どうなる暗号資産市場
(画像=PIXTA、ZUU online)

2017年にバブル相場を形成し、メディアなどでも大々的に取り上げられるなど一大ブームを形成したビットコイン。その後、価格の急落で人気は離散したが、2020年後半から再び上昇を開始。2021年11月には一時1BTC=772万円を記録し、世界の金融市場に「ビットコインここにあり」を示した。しかし、その後は調整局面に入り、足元でも弱含みの状態が続いている。はたして今後の暗号資産相場はどう動いていくのか。暗号資産取引所へのコンサルティングや暗号資産関連のコラム執筆に携わるかたわら、自身も暗号資産のトレードをするひろぴーさんに、2022年の暗号資産相場について話を聞いた。

ひろぴー
ひろぴー
CXR株式会社代表取締役
FX&Crypto(暗号資産)トレーダー。自らのトレーディングノウハウから、ユーザビリティの高いインターフェース総監督を担う。金融プラットフォーム開発や暗号資産取引所へのコンサルティング事業が柱。2019年7月より TradingView Japan の マーケティングディレクターに就任。FX会社や仮想通貨取引所のコラムニスト、ラジオ日経のパーソナリティなど多方面で活躍するかたわら、自らFXや暗号資産のトレーダーとして巨額の資産を築き上げることに成功している。
Twitter:@hiropi_fx

目次

  1. 2017年と2021年のビットコイン相場は全く異質
  2. 暗号資産に対する規制強化は長期的にはプラス材料
  3. 「悪いインフレ」継続なら大規模なリスクオフ相場到来も
  4. 2022年、草コイン投資はNG!ビットコインの独歩高相場到来も

2017年と2021年のビットコイン相場は全く異質

―― 2021年は、ビットコインの価格が年初の300万円台から、11月には一時700万円を突破するなどかなりの勢いで上昇しました。

2021年は、ビットコインは「本当によく上がったな」というのが率直な感想です。特に、3月の上昇は驚きでしたね。年初から価格が急上昇して、そろそろ相場が緩むと予想していたからです。米テスラ創業者のイーロン・マスクをはじめ、上場企業の社長たちが数百億単位でビットコインを買ったことが話題になりましたが、彼らのようなレベルの高い投資家層が暗号資産のポテンシャルに気付き始め、暗号資産市場に“参戦”してきていることがビットコインの価格を押し上げています。

ヘッジファンドの帝王と呼ばれるレイ・ダリオも、1、2年ほど前までは「暗号資産は通貨として機能しない」と発言するなど“ビットコイン懐疑派”でしたが、いまではビットコインの大ファンと呼べるほどスタンスを一変させています。そうした人々の参入によって、暗号資産のマーケットは分厚い資本を背景とした、筋肉質なものになってきたと思います。そういう意味で、2021年は暗号資産にとって実にいい年だったと思います。

―― 当時はまだ「仮想通貨」と呼ばれていましたが、2017年の「第1次ビットコインブーム」と現在とで大きく変わった点はなんですか?

2017年の時は、まだマーケットに入ってくる資本が薄かったので、ボラティリティー(価格の変動率)が大きく、アセットとしてのレベルが低かったですね。イーサリアムは2018年1月、一時17万円台に乗せた時と、昨年3月に再び17万円を突破した時では流動性がまったく違います。NFT(非代替性トークン)やDeFi(ディーファイ=分散型金融)がバブル化する過程で、新しい価値観が次々と生まれていますし、暗号資産の元になるブロックチェーン技術のレベルも上がっています。

2017年時はほぼ投機的な売買に限定されていましたが、現在は商品の決済や給与・報酬の支払いなどを暗号資産で行う企業が出てくるなど、実需としての需要が増えているのも、2017年と現在で決定的に異なる点です。「バブル」という点で2017年と現在の相場を並べて語る人もいますが、さまざまな分野で明らかにレベルアップしています。

―― ビットコインの価格は昨年11月に772万円まで上がりましたが、足元では400万円前後まで下落しています。これをどう見ていますか?