本記事は、三崎優太の著書『時を稼ぐ男 新時代の時間とお金の法則』(KADOKAWA)の中から一部を抜粋・編集しています

時を稼ぐ男 新時代の時間とお金の法則8
(画像=PIXTA)

「柔軟性のある目標設定」が一番強い

起業をしたいと考えたとき、漠然とした目標は設定しておいたほうがいいでしょう。とはいえ、目標の中身については細部に至るまで決めておく必要はないと思います。

用意周到な人の場合、具体的な内容はもちろんのこと、期限を区切って目標の達成度合いを設定するケースもあるようです。ここまで徹底するのは決して悪いことではありません。しかし、私はおすすめしません。

なぜおすすめしないかと言うと、私自身が長期的なビジョンを設定しない経営者だからです。これまで経営してきた会社では、資金不足に陥ることだけは避けたかったのでキャッシュフロー計算書だけは作成していました。しかし、事業計画はほとんど作ってきませんでした。

目標や長期ビジョンを細かく設定しない理由は、「未来のことなんて誰にもわからない」からです。時代の移り変わりは実に早く、それに伴い市場環境も急速に変わっていきます。その変化に乗り遅れず、ベストのタイミングで対応するには、自らの手足を縛りかねない“枠組み”のようなものを持たないほうが有利です。

目標や計画を厳密に設定してしまうと、どうしてもそれを守ろうとする意識が働くので、自由を奪ってしまうような気がします。

そうは言っても、大きな目標や「将来、こうなりたい」という夢を持つことは大切です。その場合、細かいことは決めずに、大まかな方向性だけを決めておくといいでしょう。例えば、「自分の会社を業界1位にする」といった漠然としたものにしておきます。

大事なのは、世の中に変化が起きたときに、すぐにそれに対応する柔軟性を残しておくことです。この姿勢を維持できれば、大まかな目標を掲げつつ、ベストなタイミングで最良の判断を下すことも可能になるでしょう。

起業するつもりがあるなら、今すぐに始めよう

起業するつもりがあるのなら、すぐにでも具体的な準備を始め、なるべく早いうちに実行すべきです。その際は、すでに述べたように小さな規模からのスタートを目指します。

起業というのは、何歳で実行に移そうが、必ず一度は暗礁に乗り上げるものです。そうであれば、バイタリティに溢れる若いうちにつまずいたほうが、リカバリーがしやすいですし、学びも多いでしょう。

「起業するのは、社会経験を経てから」と言って、起業を先送りにしている人もいるかもしれません。そうした考えに固執するよりも、プランがあるのなら実際に起業に向けて動いてしまったほうが得策です。

もちろん、社会経験を積むことは無駄ではありません。ただし、例えば社会人となり、会社員生活を数年経験してしまうと、一定期間とはいえ“会社員”の価値観に染まることになります。起業において、それが吉と出る場合もあると思いますが、凶と出てしまうケースも多々あるのです。その点は覚悟しておくといいでしょう。

私の場合、会社員として働いた経験はないので、ビジネスに関しては比較的まっさらな価値観の中で自由な発想で起業できたと考えています。一般的な常識を知らずに恥をかく場面もありましたが、常識に縛られずに思い切った決断を随所で下せました。

仮に“社会経験が必要“だからと会社に入って会社員生活を送っていたら、大半の人たちと変わらない常識の中に埋もれてしまい、起業をしようとは思わなかったかもしれません。こうした事態が起こり得るので、起業したいと思ったら、年齢を気にせずにすぐに行動に移すべきです。

他との違いを際立たせ、競争優位性を高められれば、ビジネスで勝つ確率は間違いなく高まります。他と同じ考えを保ち、目立つことを避けて周りと同じ行動を続けていたら、いつまで経っても飛び抜けることはできません。

会社員や学生が起業する際に必要なこと

すでに会社員として働いていて、起業を考えている人は、今の仕事を続けながら、休日や帰宅後の時間を使って小さなビジネスから始めることをおすすめします。

起業は、若いうち、早いうちに始めるのがベストですが、現実問題として生活費を稼ぐ必要があったり、家庭を持っていたりするケースもあるでしょう。その場合は、無理をする必要はありません。会社に勤めながら生活の基盤を確保しつつ、一方で果敢にチャレンジしていってください。

ただし、会社勤めをしながらのチャレンジで忘れてはならない事柄がひとつあります。それは、「実際に起業するまでの期限」をしっかりと設定することです。

会社勤めをしながら起業を目指すとなると、切迫感を抱きづらくなるという欠点に見舞われます。日々の仕事をこなすことに満足し、毎月支払われる給料によって“骨抜き“にされてしまうのです。

20代のころから「起業したい」と言い続け、気が付けば40代後半になってしまったと嘆くのか、それとも信念を貫いて実際に起業にチャレンジしてみるのか、すべてはあなたの行動にかかっています。

「あのときに思い切ってやっておけばよかった……」

こんな言葉を吐かずに済むように、自分への戒めとして期限だけは決めておきましょう。

一方、大学生で起業をしてみたいと考えている人もいることでしょう。学生起業はかなり浸透しつつあるので、ぜひチャレンジしてみてください。会社員に比べれば時間的な融通も利きやすいので、起業しやすいという利点もあります。

先ほども述べましたが、起業する際に社会経験はいっさい求められません。大学在学中に起業して成功した人もビジネス界にはたくさんいます。固定観念に縛られることなく自由な発想で挑んでいけばいいのです。

何歳からでも遅くない!

では次に、30代から40代で、会社員生活を10年以上も続けてきた人が「起業をしたい!」と望んだ場合はどうでしょうか。

これに対する答えはやはり「起業はいつでもできる」というものです。確かに、若いうち、早いうちに起業したほうが様々なメリットがあります。しかし、だからといってあきらめてしまうのは早計です。

30代、40代の会社員ならば、逆にそれまでの経験が「武器」になり得るという点を押さえておくといいでしょう。

先ほど社会経験を積むことは無駄ではないという話をしたとおり、10年から20年も会社員として働いていれば、人脈や実務スキルなどが確実に身に付いているはずです。これが若い人たちにはない貴重な武器となります。それをフルに活かして起業にチャレンジしてください。

社会経験がある人には、経験がある人ならではチャレンジの仕方があり、若者であれば、新鮮な価値観を大切にし、若さを前面に押し出してパワープレーをすればいい。それだけの話です。

時を稼ぐ男 新時代の時間とお金の法則
三崎優太(みさき・ゆうた)
1989年生まれ。北海道出身。実業家、起業家。高校を二度退学後、パソコン1台で起業し、18歳で株式会社メディアハーツ(現・ファビウス株式会社)を設立。2017年に「すっきりフルーツ青汁」が累計1億3000万個の大ヒット商品となり、年商130億円を達成。「青汁王子」の異名で注目を浴びる。2019年に開始した「青汁劇場」はフォロワー130万人を集め、大きな話題を呼んだ。SNSのフォロワー数は、YouTube登録者数45万人、インスタグラムのフォロワー55万人、ツイッターのフォロワー130万人で累計230万人に支持されている。現在は投資家として10社以上に出資を行い、年間総額300億円の売上を誇る。著書に『過去は変えられる』(扶桑社)がある。

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