スペースXにも投資実績あり 富裕層が非上場株投資で抑えるべきポイント
(画像=PIXTA、ZUU online)

従来、非上場株式への投資(以後、非上場株投資)は、機関投資家やプライベートバンクの超富裕層、投資先と特別なコネクションを持っているエンジェル投資家にしか門戸が開かれていなかった。しかし、最近では非上場株の小口化や流動性向上が進んでおり、一般的な個人投資家でも手軽に投資できるようになっている。

その1つの方法が「個人投資家でも投資できる非上場株ファンド」への投資だ。第2回に引き続き、第3回もHiJoJo Partners株式会社代表取締役スピリドン・メンザス氏(以後、スピロ氏)に登場してもらい、非上場株ファンドについて色々と教えてもらうことにしよう。

スピリドン・メンザス
スピリドン・メンザス
HiJoJo Partners株式会社 Founder / 代表取締役 CEO。外資系証券にてエクイティ・トレーディング業務に携わった後、国内大手証券で日本株、アジア株の共同責任者を務める。その後、国内外のスタートアップ企業やベンチャーキャピタルを中心とした投資業務に携わった後、HiJoJo Partnersを創業。国内外のエクイティ市場、投資業務に精通し、海外の有力なスタートアップ投資家や起業家のインナーサークルにアクセスする独自のコネクションを有する。

目次

  1. SpaceX(スペースX)は1口5000万円で募集した
  2. 米国は非上場株のセカンダリーマーケットが整備されている
  3. ベンチャー企業の上場で注目されている「SPAC(スパック)」
  4. 自分が許容できるリスクなのか、見極めることが重要

SpaceX(スペースX)は1口5000万円で募集した

第2回ではHiJoJo Partnersの概要や投資手法を見てきた。それでは、実際にどのような銘柄に投資しているのだろうか。「創業してから18銘柄に投資しており、そのうち4社がすでに上場している。内訳は日本が2社、イスラエルが1社、あとは米国の企業だ。こう言うと米国中心に活動しているように感じるかもしれないが、HiJoJo Partnersは日本のスタートアップもたくさん見ている。ただ、企業の成長ポテンシャルをフェアに評価すると、結局は米国企業ばかりになってしまうというのが現状だ」(スピロ氏)という。

ファンド組入実績を見ていくと、FinTech、ビッグデータ解析、シェアリングサービス、自動運転、フードテック、アグリテック、宇宙関連など、今後の市場拡大が期待できる分野の銘柄が並ぶ。ここからは、投資先の具体例を見ていこう。

おそらく、HiJoJo Partnersが投資している銘柄のなかで、最も知名度が高いのはSpaceX(スペースX)だろう。オンライン決済のPaypal社の創業者であり、電気自動車メーカーTesla社の共同創業者兼CEOであるイーロン・マスク氏が創業した宇宙ベンチャーだ。ロケットや宇宙船の設計・製造・打ち上げといった宇宙輸送事業を手がけ、他の惑星に人が居住できるようにすることを究極の目標としている。

スペースXにも投資実績あり 富裕層が非上場株投資で抑えるべきポイント
(画像1=HiJoJo Partners株式会社)

宇宙産業は今後大きな成長が期待できる分野として認知されていることは、改めて指摘する必要はないだろう。スペースXが宇宙産業の覇者となるかは分からないが、非上場株ファンドを上手に活用すれば、このような有名非上場株に投資することすら可能だ。

ただし、さすがに購入するのは難しいようだ。スピロ氏によると、「スペースXは米国の非上場株で買うのが1番難しい。なぜなら、スペースXはNASAや防衛省と取引をしているので、いわゆる軍需産業にセグメントされる。そのため、原則として外国人が株主になれない。また、米国人であっても誰でも株主になれるわけではない」という。

では、なぜ日本人投資家に提供することができたのか。