株式投資をする人であればSBI証券を知らない人はいないだろう。しかしSBI証券の会社概要や特徴、利用することで得られるメリットやデメリットなど細かく知っている人は少ないかもしれない。本記事では、SBI証券に関する基本的な情報をお伝えする。

SBI証券とは?

SBI証券,特徴
(画像=PIXTA)

SBI証券の歴史は、1944年3月に大沢証券株式会社が設立されたことに遡る。大沢証券は、1949年4月に東京証券取引所正会員権を取得し、以後中堅証券会社としてのポジションを固めてきていた。1998年には5つの支店と65名の従業員を有していたが、1997年度までの7年間連続で赤字を計上するなど、バブルの終えんとともに厳しい経営を余儀なくされていた。

1998年10月に米国法人E Trade Group, Inc.とソフトバンク株式会社が出資するイー・トレード株式会社が大沢証券を買収し100%子会社化。その翌年1999年4月に大沢証券からイー・トレード証券株式会社へ商号変更された。イー・トレード証券は、同年10月からインターネット取引サービスを開始している。これにより、現在に続くネット証券会社としての歴史が始まった。

イー・トレード証券は2004年12月にJASDAQへ上場。2005年にSBI証券株式会社と業務提携を開始し、2006年7月にはSBIイー・トレード証券株式会社へ商号変更している。さらに2007年10月にSBI証券株式会社と合併し、2008年7月にSBIイー・トレード証券から株式会社SBI証券へ商号変更。なおSBI証券のSBIとは、SoftBank Investmentの略語である。

SBI証券は、2021年3月22日時点で証券総合口座数600万口座を突破。日本最大のネット証券として君臨している。

SBI証券が顧客に選ばれる5つの理由

紆余曲折を経て現在に至るSBI証券。しかしSBI証券が顧客に選ばれている要因はなんだろうか。ここでは5つの理由を解説していく。

手数料が安い

SBI証券は、手数料の安さを追求している。SBI証券によると国内株式(スタンダードプランおよびアクティブプラン)でも海外株式でも、いずれも手数料は「主要ネット証券最安」とのこと。米国ETFや、NISA・ジュニアNISAの米国・中国・韓国ETFの買付手数料がいずれも無料となっている。さらに株式投資信託の申し込み手数料・外貨建MMFや円貨建債券・外貨建債券、FX取引手数料が全て無料だ。

ラインナップが豊富

SBI証券は、国内株式や株主優待、投資信託、IPO、米国株など豊富な商品ラインナップを有している。主要ネット証券会社の中でも以下のような内容でトップに君臨しているのだ。

・IPO銘柄数(2021年3月期)
・外国株取扱国数(2020年5月18日時点)
・NISAやiDeCoの加入者数(2020年12月時点)

特にIPO銘柄に強いのが特徴で、2021年3月通期の全新規上場会社のうち、約93%の銘柄を取り扱っている。

Tポイントが貯まる・使える

SBI証券では、株式の取引手数料や投資信託の保有残高などに応じてT ポイントが付与される。たまったTポイントを使って投資信託を買い付けることも可能だ。

スマートフォンアプリ

SBI証券は、「SBI証券株アプリ」「かんたん積立アプリ」の2つのスマートフォンアプリが利用可能で、スマホユーザーが簡単に株式投資や投資信託投資できる環境を整えている。SBI証券株アプリでは、プッシュ通知機能やランキング機能、株主優待検索など初心者にもうれしい機能が標準装備されている。

充実した無料マーケット情報

充実した無料マーケット情報もSBI証券の優れた特徴だ。専属のアナリストや外部のアナリストによる投資に役立つレポートを数多く連載しているほか、リアルタイム株価やチャート、株主優待検索、四季報情報など豊富な投資情報が無料で簡単にチェック可能。また各種のオンラインセミナーや会場セミナーなども随時開催され、投資家へ情報を提供している。

SBI証券を利用するメリット・デメリットとは?

では、SBI証券を利用するメリット・デメリットは何だろうか。

SBI証券を利用するメリット

まずメリットだが、上述した「顧客に選ばれる5つの理由」をそのまま享受できることがメリットだろう。

・手数料が安い(ネット業界最安)
・ラインナップが豊富
・Tポイントが貯まる・使える
・各種のスマートフォンアプリが使える
・充実した無料マーケット情報が入手できる

手数料が安い点は、特に比較的短期で売買を行う投資家には極めて大きなメリットだろう。

また各商品の銘柄数がどれも豊富であることも大きい。例えばSBI証券が取り扱っている米国株銘柄数は4200銘柄(2021年6月22日時点)と日本最大クラスである。またSBI証券のつみたてNISAでは、購入可能な投資信託本数が175本(2021年8月20日現在)と、こちらも楽天証券と1位2位を争う数だ。外国株投資やつみたてNISAなどで投資する際は、とりわけメリットを享受できるだろう。さらにIPO投資も取扱件数が多いため、必ず利用したい証券会社の一つとなっている。

