本記事は、三崎優太の著書『時を稼ぐ男 新時代の時間とお金の法則』(KADOKAWA)の中から一部を抜粋・編集しています

時を稼ぐ男 新時代の時間とお金の法則5
(画像=PIXTA)

打算は決して悪いことではない

先ほど、「私にどうしても会いたい」と申し込みながら、あとになって面会を断る人たちの話をしました。断ったのは、もしかしたら私と会うよりも優先させるべき事柄があったのかもしれません。

仮にそうであれば、その人は正しい判断をしたと思います。しかし、ただ単に調整可能な予定を優先させただけならば、「機会の喪失」と言っていいでしょう。

こんな話をすると、「打算的だ」と眉をひそめる人がいるかもしれません。

しかし、打算的で何が悪いのでしょうか。「打算的なのはダメ」という発想が強すぎれば、優先順位を入れ替えることも難しくなってしまいます。こうなると、もはや窮屈な感じしかしません。

とはいえ、こうしたガチガチの価値観に縛られた人たちが日本には多いからこそ、そこからはみ出した瞬間、「大多数とは異なる特別な存在」に昇華でき、簡単に成功をつかめるというメリットがあるのも事実です。この点をしっかりと押さえると、日本ほど成功するのが簡単なところはないとさえ思えてきます。

日本には昔から存在する慣習が数多くあり、多くの人たちは、知らず知らずのうちにそれらの慣習に盲従しながら生活しています。そのおかげで争いの少ない平穏な生活が保たれているのかもしれません。しかし、同時に閉塞感や非効率性、不合理性を至るところで生み出しているようにも見えます。

そうした非効率性や不合理性を横目に眺めながら、自分だけ徹底的に合理性を追求していけば、驚くほど簡単に他者との競争に打ち勝ち、成功を手にすることができるはずです。日本の社会には、こうしたチャンスがあちこちに転がっています。

それまでの固定観念に疑問を持たず、もしくは持っていても異議を唱えることをしないまま、「どうしたら成功できるだろうか」と考えていても、なかなか壁は打ち破れません。従来式の古い枠組みの中に閉じこもったまま、成功を収めるのは実に難しいのです。

「成功するのは難しい」
「社会の目が厳しくて息苦しい」
「世の中は甘くない」

こうした不満を口にする人がたくさんいます。しかし私は、「成功するのは難しい」とも、「社会の目は厳しい」とも、「世の中は甘くない」とも思いません。そう思ってしまうなら、それは「井の中の蛙(かわず)」的な考えです。

もしも本気で成功を手に入れたいのなら、今すぐに“井の中”から飛び出すことです。周りの目や意見に惑わされず、効率的で合理的な判断をしながら生きていくように努めてください。それをした途端、世の中の見え方が変わります。その段階にたどり着くだけで、すでに成功をつかみ取る可能性は数倍高まっているはずです。

「成功」に向かって最短距離を走れ

このところの世界的な風潮として、会社経営をするのであれば、ビジネスを成功させるのと同時に、社会貢献も盛んに行わなければならないという”圧”が強くなってきている気がします。あたかもそれは、「社会的責任を果たさなければ、お金持ちになる資格はない」といっているかのようです。

しかし正直な話として、社会貢献を念頭において起業する人はほぼ皆無と言っていいのではないでしょうか。どんな経営者であっても、ビジネスを立ち上げたばかりのときは社会貢献を考えるような余裕はないはずです。仮にそちらに関心を向けているようであれば、逆にビジネスでの成功は難しいでしょう。

ビジネスで成功するというのは、本来、とても泥臭いものなのです。「社会のために……」「世の中がよくなるように……」などという考えをビジョンとして掲げている会社もあるかもしれませんが、それらのほとんどは建前であり、間違いなく本音は「まずは稼ぐ」「収益を上げる」という点にあります。

再度強調しますが、ビジネスは戦争なのです。表向きはどうであれ、中身に泥臭さがなければ経営者としては成功できません。しかし、その泥臭さを表に出した瞬間、世間から一斉に批判されてしまうケースが多々あります。それをわかっているから、ほとんどの経営者が本来の中身を隠し、きれいごとしか言いません。

ビジネスで成功したいのであれば、回り道をしないことです。ビジネスは泥臭いものという事実を受け入れて、とことん貪欲になる。それが成功を手にする際の最短距離です。うわべを飾るためにきれいごとを言っている暇はありません。

周りの目を気にせず、目的に向かって一目散に走ることができれば、ビジネスの世界における領土を素早く獲得できるでしょう。社会貢献などの”きれいごと”を述べるのは、大成功を収め、不動のポジションを得てからでも遅くはないのです。

