COOのキャリアパス

会社の運用方法はさまざまであるため、その会社がどのような役職の人物にCOOを任せているかによってキャリアパスも異なる。

たとえば、会長がCEOで社長がCOOの伝統ある会社ならば、COOになるには社長を目指さなければならない。このような会社を除けば、一般的によくあるのは、執行役員制度を導入している会社に入社し、その会社の執行役員から取締役執行役員を経てCOOとなるルートである。

他にも、大手企業で集客、企画、事業開発など営業活動全般に関わる業務を経験した人が、転職先のベンチャー企業でCOOに就任するというケースもある。

また、COOには当然ながら会社の商品やサービス知識が欠かせない。そのため、たとえば、IT技術関連の企業であれば、技術部門出身者がCOOの職に就くというような運用も考えられる。

COOは営業活動の統括として会社の成長に欠かせない存在

COOの役割や、日本に導入された理由、COOと取締役や社長・副社長といった他の役職との違い、COOへのキャリアパスなどについて解説した。COOは、営業活動の業務執行を統括する役職であり、会社の成長はもちろん事業拡大など、会社経営の今後を左右する役職である。

CEOなど他の役職との兼務を行う場合もあるが、会社の売上など収益に直結する責任を有するため、経営資源を正確に把握した上で、自社にとって最適な決断を下すことが求められる。

なお、説明のために、文中で実在する会社の経営体制について紹介しているが、すべて執筆当時(2021年10月)、ホームページで公開されている内容に基づいて執筆していることをご了承いただきたい。

COOに関するQ&A

COOとは何をするの?

COOとは、会社の「最高執行責任者」のことであり、会社の業務執行ラインのトップにあたる役職である。具体的には、会社のマーケティング、開発、製造など、会社の事業に関する活動を統括する。

COOは単独で導入されるのではなく、CEO(最高経営責任者)とともに導入されることが一般的であり、CEOが決定した経営方針を実現するための、CEOの右腕となる経営幹部の1人と位置付けられる。

COOとCEOはどちらが偉い?

COO(Chief Operating Officer)は、「最高執行責任者」として、会社が決定した経営方針の下、その会社の業務執行、つまり事業活動全体を統括する役職である。これに対し、CEO(Chief Executive Officer)は、「最高経営責任者」にあたり、事業活動を含む経営全体の責任を負う。

よってCOOよりもCEOのほうが責任範囲は広く、CEOが上の立場となる。「社長兼CEO、副社長兼COO」のように、会社のナンバー1がCEOを、ナンバー2がCOOを兼任するケースが一般的だ。

COOとCFOはどちらが上になる?

COO(Chief Operating Officer)は「最高執行責任者」として、会社の業務執行を統括する。これに対し、CFO(chief financial officer)は「最高財務責任者」として、会社の財務戦略を統括する。どちらも企業の成長に不可欠であり、CEOの片腕となる存在である。

したがって、COOとCFOの役割や責任範囲に優劣はないが、慣習的に、COOをナンバー2に据える会社が多いようだ。

COOとCTOはどっちが偉い?

COO(Chief Operating Officer)は、「最高執行責任者」として、会社の事業活動全体を統括する役職である。これに対し、CTO(Chief Technology Officer)は「最高技術責任者」として、技術開発全体を統括する役職である。慣習的には、CEOをナンバー1、COOをナンバー2とするケースが多いため、組織図の上で、CTOはCOOより下位の職となることが多い。

しかし、たとえばIT技術関連のスタートアップ企業などでは、経営幹部が技術部門出身者であることが多いため、CEO兼CTO、COO兼CTOといった役割分担も見受けられる。

事業承継・M&Aをご検討中の経営者さまへ

THE OWNERでは、経営や事業承継・M&Aの相談も承っております。まずは経営の悩み相談からでも構いません。20万部突破の書籍『鬼速PDCA』のメソッドを持つZUUのコンサルタントが事業承継・M&Aも含めて、経営戦略設計のお手伝いをいたします。
M&Aも視野に入れることで経営戦略の幅も大きく広がります。まずはお気軽にお問い合わせください。

【経営相談にTHE OWNERが選ばれる理由】
・M&A相談だけでなく、資金調達や組織改善など、広く経営の相談だけでも可能!
・年間成約実績783件のギネス記録を持つ日本M&Aセンターの厳選担当者に会える!
・『鬼速PDCA』を用いて創業5年で上場を達成した経営戦略を知れる!

✉️経営、事業承継・M&Aの無料相談はこちらから

文・中村太郎(税理士)

無料会員登録はこちら