2014年10月3日に東京ガス <9531> 、三井不動産 <8801> 、三菱地所<8802> による『(仮称)TGMM芝浦プロジェクト』(『田町駅東口北地区地区計画』都市計画)の実施が決定した。
東京五輪が2020年に開催されることで、国家戦略特区に指定されている東京23区、その中でも千代田区・中央区・港区を中心に、道路網や鉄道網、そして災害対策などの再開発プロジェクトが進んでいる。
田町駅の再開発の背景
田町駅前の再開発の背景には、2006年に東京ガスの研究所が横浜市に移転したことで、港区所有地と東京ガス所有地が重なりあい、まとまった空地が存在していたことにある。
今回、港区と東京ガスがお互いの土地を換地したうえで、一体的に再開発することになった。東京ガスが、三井不動産や三菱地所とともに、区役所の支所やスポーツセンター、小学校などの跡地を再開発する。公共施設を一度建て替える場合と比べて、既存施設を利用することにより閉鎖から新しい施設の供用開始までに要する時間を最小限にできるメリットがある。
本計画における東京ガスの狙い
今回の都市再開発の目玉は、名古屋駅のミッドランドスクエアと並ぶ、非常に大型で高効率なガスコージェネレーションシステムの構築と言えるだろう。簡単にいえば、ガスを使ったエネルギー供給であり、廃熱を利用する省エネルギーシステムでもある。ガスは容量を小さくして輸入できることから、コストパフォーマンスのよい天然資源とも言われており、今後の安定した資源供給には最適というのが東京ガスの説明である。東京ガスとすれば震災後に想定されはじめた『スマートシティ』のインフラを担当することで、先々の再開発のランドマークになると期待しているのだ。
将来性とコスト・リスクの問題
芝浦地区から海岸地区にかけては、今後再開発が波及していくことが考えられるが、この地域はまとまった面積となると一町分の島を開発するしか方法がない。その場合、運河のようになっている水辺をどうしていくのか、東京都と港区は十分協議をして行かざるを得ないだろう。特に、震災などで橋脚が喪失された場合は、孤島となる可能性がある。意外にコストのかかる地域という面も考慮すべきと考えられる。
ただ、今回の田町駅東地区の再開発では、三井不動産と三菱地所の不動産ノウハウと東京ガスの都市開発におけるエネルギーノウハウが融合して都市開発を進めており、将来的にはこの近辺にリニアモーターカーの駅も建設される。今後の将来性には期待できるだろう。
(ZUU online)
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