SBI証券を利用するデメリット

では、SBI証券を利用するデメリットは何だろうか。特にSBI証券を利用するデメリットは思い浮かばないが、あえて1点挙げるとすれば楽天系列のサービスや取引を多く行っている人にとっては、楽天ポイントがたまらない点だろう。楽天証券であれば楽天銀行の口座を開設して楽天証券の出入金口座として連携すると、取引件数や金額によってポイントが付与されるからだ。

また楽天証券では50万円以上の投資信託を行っていると投資額に応じたポイントが毎月付与される。SBI証券を利用している限りそうしたポイントは獲得できない。

SBI証券を利用している方の口コミや評判

では、実際にSBI証券を利用している方の口コミや評判はどうなっているだろうか。SBI証券のユーザーの声には以下のようなものがあった。

・Aさん
楽天証券、auカブコム証券とは取引ツールの点で見劣りするものの、今後一層売買手数料引き下げを実施していく姿勢には非常に好感が持てるため個人的には大いに頑張ってもらいたいと思います。また、歩み値情報が取得できる等情報量は抜きんでているところがあるため、今後に期待です。

・Bさん
SBI証券で取り扱っている投資信託がおすすめされていたため、今回口座開設をしました。
口座開設等にまだ慣れておらず、申し込み時にエラーがあったためメールで問い合わせしたところ、割と早く返信をいただけました。もう1往復やりとりをして、次の日にはトラブルの原因は解消されました(原因は自分でした)。こういったやりとりを早くやってもらえるのは、私のような初心者にはとても助かります。まだ始めたばかりですが、着実に積み立てができることを期待しています。

・Cさん
NISA口座として作りました。取り扱っている商品も豊富です。アプリも画面が黒っぽいので目が疲れにくいです。情報も沢山見ることができます。他の証券会社を利用していないので比較してませんが、特に不便を感じていないのでずっと一番人気というのも納得がいきます。

・Dさん
なんといっても手数料が安価で機能がシンプルで分かりやすいので、これから始めたいと思っている初心者さんにはピッタリだと思います。海外の株式や投資信託の種類も多く、自分にぴったりのものを見つけることが出来るのもいい所です。
出典:価格.com

「手数料が安い」「サポートがいい」「商品が豊富」「情報が豊富」などユーザーの評価は軒並みいいようだ。

SBI証券はどんな方におすすめ?

SBI証券を特におすすめするのは、株式などを短期で売買するタイプの投資家だ。SBI証券の取引手数料は「主要ネット証券最安」であり、特に「アクティブプラン」であれば1日の約定代金100万円まで手数料無料である。また外国株式でも米国株式や米国ETFなどの手数料が無料だ。ユーザーの口コミでも米国ETFの手数料無料を評価する声が多く見受けられた。

さらにつみたてNISAを始める人にもSBI証券はおすすめだ。つみたてNISAで購入可能な投資信託を175本(2021年8月20日時点)もそろえており、投資家に多くの選択肢を提供している。各種のアクティブファンドなどもあるため、ハイリターンを狙う投資家にはうってつけだ。

SBI証券で口座を開設する流れ

そんなSBI証券で口座開設したい場合、手続きそのものはシンプルだ。まずは、SBI証券のウェブサイトから口座開設の申し込みページへ行き、メールアドレスを入力する。メールアドレスに認証コードが送られてくるので認証コードを入力。その後、氏名や住所などの情報を入力し、規約を確認した後に口座開設方法を選択する。「ネットで口座開設」と「郵送で口座開設」の2つから選ぶことが可能だ。

「ネットで口座開設」を選択するとユーザーネームとパスワードが発行される。口座開設状況画面からログインし本人確認書類とマイナンバーカードを提出。本人確認書類とマイナンバーカードをスマートフォンで撮影して提出すると最短翌営業日から取引が開始できる。

口座が開設されたらログインして初期設定を行い画面の指示に従って取引するだけだ。

SBI証券を活用して資産運用を始めよう

以上、メリットやデメリットを含めたSBI証券に関する基本的な情報をお伝えした。ネット証券会社として20年以上の歴史を持つSBI証券は、これまで紆余曲折を経ながら変化や進化を繰り返し2021年3月22日には600万口座を突破するなど、日本最大規模の証券会社に成長した。SBI証券は、今後もさらに変化と進化を続け、投資家により多くのメリットをもたらしてくれるだろう。

2021年3月22日のプレスリリースでは、以下のように表明している。

今後も「顧客中心主義」の経営理念のもと、インターネット取引のサービス拡充や各取引ツールのUI/UXの改善などを図り、個人投資家の皆さまの資産形成を支援していきます。 出典:SBI証券

SBI証券は、特に長期にわたって投資を行う個人投資家にとってふさわしいパートナーになりうる。さらに投資の経験が浅かったり投資経験がなかったりする若い世代の投資家にとっても、SBI証券は頼りになる存在だ。SBI証券という投資パートナーを上手に活用して、確実で実り豊かな資産運用を行っていただきたい。