富裕層が選ぶハイブリッド証券(劣後債)発行会社TOP5【前編】
(画像=ZUU online)

ハイブリッド証券(以下:劣後債)をご存知だろうか。証券会社やプライベートバンクと取引がある人は、聞いたことや実際に投資したことがあるかもしれない。現在の超低金利下でも高い利回りを得ることができるため、富裕層がインカムゲイン(定期収入)を得る手段として活用している債券の一種である。

今回は、日本を始め米国やスイスのプライベートバンクに11年間在籍し、現在は富裕層の資産形成サービスを手掛けている株式会社ウェルス・パートナー代表の世古口俊介氏に、「2021年上半期で富裕層に人気だった劣後債を発行している会社TOP5」を紹介してもらった。長くプライベートバンクで劣後債を扱ってきた経験を踏まえて解説してもらおう。(聞き手:菅野陽平)

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世古口俊介
世古口俊介(せこぐち・しゅんすけ)
2005年4月に日興コーディアル証券(現・SMBC日興証券)に新卒で入社し、プライベート・バンキング本部にて富裕層向けの証券営業に従事。その後、三菱UFJメリルリンチPB証券(現・三菱UFJモルガンスタンレーPB証券)を経て2009年8月、クレディ・スイス銀行(クレディ・スイス証券)のプライベートバンキング本部の立ち上げに参画し、同社の成長に貢献。同社同部門のプライベートバンカーとして、最年少でヴァイス・プレジデントに昇格、2016年5月に退職。2016年10月に株式会社ウェルス・パートナーを設立し、代表に就任。2017年8月に内藤忍氏と共同で資産デザインソリューションズを設立し、代表に就任。500人以上の富裕層のコンサルティングを行い1人での最高預かり残高は400億円。書籍出版や日経新聞、東洋経済、ZUUなどメディアへの寄稿を通じて日本人の資産形成に貢献。

※本稿の内容は株式会社ウェルス・パートナーの見解であり、ZUU onlineの見解ではありません。また、個別の金融商品を推奨しているわけではありません。

劣後債とは何か?

まずは劣後債について簡単に説明しよう。劣後債とは社債(会社が発行する債券)の一種で、会社が倒産したときに残余財産が返ってくる順番が、普通の社債の保有者よりも後になる代わりに、普通の社債よりも高い利回りを得ることができるという債券である。

富裕層が選ぶハイブリッド証券(劣後債)発行会社TOP5【前編】
(画像=株式会社ウェルス・パートナー)

「どれくらい普通の社債より利回りが高いか」については、債券を発行している会社の状況や金利の環境によるので一概には言えないが、1〜2%程度高いケースが多い。そう聞くと、あまり高金利ではないように感じるかもしれない。

しかし現在は、昔のように世の中の金利が5%ある時代ではなく0〜1%の時代である。ここまで低金利の世界だと、1〜2%の上乗せ金利を得ることができる劣後債に、富裕層や機関投資家が殺到する状況を理解できるだろう。

それでは、世古口氏が考える「富裕層に人気の劣後債発行会社TOP5(2021年上半期)」を第5位から発表していこう。