアNISAの金融機関を変更するためには、口座を廃止して変更先の金融機関で新規で口座開設する必要があります。その場合、18歳未満で途中引き出しすると課税対象になります。

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元本割れのリスクがある

ジュニアNISAは、海外株式やワラント債などリスクの高い商品も対象になっています。「ちょっと目減り」では済まない損失もあり得るということです。教育資金を貯めるという目的は同じですが、定期預金や学資保険などとはまったく違うものであることを覚えておきましょう。

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損益通算ができない

ジュニアNISAの口座で発生した利益や損失は損益通算することができません。基本的に投資によって損失が発生した場合、損益通算によって他の利益に対して支払う税金を減らすことができます。

ところが、ジュニアNISA口座で発生した損益はそもそも非課税のため、損益通算の対象外なのです。損失が発生したら損益通算したいという方には、デメリットに感じられるでしょう。

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手続きに時間がかかる

ジュニアNISAを始めるには、「親権者の証券総合口座」と「対象となる未成年者の未成年口座」の両方が必要です。また、金融機関によっては「未成年向け特定口座」の開設も求められます。どの金融機関に申し込むか、既に口座を持っているか否かで手続きにかかる時間は変わりますが、1~2ヵ月程度を見込んでおくべきでしょう。

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ジュニアNISAが非課税で投資できること以外の2つのメリット

ジュニアNISAのデメリットは多く見えますが、非課税であること以外にもメリットはあります。

強制的に貯蓄しながら運用できる

子供が大学に入学するまで強制的に貯蓄できるのが学資保険ですが、学資保険はあらかじめ決められた返戻金が戻るだけで、自身で運用することはできません。NISAの利点は運用益が非課税になることなので、できればリターンを得て効果を最大化したいところです。ただし、元本割れのリスクもあることは前述の通りです。

一般NISAでも非課税で運用できますが、いつでも引き出せる点がジュニアNISAとは異なります。目的のある資金を他に流用しないという自信がない場合は、ある程度の強制力がある制度のほうが向いているでしょう。

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非課税枠を広げられる

すでにNISAやiDeCoを活用していて、非課税枠がもっと欲しい場合は、ジュニアNISAでその枠を広げることができます。両親で一般NISAを保有していれば、非課税投資枠は合計240万円です。例えば子供が2人いる場合、ジュニアNISA1口座あたり80万円の枠があるので、家族で年間400万円を課税されることなく運用することができます。

ジュニアNISAはおすすめしない?

以上のようなデメリットがあるため「ジュニアNISAはおすすめしない」と言われている可能性があります。しかし、以下のような方にとってはジュニアNISAは向いていると言えます。

・ジュニアNISAで強制的に貯蓄をしても生活に問題がない
・長期的な運用を考えている
・子どもに金融教育を施したい
・非課税効果を家族で最大限活用したい

長期間動かせなくても問題がない資金を持つためには、安定した十分な収入が必要です。また、ジュニアNISAは口座開設の手間がかかり、投資対象も広範囲にわたります。子どもに金融教育を施したい場合は、親自身もある程度の投資知識を持っていた方が望ましいと言えますので、初心者の方は子どもと一緒に学ぶ姿勢が大切になってくるでしょう。

NISAは、利益を出してこそメリットが大きい制度です。非課税枠は限られていますが、ジュニアNISAと一般NISAを併用することで家族全体の枠を増やせます。デメリットを把握したうえで、ジュニアNISAをうまく活用しましょう。

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積立NISAとジュニアNISAどちらをするべき?

つみたてNISAとジュニアNISAどちらを始めれば良いかわからない人も多いでしょう。結論としては、どちらも始めるのがよいと言えます。 つみたてNISAは、少額からでも長期的な視野で投資することを支援する非課税制度です。長期間の積み立てによって投資のリスクを抑えながら資金を貯めていくことが可能です。

積立NISAの特徴
  1. 最大20年まで運用益が非課税
  2. 金融庁が認めた「投資信託」のみ投資できる
  3. 定期的に投資する積立方式
  4. 積立NISAに対応している金融機関で始められる

最大のメリットは最大20年まで投資によって得た運用益が非課税になることです。通常は、投資によって利益が出ると発生する20%程度の税金がかかりますが、つみたてNISAの場合は税金がかかりません。

投資できる対象商品は金融庁が「長期・積立・分散投資」に適していると認められた投資信託に限られている上に、積立投資によって定額購入法(ドル・コスト平均法)を自然に実践できるため、初心者でも始めるタイミングを過度に悩む必要がありません。

【定額購入法(ドル・コスト平均法)】

値上がり・値下がりする株式や投資信託の購入単価を下げるために定期的に一定金額ずつ買い付ける方法。購入時期を分散することで価格変動リスクを低減させる効果がある。定期的に一定額を投資すると、株価が安いときは多く、株価が高いときは少ない株数を購入することになり、結果として1株当たりの購入価格は平均化されます。

引用:日本証券業協会定「定額購入法(ドル・コスト平均法)

積立NISA(つみたてNISA)に対応している金融機関であればどこでも口座を開設して始めることができます。おすすめの金融機関、は投資できる商品が豊富に用意されているネット証券大手のSBI証券や楽天証券です。

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