この記事は2022年2月9日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「西原宏一氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。
2022年2月9日(水)の午前11時すぎに現役トレーダーの西原宏一さんに聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。
西原宏一 青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行にて為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラーなどを歴任後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。 |
現在の為替相場の傾向や相場観
先週のECB後、ユーロの反応は凄まじいものがあった。しかし、今週前半はもみ合いに終始。現在のユーロ/米ドルは1.142ドル前後で推移している。
これは「欧州当局者からの火消し発言が効いている」のコメントが目立つ。ひとつは2月7日(月)のラガルドECB総裁のコメント、もう一つは仏中銀総裁の発言だ。
“欧州中央銀行(ECB)の政策委員会メンバー、フランス銀行(中銀)のビルロワドガロー総裁は8日、ECBのタカ派転向という自らの受け止めに投資家が過剰反応した可能性があると語った。ラガルドECB総裁による先週の会見での発言を受け、エコノミストらは利上げ予想を前倒しし、5年余り続いたマイナスの政策金利が年内に終わる見通しを市場は織り込み始めた。ラガルド氏は7日、いかなる動きも「漸進的」なものになると強調したが、おおむね無視された。”
引用:ブルームバーグ
ラガルド氏やビルロワドガロー総裁が、市場を落ち着かせるコメントをするのは当然のこと。2月7日(月)のラガルド氏のコメントが、さらにタカ派になっていたらマーケットがパニックになる。沈静化させるコメントをするのは当然のことだ。
現在の為替相場の戦略やスタンス
ユーロに対してのブルなスタンスは変らず。ユーロ/米ドルの上値をおさえているのが、ウクライナ懸念と、オプション。
ユーロ/米ドルの1.15ドルのオプションは、2月9日(水)午前10時40分の時点で30億ユーロに増えており、一定のレジスタンスになっている。
1.15ドルには、他にバリアオプションの存在が噂されている。ユーロ/米ドルはこの1.15ドルをいつ抜けてくるかが焦点だろう。ユーロ/米ドル、ユーロ/英ポンドの押し目買い戦略で臨みたい。
▽ユーロ/米ドルの日足チャート
※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。