挑戦しない人には永遠に成功はやってこない

成功をものにするには、挑戦することが欠かせません。それまでの固定観念を突き壊し、新たな挑戦することなしに大きな成功は望めないのです。

日本の状況を見ていると、挑戦すれば勝てる確率が高いにもかかわらず、失敗を恐れて挑戦を避けている人が多いと思います。そもそも、何かに挑戦すること自体をリスクと捉え、否定する空気があるくらいなのです。

ただし、私はその風潮がゼロになることを望んでいません。むしろ、その風潮がより強くなるのを期待しています。なぜなら、そうした社会だからこそ、競争が激化しない環境が保たれ、その一方で、挑戦しさえすれば簡単に勝てるという状況が手つかずのまま残り続けるからです。

「成功」と一概に言っても、どれほどのものを指すのかは人によって差があるでしょう。いずれにしても、挑戦する人がかなり少ない日本の社会では、思い切って挑戦さえすれば、挑戦をしない者たちを押しのけて成功する確率は高くなるのです。

周囲の人たちが同調圧力によって萎縮しているのを横目で眺めながら、人と異なることを恐れずに、自分を周りから切り離して一生懸命努力をしてください。たったそれだけで、あなたが成功する可能性は一気に跳ね上がります。

もうひとつ大事なのは「執着心」

成功をつかむために必要なもうひとつの事柄は、「執着心」です。執念と言い換えてもいいかもしれません。執着心や執念を持つことは、とても大事です。成功に対する私の執着心はかなり高いと言えます。挫折や失敗を繰り返しながらも今の地位にいられるのは、執着心を絶やさなかったからです。

この執着心の原動力になっているのは、コンプレックスと言っていいでしょう。若くして北海道から上京した私は、常に劣等感を背負いながら過ごしてきました。その鬱屈した気持ちの中でたぎらせていたのは、「いつか見返してやる」という反骨精神だったのです。それがあったからこそ、逆境に追い込まれてもくじけることなく復活を果たせました。

(今は苦しくてつらいけど、いつか「あの苦労は無駄じゃなかった」と思えるようになってみせる)

そう言い聞かせながら、自分自身を支え続けたのです。

どんな逆境にあったとしても、最後まであきらめずに前を向いていれば、確実に何かが変わっていきます。自分が置かれた状況が変化していく様子を一度体験すると、誰もが避けては通れない逆境への恐怖心は薄らいでいくでしょう。たとえ逆境に陥ったとしても、それをうまくやり過ごしたあとには、必ずプラスとなる何かを得られるものなのです。

「少数派」であることは強力な武器である

「学歴がない」
「就職に失敗した」
「失業した」

こうした悩みを抱えている人がいるかもしれません。しかし、これらは単に「今の状況」を切り取っているだけであり、そもそも悩む必要はないのです。

学歴に関しては、私自身、高校を二度中退したあと、単位制の高校をどうにか卒業したという経歴しか持ち合わせていません。しかしむしろ今では、「しまった、何で高校なんか卒業してしまったのだろう」と思うくらいです。

学歴なんかに振り回されず、中卒のままだったら、確実に大多数の人と異なる経歴を持つことができました。圧倒的少数派である「中卒」を武器にできたのです。

多くの人たちは「中卒」という経歴をネガティブに受け取るかもしれません。しかしそれは間違っています。世間の大多数の考えに逆行すればするほど希少価値はどんどん高まり、結局はそれが「武器」になるのです。

このことにいまだ気づかず、大多数の人と違うからといって多くの人が悩んでいます。もしも自分が「大多数とは異なる少数派」だと思ったら、それはあなたが強力な武器を持っている証(あかし)だと思ってください。

時を稼ぐ男 新時代の時間とお金の法則
三崎優太(みさき・ゆうた)
1989年生まれ。北海道出身。実業家、起業家。高校を二度退学後、パソコン1台で起業し、18歳で株式会社メディアハーツ(現・ファビウス株式会社)を設立。2017年に「すっきりフルーツ青汁」が累計1億3000万個の大ヒット商品となり、年商130億円を達成。「青汁王子」の異名で注目を浴びる。2019年に開始した「青汁劇場」はフォロワー130万人を集め、大きな話題を呼んだ。SNSのフォロワー数は、YouTube登録者数45万人、インスタグラムのフォロワー55万人、ツイッターのフォロワー130万人で累計230万人に支持されている。現在は投資家として10社以上に出資を行い、年間総額300億円の売上を誇る。著書に『過去は変えられる』(扶桑社)がある。

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